そこここから漏れる、母と息子の隔たりの裏の本音

もどかしい。
素直じゃない。
でも、その表に出る感情の仮面を、誰しもきっと被っている。
幼かった家族が、大人に近づいて自我がくっきりと姿を表そうとする過程では、特に。

その瞬間の母の葛藤。
一見突き放すような息子の言葉の隙間から覗く、母への想いの本音のありか。

どこかくすぐったい、焦ったい、母子のそんなやり取りに、胸がじんとなりながらも、頬が緩む、暖かい作品。