もどかしい。素直じゃない。でも、その表に出る感情の仮面を、誰しもきっと被っている。幼かった家族が、大人に近づいて自我がくっきりと姿を表そうとする過程では、特に。その瞬間の母の葛藤。一見突き放すような息子の言葉の隙間から覗く、母への想いの本音のありか。どこかくすぐったい、焦ったい、母子のそんなやり取りに、胸がじんとなりながらも、頬が緩む、暖かい作品。
シングルマザーで、思春期男子を育てているお母さん。もう、この前おきだけで大変だなと伝わってきます。でも大変だけど、しんどいけど、思春期男子にイライラするけど、けっして不幸じゃない。熱々の赤と緑のカップ麺をすする親子。湯気のむこうには、不器用に母を思う息子の顔。その顔はどんなアイドルやイケメン俳優より、最高にかっこいいのです。赤と緑もいい仕事してます。親子の思いを合わせると、もっともっとおいしくなるね!それは、幸せの味。