おとなりごはん。

　幼いころに母親を亡くしてレシピを受け継いだ帯包理充はそれ以降、料理を趣味にして生きてきた。父の不在も多く、家計のやりくりにも手を出して、スーパーの特売をチェックするのが日常。中学時代からの友人・不動葵とクラスメイトの和久田優希にその一途っぷりに呆れられつつ、ご相伴に与ろうとしてくるほどの腕前を持っている。
　そんな中、ある日マンションの隣に同年代の女の子が引っ越してきた。見かけただけで通り過ぎていたその子が、同じ学校への転入生・小月珠桜だと知る。教室で隣席となってしまった理充は、部屋も隣なのにと苦く思う。
　余計な噂を立てられるのを恐れて一定の距離を保とうと考える理充だが、ある日部屋の前で困っている珠桜に遭遇してしまった。その後、紆余曲折を経て、隣人としての付き合いが発生した理充と実央。
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