童話のような雰囲気を湛えた作品ですが、主人公を取り巻く状況はかなりハードです。主人公アルトは若くして王の座を継ぎますが、『黒い森』との戦争、食い物にしようとする家臣、そして妖精に苛まれ気が休まりません。彼が王位を継ぐ原因となった呪いも随分と残酷です。生きてはいるが、目覚めるのは100年後。たった一人取り残された彼の心中いかばかりか。柔らかく童話的な語り口調だからこそ、これらの事実が重くのしかかります。『商業都市のお転婆娘』まで読了いたしました。明るく行動的な姉妹がこれから物語にどうかかわるのか。続きを楽しみにしております。
大切なものを失い、王となった少年。様々な苦難、挫折、障害を、どのように乗り越え、成長していく過程を見守りたい。ファイトですぞ。
最新話・諸侯戦後半まで読み終えたレビューです。子供が主人公の話というのはそれだけで面白く感じます。コナンとかラピュタみたいに。ただ今回は王族に生まれた子供の頭脳と矜持の戦いで、そこがまた面白くかわいらしく描かれています。おとぎ話が基調になりますが、舞台はしっかりとしたファンタジー小説で、語り口などもとても心地よく描かれています。少年の戦い、その成長が描かれることを期待してしまいます。
若くして王位に就いた主人公が、家臣たちにサポートしてもらいながら、あれこれ苦労しつつも、健気に王としての任を果たそうとしています。……でもこの主人公、物語開始時点でわずか9歳、小学校3年生相当なんですよね。この年でいい大人とやり合わないといけないとは、本当に大変なことだと思います。世界設定から人物紹介まで焦らず丁寧に描かれていて、まだ序盤ですがこれからが楽しみな作品です。
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