ぬくとい、けど少し心がひえる。そんな大人の童話

昭和の京都西陣を舞台にし、少女の目を通した今は薄れゆく昔の風情が描写されます。
耳障りのいい、京ことば。子供のほほえましい日常。ですが……
ちらりとのぞく、やるせない現実。
おこもさん、女狐、いつもニコニコしている何もできない同級生、そして、でもどりさん。

少女が不思議に思う存在は、大人になるとその正体がわかることでしょう。
でも子供のうちだけは、ぬくとい、暖かい繭にくるまり夢の中を遊んでいてほしい。
そんな作者さんの思いがつたわるようでした。

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