作品を読んでいて感じるのは、俳句とは詠み手と読み手の合作なのではないか、ということです。詠み手は、いかに感情、情景を伝えるか、そして読み手はいかに再構築して、その世界を自分のうちに創造できるか、ということ。
たとえば、
方舟の図書館さらば卒業す
図書館が方舟だった学生生活、
どのような生活だったのか、詠み手には確かな光景を描いていることでしょう。一方、読み手は自分の経験感情から、確固とした情景を自分の心に描くことでしょう。
そして、そんな生活と別れを告げる。
なんとも言えぬ、奥行きと情感を感じます。
これからも、学んでいきたいと思います。