澄田こころ（伊勢村朱音）

幕末の混迷する時代。とある地方にある青海藩でおこる群像劇。 時代の波はこの藩をも飲み込んでいくのだが、そこに暮らす人々は己を見失わないようにけなげに時代の波に乗るのではなく、かぶり…続きを読む

最近、お姉ちゃんがなんだかおかしい。 中１の妹の目をとおしてかかれる、姉の秘めた思い。 思春期でしか感じることのない、誰にも言えない思い。 しかし、姉の思いだけでなく姉妹間の独特…続きを読む

みなさん、割礼（かつれい）をご存じでしょうか？ この日本に住んでいると、なじみのない言葉。 しかし、ユダヤ人にとってはとてもなじみのある割礼。 そんな、ユダヤ人と結婚された筆者さ…続きを読む

シングルマザーで、思春期男子を育てているお母さん。 もう、この前おきだけで大変だなと伝わってきます。 でも大変だけど、しんどいけど、思春期男子にイライラするけど、けっして不幸じゃな…続きを読む

昭和の京都西陣を舞台にし、少女の目を通した今は薄れゆく昔の風情が描写されます。 耳障りのいい、京ことば。子供のほほえましい日常。ですが…… ちらりとのぞく、やるせない現実。 おこも…続きを読む

主人公の中年男性は、ある日妻に「たまご焼きくらい、もっと上手く作れないのかよ！」と暴言をはいてしまいます。 そして、妻と娘はあっさり男を残して家を出ていきました。男はつぎの日から…続きを読む

二十歳の時、あるきっかけで精神科のお世話になり、そこから十四年間病院からだされる多剤大量処方により社会と隔絶した生活を送った人の軌跡。 筆者、無雲さんの身におこった実話です。 彼…続きを読む

ある日、歌を愛する人間の少女の前に、女神アテナが堕ちてきた。 世界は、神膜で神と人の世が分断されている。 神々はその膜の内で終わりなき戦いを繰り広げていた。 神は不老不死、なのに…続きを読む

本格的な推理ものですが、キャラがみんないい。 天使のような、マザー。悪魔の警視正。 容疑者たちもみんなキャラがたっていて、全員怪しい。 ミステリーで重要なのは、キャラのたった容疑…続きを読む

この設定、ラブコメで散々みかけますよね。 たいてい、お互い意識しだして、イチャコラが始まる（笑） このおはなしは、そんな簡単じゃない。 たしかに、兄と妹はお互いを特別と意識して…続きを読む

第６回カクコンもまっさかり。 運営さんが公開するランキングに、一喜一憂している参加者さんが大勢いることでしょう。 かく言う私もです。 「あー今日は〇〇位だった、明日はあがっていま…続きを読む

主人公の蒼は流刑地とささやかれる、音楽ホールに配属された。 そこには、個性あふれる男性職員ばかりで…… 音楽の知識ゼロの蒼はとまどうばかり。 もう、毎日がブルー。そんな日常が、…続きを読む

今どき古風なラジオを聞いている中学生の男女のおはなし。 ラジオを通してのやりとりは、顔を見て話すより気持ちがずっと素直になる。 SNSとも違う、顔をみないやりとり。でもそこには人…続きを読む

思春期ってなんだったんだろう？ いい大人になった私は、この作品を読んでそう思う。 中学生のキヨミは、ある朝自分の頭にハゲができているのに気づき、絶望する。 もう死んでしまいたい…続きを読む

男は旅立つ前に、女のところへやってきた。いつもは二つの雪見だいふくを一つだけもって。 分け合いたかった。でも、それには言葉が足りなくて……体から始まってしまった幼馴染の恋。恋とい…続きを読む

大学生の孝信と、フリーターのハル（男）が夏の暑い日を別荘ですごす怠惰な日々。 このBL作品、大人の都合により、性描写はカットされています。すべてぬかれています。 一話ごとに繰り広…続きを読む

没落旧家の令嬢が嫁入りの日に、庭に咲き乱れる燃えるような赤い源氏車の花をみていた。 その美しい横顔には秘めた思惑が…… 横溝正史的世界観で展開される、心理サスペンス。 気泡が入り…続きを読む

水色の桜が咲き、真っ赤な葉桜となる。そんな桜が咲く魔法の世界。 でも、異世界だからといって、思春期女子のお悩みはなんら変わらない。 ありのままの自分に自信がもてない。 好きな物を…続きを読む

作者さんの祖父が、戦前に体験したお話しをまとめたものです。 高度経済成長期、ブルドーザーで山を切り開き自然を蹂躙するまでは、 人間と自然はとても近い関係にあった。 山への畏怖、野生…続きを読む

ランプが本体の魔法生物である治療術師の少年と、人間に合成獣にされたいびつな体をもつ少女の物語。 精霊の森にある、一本の大木の中（こえだちゃんをイメージ）にその治療院はある。 とにか…続きを読む

ブラック企業に勤める主人公が、判断能力を失い心をすり減らし働き続けている。 そんなぎりぎりの精神状態の中、ある人と出会う。 この話には名前がいっさい出てこない。 主人公は名前をもた…続きを読む

死に場所を求める女と生きる場所を求める男が、荒れ狂う海を見下ろす崖の上で出会う。 海や月の描写、心象風景。それらに導かれうつくしい物語の中へ。 最後に思ったのは、死に場所も生きる場…続きを読む

小説の投稿サイトで知り合ったエイナさんに会いに行くあたし。 エイナさんは大人の素敵な女性だった。 喫茶店で二人はマシュマロ入りココアを飲む。 向かい合い、同じものを飲んでいる二人。…続きを読む

恋人同士のたわいもない情事の描写が続いていくかと思いきや。
なんなんですかこれ……面白すぎる。
左右の乳首の色の差の訳を（すまん「の」が続く文章）、みなさまお考えください。

人間は、芸術がなくても生きていけます。 音楽がなくても、死ぬことはありません。 しかし、サルから人間に進化し、知性という物をみにつけてくると、そこらに落ちている木や石を使って、リズ…続きを読む

都で心に傷を受けた男が、古都を目指す。
それは妻から逃げたのか、それとも池の女に導かれたのか。
怜悧な月の光が幻想的で、とてもうつくしい物語でした。

明智光秀の娘にして戦国時代では名の知れた細川ガラシャ。 対する夫は、一族であろうとも皆殺しにする苛烈な忠興。 お互いの胸に氷の杭をうちこむような、会話の応酬にぞくぞくさせられる。 …続きを読む

猫がノブナガで、イケボイスってすごいアイデアです。 歴史背景もばっちりで、舎弟のネコがうんこもらすとか、くすっと笑ってしまいました。 ノブナガには、ぜひ天下統一をはたしていただきた…続きを読む

数十年前、久高島へフィールドワークに出かけたことがあります。沖縄の民俗学をかじった身としては、この物語には脱帽です。 膨大な資料を読み込み、なおかつご自身の死生観を物語に織り込まれ…続きを読む