異世界踏破譚～六つの異世界と五名の巫女～

記憶を失くした少年・リューンは自身が異世界転生者であるという事に命を救われた一週間後に理解した。
彼を助けたのは橙色のウルフカットをした少女・シャル。
いかにもありきたりな目覚めに興奮が収まらなかったリューンは少しばかりの期待を胸に日々を過ごしたが…ひと月が経っても特に何かが起こる事は無かった。
彼は思った。『自分は転生しただけの人間だったんだ』と。ひと月も何事も無ければそう思うのも無理はない。
結局それから彼は助けられた森の中にある棄てられた山小屋を住処に約一年、仙人のような生活をしながら一応貰っていたチートと呼べるかもしれない能力を磨きつつ、頻繁にシャルと過ごした。
そんなある日、二人の人生を大きく変える事件が起きる。
それは彼の転生した世界を含む六つの異世界の平和を破壊する魔王の封印が…続きを読む