概要
その“愛”を前に、彼らは己の無力を思い知り、絶望の淵でただ立ち尽くす。
ある男の転落死事件を通して、成り行き上二人の子供の面倒を見ることになった二人の刑事。最初は子供の世話に手を焼き、自分たちの身に降りかかった不運を嘆くばかりだったが、健気な兄弟愛溢れる子供たちが少しずつ彼らに心を開いていくうちに、彼らにも子供たちに対する情が生まれてくる。やがて子供たちに大きな災難が降りかかったことで、刑事たちはその立場や職務をなげうって巨悪に立ち向かう。子供たちが去ったあと、刑事たちの心の中には今までにはなかった優しさが芽生えているのだった。大阪を舞台にした恋愛×青春×警察小説の第三弾。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!繰り返す闇を、撃ちにいく。
作者様が書き続けていらっしゃる警察小説の続編です。
鍋島、芹沢のでこぼこでありながら息の合ったコンビが、今回も物騒な事件の解決に向けて奔走します。
タイトルにもある『天使』が指すものが重要な登場人物で、これまでのシリーズでは扱われてこなかった問題や闇について、ストーリーの展開と共にシビアに掘り下げられていきます。
これまで警察の仕事をどこか惰性でこなしている感じに見えた二人ですが、今回はある出来事が引き金となり、終盤、思わぬ行動に出ます。
積み上げられたものが一気に爆発する、スピード感と熱量に溢れたシーンは圧巻でした。
個人的に、警察内部での男達のやり取りがかっこよくて好きです。みんな…続きを読む