ここは音楽ホール、流刑地……ではない

主人公の蒼は流刑地とささやかれる、音楽ホールに配属された。
そこには、個性あふれる男性職員ばかりで……

音楽の知識ゼロの蒼はとまどうばかり。

もう、毎日がブルー。そんな日常が、季節の移ろいとともに少しづつ変化していきます。
様々な人との出会い、職員たちとの一筋縄ではいかないおつきあい。
そして最大の出会いは、ドイツ帰りのヴァイオリニスト関口蛍。

彼と、お互いの背中を少しづつ押しながら、前進していきます。その姿が親友以上の感情を含んでいそうで、含んでなさそうで……微妙な心情をモダモダしながら読み進めたら……

最後、流刑地だった音楽ホールに立ち、蒼がみた風景をみなさんもいっしょに体感してください。
きっと、ブルーな風ではなく音楽の調べを含んだ、豊穣な風が心の中を吹き抜けることでしょう。

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