高校生の女の子が、小説投稿サイトで知り合った大人の女性に憧れる。
彼女の青春のそんな一断面を鮮やかに切り取った一枚の写真のような掌編です。
ただ、その一枚の中には、視覚だけでなく、嗅覚、触覚、味覚に訴えてくる鮮烈さがあります。
それはハイティーン特有の閉塞感と相まって、読者の感性を痛いくらいに刺激します。
そんな痛みを和らげるのは、本編に登場するマシュマロ入りココア。
若さゆえの閉塞感も、大人ゆえの虚しさも、甘く温かなココアが優しく包み込んでくれるよう。
読後、私もマシュマロ入りのココアを飲みたくなりました。