文章の緻密さが好き。読んでる中で初めて見る単語もあって(軛のこと。自分の頭が悪いだけかもしれない。)語彙力すげぇんだなと感心しました。その語彙力とキャラの濃さが相まって、とても魅力的な作品に仕上がっています。
自分は1章までしか読んでないのですが、ここまでほぼノンストップで読める程に没頭させられる作品です。
視界的にも工夫を凝らしていて、読んでて飽きるということが無かったです。
1話ごとの分量は多いはずなのに、話が面白すぎて読むのが止まりません。
いやあ言い切れねえわ。
伝えたいことがありすぎて。
兎に角読んで損なんかしません。するわけない。
あと勝手な思い込みですが、作者は多分アマツマガツチのクエスト名が好きです。
私も好きです。
これからも追います。
死神と死を厭う生者の対立を描くこの物語において、読者はどちらに肩入れすればいいのかふと迷う。死神は無常に過ぎ、灰祓はあさましいと映る。
そこでヒロインが死神になり切れない存在として〈死に損ない〉という第三のポジションを得ることで読者はようやく安心を得ることができる。このあたりの経緯がとってもゾクゾクさせてくれる。
生ける屍(リビング・デッド)という言い方があるが、作中の〈死に損ない〉はそれとは違う。対極だ。意志をはく奪されたゾンビと違って、デスペラードは死に触れることにより、むしろ活き活きとした存在となっている。
物語の世界設定はどれもユニークでキャッチーでしかもカッコいい。独特の用語も冴えている。ルビの使い方も新鮮だ。
特筆すべきは、視覚的な表現だろう。描写が映像を喚起するだけでなく、文字そのものが視覚的に配慮されていて面白い。タイポグラフィックなセンスが抜群で記号としての文字の選定やレイアウトには目を見張るものがある。
まだ一部しか読み終えていないのだけれど、先がとっても楽しみです。
死中に活を求める、なんて言うけれど、まさにデッドラインがそのままライフラインであるような物語を期待!
もし、シリアス、ちょいギャグ、すごい文章、現代ファンタジー、本格的小説、しっかりした世界観、魅力的なキャラのうちの一つを好むとしたら、この小説を読むべきでしょう。
とある都市伝説から始まる、死神と人間の物語。
詳しい内容はレビューである故伏せますが、とにかく魅力的な世界観とキャラ設定、物語の進む方向がうまくかみ合っている物語です。
そして、シリアスにありがちな真剣すぎるゆえのつまらなさを面白い文章でうまくカバーし、シリアスの長所である雰囲気をそれに合った描写で最大限に引き立てています。
一言でいえば、「物語を楽しむ」のに最適化された小説、というところでしょう。小説に求めるものは人それぞれですが、きっとこの小説はそれを提供できると思います。
というか僕は世界観にひかれて読んだはずなのに、序盤の雰囲気にひかれて読み続けたはずなのに、シリアスが好きで読んでいるはずなのに、なのになぜ、最終的に一番すごいと思ったのは文章力でしょう。謎です。(世界観もとびっきり素晴らしいです)
また、作者自身は紹介文のところに、十話辺りから盛り上がってくるって書いてあるんですが、騙されないでほしい。この作品、クライマックスが断ったことないです。ずっと読み応えマックスのままです。
結論を言いましょう。
小説を読むのが好きなら、この小説を読むべきです。