概要
二十六年前に、ここへ来たかった。
出張先を知った祖母から、恒樹は現地に住む叔父に会いに行くよう頼まれる。父方の祖母の次男。つまり恒樹にとっての叔父に。
飛行機に乗り、恒樹が空港からはタクシーを使っていると、左手に砦のような丘陵地が見える。そして、運転手の言った言葉は。
飛行機に乗り、恒樹が空港からはタクシーを使っていると、左手に砦のような丘陵地が見える。そして、運転手の言った言葉は。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!へぇ~っ!というしかない。
この少ない文字数で、ミステリー作品ってどんな物語なんだろう?
そう思って、普段はあまり読まないジャンルですが読んでみました。
最初は「え?」
次に「へ~っ!」
そして、もう一度読み返してしまいました。
最初に読んだ時は、文末まで来て、「次のページへ」のボタンを探してしまいました。しかし「ここで終わり」とわかって、出た言葉が「え?」でした。
他の方も書かれていますが、その先の想像があれこれと膨らむ、奥の深い作品ですね。
ちなみに私は、すぐ目の前でミスディレクションを仕掛ける「クロースアップマジック」が大好きです。だからこの作品も面白かったです。
(注)作品中にマジックは出てきません(…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ミステリが解けた後に広がるドラマ
パスポートを手に飛行機に乗り込み、降り立ったその地では英字新聞が売られていた。左ハンドルのタクシーの料金はドルとマイルで計算され、カーラジオから流れているのはアメリカのヒットソング。言葉は英語が使われている。
第二次世界大戦で現地に送り込まれた叔父は、そんな地に今も住み着いているという。
叔父が住むその他は、いったいどんな国なのか? まさかアメリカではあるまい。
その謎が解けた後で読者の視野は急に広がり、そこから鮮やかなドラマが始まる予兆を感じ取ることになるだろう。
しかし、そのドラマがこの物語の中で詳らかに語られることはない。主人公が叔父と会う前に、作者は完結の二文字をこの短編に与えてい…続きを読む