サトヒロ

作品を読んでいて感じるのは、俳句とは詠み手と読み手の合作なのではないか、ということです。詠み手は、いかに感情、情景を伝えるか、そして読み手はいかに再構築して、その世界を自分のうちに…続きを読む

私がもし主人公（秋山修・レイモンド）だったら、きっと気が狂ってしまうことでしょう。現世の修には妻（美梨）と子が二人いる。異世界のレイモンドにも妻（メイサ）と子（トーマス・ユートピア…続きを読む

何もすることのない日、ふさぎ込んでいる日、落ち込んでいる日、悲しい日に。そんな日には、スケボーに乗った豚から、今日贈り物があるかもしれません。

高校を中退し、友もない孤独のОＬ（葵）は、公園でぼっち食をしています。そこで、耳の不自由な少女（小学生）と出会います。彼女は、おそらく学校にも、病院にも行っていないようです。言葉遣…続きを読む

カフェ『ペッシェ・ロッソ』の鐘の音が、カランカランと鳴る。さあ、一つの物語の始まりです。 訪れたのは、純白のワンピース姿、妖精のごとき女性。コーヒーの香り漂うカフェの中で、彼女は一…続きを読む

都会で一人暮らしを始めた一人の青年（律）、難病を患う少女（綾）。孤独な二人が互いに魅かれ合い、心の隙間を埋めていく。やりきれないほど過酷な状況で、物語は淡々と進んでいく。けれど、ひ…続きを読む

「イイネ。アナタハイイネ」と言って、飛び降り自殺した隣の部屋の女（知沙の母）。十年後、その部屋に引っ越してきた少年（三上）。その少年にも生霊が憑りついていた。生霊は主人公（藍）が自…続きを読む

作者が今まで描かれてきた十代の作品とは少し異なった作風に感じられます。 初々しく、瑞々しい青春の日々が、淡々と描かれています。若者たちの言葉、行動が生き生きと踊っています。 主人公…続きを読む

詩人（田舎の貴族）の打算と努力、王子の奇行と横暴。そして主人の詩人に仕える誠実な竪琴。三者は自滅していったように思えます。それとも、絶望のあまり竪琴は自ら死を選んだのかもしれません…続きを読む

佐倉創一は神楽大学一年生、新聞部に所属している。部員は三人、だが活動しているのは彼一人である。新聞部のメールアドレスにメールが入る。彼が報道した記事について話がある、と。部室に入る…続きを読む

コロナウイルスで失われた青春の日々が、私（鹿島祥子）の目を通して、感情を抑えつつ、淡々と綴られていきます。静（私）と動（武井真人・川崎美鈴）の、巧みな組み合わせが、この物語に深みを…続きを読む

愛の力は無敵だ。きっと……。
ああ……、悪夢であってほしい。
二人の愛のために。

とにかくストーリーも文体も優しいです。 学校の夜のトイレで、鏡を見たときの怖さが記憶に残っている私には、まさに救いのモチーフです。 何故、主人公の前に姿を現したのか、まだ分かりませ…続きを読む

アスターとアリッサムは、八歳違いの男同士（？）の幼馴染。八年ぶりに再会します。アスターは教師、アリッサムは生徒。 アリッサムはアスターにキスをしたり積極的に攻めまくります。一方アス…続きを読む

子供時代を思い出します。 虫たちに対しては、恐ろしく残酷でした。虫たちも、自分と同じ命を持つ仲間と思えば、違っていたかもしれません。 考えさせられる作品です。 本質的に、いじめ行為…続きを読む

ほのぼのとしたお話です。
コロナで塞ぎこんでいる心に、温かい風が流れてきたような、優しさに包まれます。
よくまとまっていて、読後感のよい作品です。
お薦めいたします。

長いプロローグから圧倒されます。 とにかく物語の設計が凄いのです。登場人物たちも個性的で躍動しています。 この物語の執筆に際し作者さまが尽くされたご努力に頭が下がります。 腰を据え…続きを読む

地縛霊に呪いをかけられ幽体となってしまったジュナ。呪いを解くためには美少女十人の魂を絵画に封じ込めなければならない。そして五十年、九人を絵画に封じ込めた。残るは後一人。 そこに現れ…続きを読む

またの日か、近況を知らせてほしいです。

誘惑する女子礼奈ちゃん、我慢する男子創くん。二人の恋のかけひきが生き生きと描かれる。 当の二人は大変でしょうけど、読者のわたしは無邪気に楽しんでいます。いえ、二人を心から応援してい…続きを読む

どうしたら、このような世界を創造できるのか。魔法のような作風を解き明かしたい。

時空を超えた並行世界が舞台。それも四十年前の東ベルリン。崩壊に突き進む１９８０年代の無彩色な世界が待っている。前作とは、雰囲気が違うように感じられます。ハードボイルドというか、舞台…続きを読む

死んでいたのは主人公で、妻と娘が生きていた、という落ちになるのではないかと予想していました。そんな姑息な手段を使っていませんでした。恐怖小説の王道を行く作品でした。

文章・表現が新鮮で驚きの連続です。
舞台背景もがっちりと組まれていて、物語に安定感があります。
このような作品を、活字で見る劇画、アニメと呼称してよろしいのでしょうか。

読み進めていくと、自分の高校時代と重ね合ってきます。にやにやしながら楽しんでいます。
文章の表現、流れがとても巧みで、全体が躍動しています。とても勉強になる作品です。

それぞれの原石を磨きあげて、宝石となった長編完成作を読んでみたい。

バトルに次ぐバトル。
その先にある輝きを見てみたい。

自分の未来に生きる時、今の自分を知ることができる。なんとも、センスのいい作品である。
軽快なテンポ、洒落た会話、揺れ動く心の細やかさ、巧みな省略表現。拍手喝采です。

壮大な世界観が目の前に広がる。
個性のある登場人物たちの生き生きと活躍する姿が、楽しい。そして予想外の展開。読ませる作品です。

軽妙な語りと洒落た語調で、不思議な世界での少女と少年の活躍を、物語の中で紡いでいきます。謎、謎の連続ですが、これから、如何なる衝撃が待ち受けているのか、楽しみです。

エミリアは王立女子看護学校を卒業し、軍の学校に入学した回復療法の達人。 　 日常的な学園生活と、軍人としての非日常の時間。この二つの異なった空間を、作者は繋ぎ、操り、エミリアを生き…続きを読む

読みやすく、惹きこまれる作品です。 女と男、女と女、男と男、複雑に絡み合う葛藤が、くるおしいほどの愛の遍歴となって読者に響いてきます。 作者ならではの、繊細で感性溢れる愛のかたちを…続きを読む

面白い作品です。 物語を取り巻く状況設定、世界観が綿密に計算されて丁寧に描かれています。適宜主人公のバックグランドが記載され、作品の重厚さを醸し出しています。戦闘シーンでもみられる…続きを読む

優しく、心温かい正義感に満ちた芹沢、鍋島の二人の刑事。
強大な敵に向かって、復讐劇が始まる。

一人称ニ視点で構成されています。一視点はバンパイヤ「ジョエル」、もう一つの一視点は戦国姫君「イチ」。交互に視点を換え、二視点で物語を進めていきます。 純粋なイチ、フェミストのジュエ…続きを読む

奇跡の秘宝とは何？　旅人は何者？　ただの魔法使い？　それともこの世の創造主？ 何故転移を続ける？ ラスト・エデンはどこにある？ 読者を迷宮に誘い込む、作者の罠。ああ、どうしたらいい…続きを読む

一度でいいから、みちるさんに会ってみたい。

文字数、淡々とした文章、何気ない表現、それでこれだけの深み、重量感を出すのは、見事と言わざるをえない。ぜひ長編も読んでみたい。

ユニークな設定、よだれが垂れてきそうな登場人物たち、軽快なテンポ、巧みな会話、とにかく読ませます。 それに応援コメント、作者の返信、そのやりとりが絶妙。 合わせ技で、一本。多くの読…続きを読む