死に場所を求める女と生きる場所を求める男が、荒れ狂う海を見下ろす崖の上で出会う。海や月の描写、心象風景。それらに導かれうつくしい物語の中へ。最後に思ったのは、死に場所も生きる場所も同じではないかと。
第7回 角川文庫キャラクター小説大賞 優秀賞・読者賞W受賞 「姫君と侍女は文明開化の夢をみる~明治東京なぞとき譚」(伊勢村朱音名義) 角川文庫より「姫君と侍…
海を望む崖を舞台に、危うくもしっとりと落ち着いたストーリーが静かに進行していきます。生死というテーマはやもすると個人的主観が入り込み、押しつけがましくなってしまうと思うのですが、この作品は独特な死生…続きを読む
生き場所を求める『僕』と、死に場所を求める彼女。彼女からシャングリラという言葉を聞いた『僕』は、次第に彼女の語るシャングリラに引き込まれていきます。月や星は天蓋に空いた穴。毎夜そんな話を交わす二…続きを読む
いい文学作品ですね。比喩表現はそんなに出てこないです。硬派?なんでしょうか。その変わり、出てくるときのインパクトが凄いですね。読んでいて意味不明になるところもほぼなく。意味不明なとこ…続きを読む
世界は天蓋に覆われていて、月はそこに開いた穴。謎めいた女は、断崖の上で男に語る。夜の邂逅は彼に力を与え、話の続きを望むが……。きらめく星々のような死生観、静かにして熱狂を秘めた女の語りに引き込ま…続きを読む
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