第19話 尾行 / 噴火


 シャルとフィルオーヌが飛行する人型の影を追いかけて数時間が経った。

その時間の殆どを飛行に費やしていた影だったが、向かう先は必ず危険な雰囲気が満ちた場所ーースラム街のような場所だけだった。

一か所目は機械油の臭いが一帯に籠った路地裏のギトギトとして薄暗い区画。その中でも特に臭いの強い奥ばった場所に店を構えた[廃材屋]だった。

二か所目は打って変わって無味乾燥とした殺風景な町だった。ーーあまりにも。

一か所目に訪れた路地裏はガラが悪かったものの機生体自体は頻繁に見かけた。しかし、この鉄の大地に間隔を大きく空けて建てられた背の低いビルや居住施設などがあるそこには機生体はまるで見当たらなかった。

それでも構わずに飛んだ影は特別小さい構えの店に消える。ソリット・ヴィジョンの看板には[火薬屋]とあった。

三カ所目。そこはそれまでに訪れた場所よりも特別治安が悪かった。

オイルや何かの破片で満ちた鉄の地面に転がる機生体の腕や脚。指や耳。そういった物がパーツの大きさ・重要さ問わず至る所に散らばっている。酷い物では上半身や頭すらが転がっていた。

それもそのはずだった。恐らくは会社なのだろう各ビル群の前で大中小様々な規模のデモや暴動が起きていたのだから。

飛び交う怒号。鳴り響く機生体同士のぶつかり合う激しい音。極めつけは刃を超高圧電流に変えたチェーンソーのような機器やもっと原始的な鉄の棒による実力行使だった。

けれど影は見向きもしなかった。

まるでそれが普通であるかのように。気に留めるほどの事ではないかのように。何事も無いかのように。

影はただ、目的の[銃器屋]に姿を消した。

他の場所にも赴いた影はやはり武器やそれに準ずる何かを売っているのだろう店に入って行った。

いざシャルが数えてみれば訪れた店は六ケ所。

[廃材屋][火薬屋][銃器屋][刃物屋][光学兵器屋]そして[破砕屋]。

光学兵器こそ意味の分からないシャルとフィルオーヌだったが他の店から【殺傷能力のある何か】を連想するのは容易だ。

店に訪れるたび、ソリット・ヴィジョンの看板の文字を見るたび、彼女達の胸には恐怖が沸き立った。

一体を何をするつもりなのか。強化した視力ですら影をシルエットでしか認知できない遠距離から盗み見ていた彼女達に察する事は出来なかった。

なにより、この世界でどんな問題が蔓延っているのか。ーー察する事は出来てもーー確信を得るには少しばかり主観的な見方が強く、断言が出来ずにいた。

 「フィルオーヌさん……」

 「えぇ…」

全ての仕入れを終えたのか、影はスクラップの山が連なる郊外の一画に姿を消すと一向に動きを見せなくなる。

そこから最も離れ、かつ比較的生き物が落ち着けるスクラップの山に身を潜めた彼女達は互いの顔を見合わせた。

相手の額に浮かぶ大粒の冷や汗。

瞳の奥にはより明確に[恐怖]が宿り、想像する先は同じだ。

 「あの飛んでたヤツ、もしかして最初の方に行った場所みたいな事を……」

 「考えたくはないけど、そうかもね……。この世界を支配している住人は生き物ではないから生死の感覚が違うのかもしれないけど、だからと言ってあんな破滅的な暴力が横行するのは間違ってる。ましてそれを他の場所でも再現しようとするなんてあってはならないわ」

 「…うん……」

彼女達の脳裏に思い浮かぶ機生体の部品が至る所に散らばった街。

そこはーー彼女達が知る由も無いがーー機生界の中でも別格に栄えた街である反面、上位十カ所に入るほど危険な街でもあった。

日常的に行われる暴動やデモ。殴り合いや殺(こわ)し合いに始まり、放火や投擲による建造物の破壊などは当たり前。

毎日数百から千余りの機生体がスクラップとなり、彼女達の今いるここにそれらが廃棄されている。

暴動の理由は複雑ではなく、所謂バグ。一つの企業が一国とイコールの意味を持ち、同様にその企業の権力が及ぶ範囲では法は彼らの中にあるがために従事する機生体達は酷使に酷使を重ねられている。

しかし当の機生体達は働く事が人間らしさの一つとプログラミングされているため反抗をしようともしない。

結果、処理回路がショートを起こし本来はプログラムされていない暴力的な行動に出るようになってしまった個体が増えたのがあの街だった。

そしてそれは栄えた街ほど酷い暴動が起きている事に他ならなかった。

 「早く、リューンと合流しないと…」

それらの事を知らずとも、何処か肌で真実を感じる事が出来たシャルは話しかけるように漏らす。

 「そうね。戦うにしろ、無視するにしろ、この情報は共有しないと。個別に巻き込まれでもしたらそれこそ取り返しがつかなくなってしまう」

シャルの独り言に応えたフィルオーヌは彼女と目を合わせて頷き合うと機生体が消えたスクラップ山を一瞥し身を潜めていた場所から外へと出ようとした。

ーー時だ。

 「追いかけっこは、終わりか?初めてだったから楽しかったのに残念だ」

 「「!!」」

彼女達の頭上に、影があった。

機械音声の特徴などまるでない、人と相違のない男の声が。


                                 ーーーー ーーーー ーーーー


  俺がこいつらに弱みを握られてから三日が経った。

毎晩捜し歩いているのに今もシャルとフィルオーヌに合流できていない事を考えると、プロデューサーという名目で下僕のように使われる代わりに衣食住を与えてもらったのは正しい判断だったかもしれない。

 「ねぇ、プロデューサーさぁ~ん?これ、お願いしたシリンダーオイルと違うんですけど~?」

 「私も注文した拡張回路ではないな。これは今の私よりも以前の型式の機生体でしか取り込めないんだ」

クッションを抱きかかえてソファでうつ伏せに寝転がるキリィの呆れたような声と、その隣の一機掛け用の回転式の椅子に腰かけて戸惑いを向けて来るソーフィア。

二人は俺に[息抜き]と称して頼んできたお遣いの失敗に物申したげだった。

そしてソーフィアの隣で立っているファズは、特に何も俺に頼んでいないにも関わらず二人よりも冷たい視線を俺に向けていた。

 「本当に使えないわね。お遣いすらまともにできないなんて聞いた事無いけど?なに入ってるの?その頭には」

彼女に対しては何の失敗もしていないのにこの言いよう。

今回に限らず、俺が何かしら失敗するたびに最低でもこのくらいの悪態を吐かれるのでわりかし慣れてきている自分が怖い。

……。いいや、嘘だ。かなり頭にキてる。

 ーーそりゃあそうだろ。お前らロボットがミスするわけねぇわ。インプットミスしねぇ限りはよ!!

……と、言いたくなるのを堪えて間違えて買ってきてしまった物を二人から受け取りつつ謝る。

 「そ、そうか、悪かった。無茶苦茶に種類がある上に俺にはあんまり見分けがつかなくてな…」

 「え~?ちゃんとパケ色まで教えたのにです~~?」

 「あ、ああ。ネールピンクとシェルピンクの見分けがつかなくて…」

 「ふ~ん。ま、もう一回買いに行ってくれるならいーんですけど~」

 「私のも頼む。型式はMDKHMRー2ー2ー12型ではなく、MDKHMUR2ー2ー12型だ」

 「……分かった」

言われたところで分かるわけないだろと喉元まで登ってくる苛立ちを押し込めて買ってきたオイルと拡張回路を購入した際に貰った電子製の袋に入れる。

 「じゃあまた行ってくる。みんなは新曲の作曲を頑張ってくれ」

 「は~い」

 「分かった」

二人からの返事を受け、最後にファズからも返事が返ってきたら買い物に行こうと隣に視線を向ける。

しかし……。

 「………」

 「…ファズ?」

彼女は俺の方を見つめるばかりで首を縦にも横にも振ってくれない。

 「なぁ、ファ…」

 「決めた。私も行くわ」

 「!?」

沈黙から一転、想定していなかった返答に思わず声にならない声が出る。

それに相当気を悪くしたのか、ファズはじっとりとまとわりつくような細めた視線を向けてきた。

 「……何か不都合でもあるのかしら」

 「い、いやそういうわけじゃ無いが……」

 「ならさっさとして。行くわよ」

 「あ、ああ…」

細めた視線は部屋の入り口に向けられるまで変わる事は無く、俺の返事を待ちもせずファズは歩いて行ってしまう。

彼女の後姿を呆然としながら少し見つめた後、小さく頭を振って自分を正気に戻した。

その時には既に彼女は部屋のドアを開け、廊下に消えかけていた。

 「ま、待ってくれ!おい!」

 「嫌よ。プロデューサーが走って追いつきなさい」

 「クソッ!まぁそうだよな!」

一応言ってみるものの今度の返事は想定通り。

諦めて駆け出し、急いでファズを追いかけた。

 「……予想できましたぁ?今の返事」

 「ああ、まぁ、な。だが最も確率が低く、あり得ないに分類されていたな」

リューンとファズを見送ったーー観察し終わった二機は向き合って座り直しながらそう言葉を交わす。

彼女らが不可解に思っているのは、ファズの言った『ついて行く』という言葉に対してだ。

二機の知っているファズというのは自他に対して厳しく、物事に妥協を許す事が殆ど無い性格設定だった。

だとすれば困難とはいえ不可能ではない見分けの難しい買い物に同行するなどと言い出すとはまず思えず、より厳しい言葉をぶつけるものだと思っていた。

 「心境の変化ってやつですかねぇ?でも、私達感情ないしなぁ~」

 「思考回路を追加したり新調した様子も無かったな。それとも何か予定が出来たのか?だとすれば合理的だと言えなくも無いが……」

 「わざわざ一緒に行きます~?お店が一緒ならアリだとは思いますけど…」

会話をしながら可能な限りパターンを思考する二機だが納得のいく合理的な答えは出ない。

その中でも[強いて言えば]を声に出してはみるがやはり納得はいかず……。

 「ま、いっか!帰ってきたら聞きましょー」

 「うん、それがいいな。これ以上の分析は無駄だ。聞いた方が早い」

 「ですです!」

二機はそう結論付けて音声を声帯モードから演奏モードと切り替えた。

以降、部屋には二機の音声が放つギターやドラム、シンセサイザーなどの様々な楽器の音ばかりが流れた。


                                  ーーーー ーーーー ーーーー


 『俺の買い物について行く』

そう言って出てきたはずのファズ。

しかし実際は彼女が先頭を歩いている。しかも数歩先を。

 「はぁ……」

 ーーなんか面倒な事になったなぁ。

ファズと同じロボット達が行き交う街中を彼女を見失わないように進む。

すれ違うロボット達はやはり多種多様だ。

スーツを着ているタイプもいればやんちゃな格好をした若者風のタイプや他に比べて移動が遅めのお年寄りタイプに走り回る子供タイプ。

それらが鉄の大地の上に栄えた遥か未来の都会然としたビル街を往来している。

今でこそ日常的な風景のように錯覚しているが、火氷界とは別ベクトルで相当に異常だ。

これなら自然と共生する方向に発展していったのだろう妖精界の方が遥かにまともに思えてくる。

……自然と共生と言えば数日過ごした今日までにやはり動物型や植物型のロボットは見かけなかった。

かなり大きい施設のはずのパフォーマンス・シアターにすら彩用の植物は無く、彼女達の住む高層マンションにインテリアとしての動物を象った物も無い。

偶々そういう場所なのかとも思ったりしたが、シャルとフィルオーヌを探す際に訪れた幾つかの店や施設にもそれらしい物は無かった。

…にも関わらず、知っているだけで食べ物はある程度の種類存在するし、水も存在する。

水は多分、水素から大量に作り出す技法があるのだろうと考えられるが、食べ物はどうなっているんだ?遺伝子培養とかそういうのだろうか?

それとも栄養価と味の付加された食紅のような物を粉なんかに混ぜてそれらしい触感・形に整えたのだろうか。

いずれにしろあまりに未来的過ぎて理解が追い付かない。

 「……なんだかなぁ」

意味の全くない、けれど思わず出てた言葉。

本来は落胆や諦めの時に出てくるような単語だが、今回は何とも言えない虚無感に駆られて喉を這い上がっている。

 「さっきから何?そんなに私とのデートは憂鬱なのかしら」

 「あー、いや、そういうわけじゃ……」

 「ならどういうわけ??」

一度目のため息に続き今度の独り言ーー。

その二つはとうとうファズの何かのセンサに触れたらしい。彼女は立ち止まり、振り返り、かなり威圧的な視線で俺を睨みつけている。

 「あー……。あぁ、あれだ。なんで誰もお前の事気にしないのかなと思ってさ」

そんな相手にまさか[面倒になってきたから現実逃避していた]とは口が裂けても言えないので咄嗟に思いついた適当な疑問で何とか乗り切ろう。

 「……私の事?」

それらしい疑問だったからかいつものような悪態を吐かずにファズは少し考えたように空を見上げた。

 「ああ。だってお前、かなり人気のあるアイドルだろ?二回しかライブには立ち会ってないが、それでも充分以上に理解できたからな。なにせ毎回あのデカい箱を埋め尽くす客入りだ。ちょっとやそっとの知名度じゃないだろ?」

彼女に追いつき、隣に立った俺はここぞとばかりに深堀する。

…実際、疑問に思っていたのは確かだ。

つい三日前に行ったライブ。寝ていたせいで生でこそ見ていないものの、翌日にファズ達から見せてもらったネットのアイドル関連の記事ではほぼ全てが彼女達のグループ[ライト・ライト・ライト]ーー通称・3Lの話題で持ち切りだった。

なのにここでは誰も彼女に振り向かない。みんながみんなアイドルに興味があるわけでは無いにしろ、爆発的に取り上げられたアイドルがいれば興味の有無に関わらず振り向いてしかるべきだ。

 「そういう事。なら理由は簡単よ」

俺の言葉で答えが明確になったのかファズは俺に一瞥もせず正面へ向き直り、再び歩き出しながら答え始めた。

 「私のような有名な個体は外を出歩く時、自動で発生する視覚センサ阻害を常に纏っているからよ。全くの別個体に誤認させるカモフラ―ジュみたいなモノね。一般的には[センサチャフ]と括られて店には並んでいるわ」

 「へ、へぇ。便利だな」

まさか質問した俺に気もくれずに歩き出すとは思わなかったが、今度は呆然とせずに彼女へついて行きながら相槌をうつ。

 「本当にそう思うのなら想像力不足ね。ニンゲンが聞いて呆れるわ」

 「…って言うと?」

 「阻害する必要のない個体まで阻害してしまうからあらかじめ情報を渡すか待ち合わせ場所を決めておかないと互いを正しく認識できないの。つまり、一度も面識のない個体とはまず永久に会う事は出来ない。そういう意味ではとんでもない欠陥品よ。分かった?」

少しばかり早歩きにの彼女は普段通りに悪態を吐きながら不機嫌そうに答える。

その答えの中身は成る程、悪態を吐くだけあって至極簡単な内容だった。

既に知り合っている相手になら誤認した時の姿を伝えたり見せていれば何の問題も無いだろうが、彼女の言うように一度も面識のない相手とは何かしらの取り決めがないと会う事は出来ない。かと言ってネットやそれに準ずるような手段を用いて伝え合えば漏洩する可能性が大きい。

最も確実なのは信頼できる第三者を通じての約束しかない辺り、便利なようで不便なアイテムだ。

 「なるほどな。言われてみればその通りか…。確かに少し考えれば分かる事だったな、済まない」

それらの考えを纏め、己の思慮の浅さを謝罪する。

……すると。心外な反応が返って来た。

 「…嫌に素直ね。気持ち悪いけど分かってくれたのならいいわ」

再び立ち止まり、振り返ったファズは非常に怪訝かつ不愉快そうな表情を俺に向ける。

 「な、何だよ。悪いと思ったから謝っただけだよ」

本当に一切の他意は無い。

だが、言い繕ったのが悪かったのだろう。彼女はより疑いの眼差しを向け、最早嫌悪感とすら言えるような声色を返してきた。

 「……どうかしらね。何か企んでる?もしかして、下手に出れば私も少しは気を遣うと思った?」

【プチン】

頭の中の何処かでそんな音が聞こえた気がする。

 「思うわけねぇだろ。自分の事過大評価し過ぎたポンコツ」

言うまでも無い。堪忍袋の緒が切れた音だ。

 「そう。それだけの事が言えるならさっきのはバグか何かね」

 「だからそーういうのでも無いっての。考えもせずに聞いて悪かったって言ったんだよ」

機生界に来て数日、取引とは言え聞いた事しかないプロデューサーの仕事を手探りで行い、上手いのか下手なのかも分からない作詞作業を行い、休憩時間と称した使いっぱしりをさせられ、その度にファズには悪態を吐かれ、夜は寝る時間を削ってシャルとフィルオーヌを探すため方々を駆け回る。

そんな事をしていた俺の心身ははっきり言って限界だった。剣魔界で一年仙人のような暮らしをしていなければとても体力が持っていないだろう苛酷な日々だ。

その上での精神にクる露骨な負担。

それらを何とか納めていた何かが、ブッツンイってしまった。

……で、あるのなら。

 「あ、っそ。もう興味ないからどうでもいいわ」

 「あああああ!?!?舐めてんのかクソスクラップ女ァ!!!」

 「!?」

火山の噴火は至極当然の結果だった。

 「いっつもいっつも舐め腐った事ばっかり言いやがって!!知るかボケ!何様だクソッタレ!!!」

 「お、驚いた。あんた、そんな風に怒るのね」

 「じゃかしい!こんなキレ方初めてだわ!!使った事もねぇ言葉が出てきてんだよ!舐めんな!」

 「そうなの。よっぽどため込んでたのね。顔が真っ赤よ?」

 「そりゃそうだろうがよ!ブチブチにブチギレてんだからな!!」

街中で、周りにはロボットも多くいるにも関わらず大声を張り上げる。

が、意外に冷静な俺の視界が捉えていたのは見向きもしないロボット達の姿だ。

機械である以上いつどこで回路がショートして爆発するか分からない。だから発狂する個体は意識しないーーなんてプログラムが組み込まれているのかもしれない。

だとすれば好都合だ。このまま今まで溜めてきたイライラを全部ぶちまけて……

 「はぁ。仕方ないわね。プラン変更。ついてきなさい」

 「あぁ!?」

 「いいから。黙ってついてきなさい」

……ぶちまけてやろうと思った矢先、ファズは今まで見た事の無い真剣な表情と声で俺についてくるよう指示した。

 「…何なんだよ、っとに」

 「来れば分かるわ」

 「あーそうかい!」

態度では否定的でありつつも、彼女の様子にすっかり毒気を抜かれて怒りが引っ込んでしまった俺はあくまで不機嫌を装うような……そんな意味の分からない感情のままロボット達をすり抜けるようにして進むファズの後を追った。

ーーそうして暫く歩き、辿り着いたのは恐ろしく朽ちたトンネルの入り口だった。




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