第4話 レベル


 一日休んで元気いっぱいだ。

 ぼ、じゃなくて俺は今日もレベル上げのために森に入る。

 死ぬ為じゃなくて生きる為に狩りをしてレベルを上げるんだ。

 ファングボアを十頭倒した時にレベルが上がった。ここじゃ、レベルの上がりがキツくなってきた。

 どこか良いところがないかとギルドで聞くと、岩山にワイバーンと言う翼竜がいるそうだ。Aランク依頼にも出ていたので明日向かうことにして今日のファングブルを換金してもらう。

 銀貨20枚、十分だと思い宿に戻る。


 次の日は走って岩山まで行く、少し遠いから走っているのだ。

 岩山が見えてきたらいきなりワイバーンが1匹突っ込んできたので避け、首を斬り落とすとドロップ品になって、レベルが上がるのが分かる。ここは良いと毎日同じ様にワイバーンを狩りにいく。

 目標は100になることだ。

 ちなみにワイバーンのドロップは肉と皮になる。

 アイテムボックスだから全部しまう事ができるが、俺のズタ袋にはに3匹しか入らないからそれだけを換金している。金貨3枚になるからしっかりと換金しておく。

 一ヶ月もするとレベルの上がりが悪くなる。今はレベルが106なので目標だったことはクリアしたけど。他のみんなはもっと上がってるんだろうな!もっと頑張らないとな。



   ♦︎



俺たちはいま魔王城の近くにテントを張っている。敵は強く、怪我人も多いが聖女がいるのでなんとかなっている。

「なぁ!ここで畳み掛けようぜ!」

 気の強い戦士の木島がいうが、

「まだレベルが低いやつが多い!」

「俺らだけでも」

「みんな一緒に日本に帰ると約束した!」

「…そうだったな」

 木島もわかってるんだ。

「そうだ!だから今は無理をしないでレベル上げを優先するんだ!」

「分かったよ」

 俺たちはもう6年になるか、小4の頃にここに連れて来られて毎日同じように剣を片手に頑張って来たんだ。いまさら誰か一人でも欠けてなるものか!

 あいつも一応頑張って生きているし、最後まで諦めない。魔王を倒して日本に帰るんだ。

「無理しすぎよ?」

「無理だってするさ!」

 聖女の美琴ちゃんだって無理してみんなの怪我を治してるんだ。

「学!今のみんなのレベルの平均は?」

「50くらいだな。まだ上げたほうがいい」

「だな!俺が一番高いんだよな?」

「あぁ、112だよ」

 低いのは生産職だが、それでも頑張ってくれているんだ。

「みんながそれくらいになるまで気を抜かないでレベルをあげるぞ!」

「わかってるって」

「それより忘れてないでしょうね?」

「あぁ!忘れてなどいない」

 俺たちをここに召喚したあいつらにも一泡吹かせてやるんだ!

「やるなら徹底的にやるわよ」



  ♦︎



 結局いいレベル上げの場所が見つからなくてワイバーンを、狩っている。

 レベルの上がりが遅い!俺ならもっと多くレベルが上がるはずだ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

神谷 千冬カミヤ チフユ 17歳

レベル 159 職業 ノージョブ

ユニーク

スキルツリー開放

鑑定 剣術LvMAX 身体強化LvMAX 気配察知 アイテムボックス 隠密

経験値二分の一

スキルポイント136

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 これ以上は難しいだろうな。

 ポイントを使ってステータスアップを全部取ることにした。俺が何かのスキルを持ってても使えるかどうかわからないからな。

 そうしたら体は軽いし、力も倍以上になった。これなら竜の巣に行けるかもしれない。


 竜の巣に行くには森の奥にある山を越えていかなければならない。食料に堅パンをいっぱいアイテムボックスに入れ、旅立つ。

 途中でオーガなどの強い敵が出てきても今の俺なら楽に勝てる。それだけステータスアップは凄かった。

 野宿をしながら山を進むとどんどん敵が強くなるのでレベルがバンバン上がっている!

 でもみんなが頑張っている時に休んでなんかいられないからな。


 ようやく竜の巣に着くといきなりレッドドラゴンが牙を剥いてきたので素早く避けて首を斬り落とす。体が熱くなりレベルが上がるのがわかる。ここならレベルを上げ放題だな!




  ♦︎



 僕達は今撤退している。

 魔王の幹部にやられそうになったからだ。

「ちっくしょー!」

「喚くな!まだ僕達が弱いだけだ!」

 レベルが足りないのか?

「追っ手は来てない、ここで休む」

「ありがとう、玲奈ちゃん」

 テントを張って怪我の酷い人から順に回復魔法をかけて行く。

「美琴ちゃんも桜ちゃんも大丈夫か?」

 聖女の美琴ちゃんに僧侶の桜ちゃんが一生懸命に回復魔法をかけている。

「私は大丈夫よ。桜ちゃん休んでて」

「いやよ!私達が治してあげないと」

「そうね。頑張りましょう」

 回復術師が足りないのがネックだな。ポーションも使い果たしてもう一つも残ってない。

 錬金術師もかなり大変なのに今から作っている。

 かなりの痛手だが、幹部であれだけ強かったんだ。まだまだ僕達には早過ぎる。

「早くレベルを上げないとな」

「今無理してもダメ」

「そうだね、今は休もう」




  ♦︎




 竜の巣にきて約一ヶ月経つ。

 ようやく慣れてきた。竜にもいろんな種類がいるんだ。流石にポーションがなければやばかった時もあるがそれでもなんとか生き残っている。堅パンも残り少なくなってきたから一回王都に帰ろうと思う。


 もっと買ってきとけば良かった。


 帰る途中、撤退中の勇者君達を見た。みんな顔に生気が無く無念にも帰ってきたんだということがわかった。


 もっと強くならなきゃな!


 堅パンを作ってもらうことにし、今日は久しぶりに宿に泊まることにした。すると玲奈ちゃんが現れて、

「生き残ってるわね」

「あぁ、僕も強くなったんだ」

「立ち居振る舞いでわかる、けどまだだめ」

「そうか」

「落ち込まないで、魔王は必ず倒すから」

「うん!」

「それじゃ」

「またね」

 少ない会話だったけどやはり魔王は相当強いらしい。まだ今の僕じゃ足手纏いなんだ。

「もっと頑張らなきゃ」

 僕は宿屋をキャンセルして、出来立ての堅パンをアイテムボックスに詰めると出発した。

 竜の巣はまだ序盤だ。こらからまだ強い竜がでてくるはずだから。

 レッドドラゴンはもう敵では無い。


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神谷 千冬カミヤ チフユ 17歳

レベル 207 職業 ノージョブ

ユニーク

スキルツリー開放

鑑定 剣術LvMAX 身体強化LvMAX 気配察知 アイテムボックス 隠密

(ステータスMAX)

経験値二分の一

スキルポイント54

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やはりスキルを取って行くのがいいみたいだな。魔王を倒すのに必要なのは勇者のスキルだから勇者のスキルを取って行こう。



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7話くらいで終わろうと思ったのですが、見てくださる方がいるので延長しました。これからもよろしくお願いします。

                 あに

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