第31話 亀龍


 平原にたくさんいる亀龍がここをこんな荒地にしてしまっだのだ。草の生えていない場所には亀龍がいない。

「さて!コイツらをどう料理しようか?」

「斬るしかないだろ?焼くか?」

「僕が言ってるのはそう言う事じゃないよ」

「お先に」

「んじゃ俺も」

「あー、僕も行くって!」

「僕はレベル酔いに備えなきゃな」

 錬金術で作った結界を張る。


「誰が一番多く倒すか!」

「俺だろ?」

「私」

「じゃあ、用意スタート」

 レイナは双刀で器用に切り裂いていく、ヨシキはぶつかり合いながら斬っていく。俺は首だけを狙って斬る。

『グオオオォォォォオ』

 地震かと思うほどの揺れだが、亀龍の何倍だろ?十メートルはあるデカい亀龍が動きだした。

「おいおいあれは反則だろ?」

「私が斬る」

 レイナが言ったが弾かれてしまう。

「じゃあ。俺が大刹斬!」

 大きな亀の首が吹き飛んだ。ドロップ品は亀の甲羅と肉と宝珠と大きな顎だった。

 アイテムボックスにいれて、

「俺の勝ちだな」

「数で勝負だろ?」

「それでもだよ」

 俺の後ろには亀龍はいない。

 左右は今ヨシキ達が戦っている。

 久しぶりのレベル酔いが結構辛いな。

 ヨシキ達も辛そうだな、さっさと終わらせよう。

「ヨシキもレイナもしゃがんでくれるか?」

「おけ」

「なんだよ」

「大刹斬横」

 ただの横へのなぎ払いだが、剣圧で全ての亀龍がドロップ品になった。

「ず、狡いぞそんなの!」

「うん、ズルい」

「仕方ないだろ?レベル酔いが酷いんだろ?」

「それは」

「仕方ない」

「だろ?さぁ、ドロップ品を集めようか」


 集め終わって戻ってみるとカズヤが失神している。しょうがないので背に乗せて宿屋に置いてくる。

「亀龍の討伐完了した。確認してくれ」

「は、はい!こ、これは宝珠も、大亀龍もいたんですね」

「あぁ。後あまり大きな声で言わない事だ」

「あ。すいません。ギルド長に報告してきます」

 どうせここのギルド長も腐ってるのか?

「おお!やっとやってくれる冒険者がいたか!よくやってくれた!報酬は払わせてもらうよ」

「大顎と甲羅はどうしますか?」

「良い素材になりそうだな!よし!買おうじゃないか!」

「宝珠と肉は俺が持っとくんで」

「あぁ、いいとも」

敷地内に甲羅は出せないので外に出てだす。

「で。デカいな!これはすぐには捌けないな。少し待っててくれるか?すぐに鍛治士を呼んでくるから」

「はい!」

「呼んできてくれ」

「しかしこの大亀龍を倒すとは、Aランクにしてるのが勿体無いな」

「あははランクは関係ないですからね」

「そうだな」

 ふくよかなギルド長が職員の持ってきた金貨を数えている。よし、ピッタリ10000万ゴールドだ。

 最近は一万ゴールドでも驚かなくなってきたな。

「はい!受け取りました」


「明日からも塩漬け依頼をこなしていきますんで」

「わかった!よろしく頼む」


 まぁ、あの大亀龍の甲羅がぼったくられてようと俺には分からないからな。まだ良いギルド長なのか判断が難しいな。


 ミイナの商いも上手く行ったようで良い雰囲気の店を見つけたと入ってみる。

 大亀龍の肉を調理してもらう。

「うまっ!」

「美味しい」

 やっと目を覚ましたカズヤは寝ぼけ眼だ。

「あれ?いつまで寝てました?」

「今までだけど?」

「そ、そうだけど、どれくらい寝てたのかなぁって」

「今回は長がったぞ、ほぼ半日気絶してたんじゃねーか?」

「うおっ!僕のレベル200超えてるよ」

「自己防衛のために剣でも買えば?」

「そうだな!短剣くらいなら買っても良いかな」

「だな。レベル酔いもこれでだいぶ落ち着いただろうし」

「使えるの?」

「これでも騎士団長に鍛えられたからね」

「あぁ、わすれてたわ」

「錬金術師だから重い剣じゃなくて短剣なわけだね」  

 錬金術師から短剣使いにジョブチェンジだな。大商人のミイナでさえ短剣は持ってるからね。

「せいぜい怪我しないようにしなさいよ?」

「大丈夫だって、今回も結界張ってたしね!」

「うん、へへ」

「明日は短剣見に行かない?」

「俺が作ってやるよ」

「えっ!いいの!」

「あぁ。良いの作ってやる」

「ありがとう」


 部屋に戻ったらさっそく短剣作りだ。

 グリーンドラゴンの鱗で作った使いやすい短剣にしといた。

 次の日に渡すと泣きそうになりながら受け取っていた。

 塩漬け依頼をまた受けて討伐に取り掛かる。今回は蜂の巣退治だ。蜂と言っても巨大なキラービーででっかい巣を作っていた。

 炙り出すか?『ファイヤーウォール』蜂が自分らの巣を守るために出てくるが炎で焼け死んでいく。絶やさないようにファイヤーウォールを、繰り出し続ける。抜けてきた蜂はレイナとヨシキが、駆除している。

 最後に『ピギー』と言う叫び声が上がりドロップ品のハチミツになった。入れ物も用意してきたので大量のハチミツと毒針をゲットする。毒針はレイナが使うらしいので全て渡す。

 今回はぶっ倒れずにレベル酔いだけですんだカズヤも一匹倒したらしい。

 報酬を貰ってハチミツは売らない。売って欲しそうだったけど狩ったものは冒険者のものだからな。


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