ドミナント・ウォーカーズ　～とある凡人の、天まで轟く冒険譚～

『未踏領域（みとうりょういき）』。
それが、アーヴェム大陸の北の大地の総称。
そう呼ばれるのは、文字通り、今まで誰も踏破したことがない未知の領域だからだ。

とある『巨木』を中心に回る大地、魔剣の墓場、宝石の砂漠、襲い掛かる魔物、数多の幻想と人間の身に余る脅威が混在するその大地を、人々は持て余し恐れていた。

だが、未知と脅威が待ち受けていようとも、そこに幻想と名誉があるのなら、人は挑戦せずにはいられなかった。
危険を無視して、未踏領域に挑む者は後を絶たなかった。『踏破者（ウォーカー）』と、そう呼ばれるようになってもだ。

少年、ナユタ・フォッグフォルテも、『踏破者（ウォーカー）』を志す。
だが、彼に特筆した才能なんてない。どう頑張っても凡人どまりのただの少年だ。

それでも、少年は大きな夢…続きを読む