第24話 宴
レイナ達が買ってきたバゲットサンドを食べる。
「うまいなぁ!」
「チフユはなんでも美味しい」
「だってあれネグレクトってやつだろ?」
「ネグレクト?」
「親が子供の育児を放棄してる奴、一時期話題になってた」
ネグレクト、そういう名前がつくってことは俺以外にもいるんだなぁ。
「そういう子は施設が保護したりするはずなんだけどな」
「そうなのか、俺は飯さえ食えれば良いからなぁ」
「まぁ、こっちに来た今となっちゃそんなこと関係ないけどな」
「そうだな」
ドタドタとミイナが入って来ると、
「店を予約したからみんな行くわよ?他の奴らにも連絡入れる様にしたから」
「おお、できる女っぽい!」
「できる女なのよ!それより何食べてんのよ!今から食べるんだから」
「大丈夫、まだ入る」
「俺もまだ入るぞ!」
「ならいいけど」
呆れ顔のミイナに怯えたカズヤがいた。
「あんたはもう食べれないでしょ?」
「うん、お腹いっぱい」
「バカじゃないの?ほんとに!」
尻に敷かれそうだな。もう敷かれてるか。
場所を移動してあの雰囲気のいい店を貸切にしたらしい。流石商人金持ってるね。
「あ、これ使って料理してください」
「これはドラゴンの肉?!」
「そうです、みんなに振る舞いたいので」
「分かりました腕によりかけて料理しますね」
「お願いします」
最初に入ってきたのは女6人パーティーのイチゴ達だ。
「久しぶりー!レイナ元気してた?」
「元気!」
ふんすと力瘤を出すポーズをする。
「あははは。チフユとヨシキも元気そうじゃん」
「まあね、これでも強くなってるからね」
と言うヨシキはカウンターに座っている。
ハルナはまだ男が怖いのか一番遠い席に座る。
次に入ってきたのは元気っ子のサトミ達三人だ。
「やっほー!久しぶりってほどでもないのかな?」
「そうだね。けっこう早くレベル上げが終わったからね」
「へぇ。んじゃ2人は手も足も出ない感じだ」
「やってみないとわかんないだろ?」
「って、やらないだろ?」
ハジメとタクトが言っている。そりゃ勝てるわけないだろ?
「レイナ久しぶりー!元気だった?」
「ふん」
力瘤出てないから。
「へぇ、チフユはイケメンになったねー」
「そうか?ヨシキの方がイケメンだろ?」
「まぁ好みによるかな?」
「私の旦那」
「おおう!取らないから心配しないで」
ブルブルと首を振るサトミ。
次きたのはライ達だった。
「また大勢だな!」
「テイマーはテイムしてナンボだからね」
テイムされているモンスターはドラゴン肉の匂いで涎が止まらない様だ。
「チフユ、元気そうだな」
「ライもな、テッタはどうだ?」
「まぁ、それなりだな、力になってきてるよ」
がっしり握手を交わす。
アサシンに変わったテッタはチーム替えしたからな。
ハルナを殴ったコウヘイもどこかよそよそしく端に座っている。
次に来たのはジュン達だ。テッタが抜けたのでどう言う影響が出たかと思いきや、
「久しぶり!今日も絶好調だったぜ!」
「5人くらいがちょうど良くてな、テッタには悪いが、今がベストっぽい」
小声で話すジュンは悪気はないのだろう。
次で最後か、
一番遅くに来たのはミコト達だった。
「久しぶりね、チフユは大人っぽくなったのね」
「そうか?ミコトはミコトだな」
「それはどう言う意味」
「いつも綺麗だって意味だろ?」
「浮気だめ」
「あら、レイナのものじゃないでしょ?」
「ゔーー」
「まぁこれくらいにしてみんな集まった見たいね」
「へい、ドラゴンステーキだ」
みんな嬉しそうに食べている。
元気そうでよかった。
それにしてもみんな頑張ってる割には防具が貧相だな、
「みんな防具は買わないの?」
「あん?ここら辺じゃ防具なんていらないくらいだぜ?」
タクトが言うが、サトミが、
「傷が絶えないでしょ?防具も検討しないと」
でも、稼ぎで防具を新調するにはかなり厳しい。
「防具は大事だよ、俺には強くできないけど金ならすぐできるから全員の防具を替えよう」
「ほんとか!よっしゃー!」
「私達も防具には困ってましたの。
ちょうどよかった。換金しても使い切れないからな。
次の日はギルドでちょっとした騒ぎになった。ドロップを換金するのにお金が足りないと言われ魔王を訪ねることにした。
「で、我に買い取れと?」
「無理でしょうか?」
「ものを見んことにはなんとも言えんな」
「それならここに」
ブラックドラゴンの鱗や宝珠をだすと王様の目も煌めいた。
「わかった、換金には応じよう」
「ありがとうございます」
無事に換金できたので女の子の装備から見繕う。大金が飛んでいくがそこはしょうがないだろう。
続いて男の装備は堅実なもの選んだ。見た目もあるがやはり防御力は外せない。
こちらも大金が飛んでいったが後悔はない
。
「ありがとー!」
「ちゃんと装備はするように!いいね?」
「「「はい」」」
「いいのか?こんなに使って?」
「いいさ、どうせ旅の資金の調達もしないといけなかったからね」
馬車を用意するつもりだ。
「御者できる人?」
「…」
「誰か雇うか俺たちで覚えるかだな」
「覚えようか」
「だな。全員で覚えておこう」
馬も気性の荒くない馬なのでスムーズに御者の練習は進んだ。
「簡単じゃん」
「思ったよりはってね」
御者ができないのが3人俺、ヨシキ、レイナだ。
馬が怖がってるよ。
「御者は任せた」
「わっかりましたー!カズヤと交代ね」
「うん!僕も戦闘職じゃないしね」
「馬ちゃんなぜ怖がる」
「ブルルル」
「レイナは仲良くなったらできるんじゃない?」
「うん!仲良くしてみる」
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