第3話 職業



 アイテムボックス 、気配察知、隠密を黒くしておく。そしてCランクの獲物を探す。

ハンタースネークがいたので、すぐに倒すとドロップ品をアイテムボックスに入れる。ファングボアや、フォレストウルフなど、山にいる生き物全部がわかるようになっている。

 できるだけ多く倒してギルドに戻る。

 アイテムボックスは危険だと聞いていたのでズタ袋から取り出す。

「こ、これはハンタースネークの牙に皮?それにこれは」

「あのライラさん」

「あ、ごめんなさい」

「いいですけど」

「チフユさんも立派になりましたね!」

「はい」

 金貨2枚の儲けだ。

「おい!チフユっつたか?それを俺にくれよ?」

「は?なんでですか?」

「俺は金がなくてヨォ」

「チフユさん、聞いてはいけません」

「そりゃねーぜライラちゃん!腕尽くでとってもいいんだぜ?」

「このギルド内では私闘は禁止です」

「だってよ!外に出ろオラ!」

「うおっ!」

 ひげづらのおっさんの足蹴りを躱して外に出ると剣を片手に出て来た。

「最近調子に乗ってるみたいだから腕の一本も覚悟しとけよ!」

「僕だって負けないですから」

「おぉ。Bランクの俺に楯突こうとは良い度胸だな」


 左から薙払いがくる、それをいなして相手の腕を斬る。

「ウガァァァァ」

「もうあなたは戦えない!」

「だ。誰か俺の腕を取って来てくれ」

 誰かが腕を取って来たらしくポーションを使って治している。

「まだやりますか?」

「や、やらねえよ!このやろう覚えとけよ!」


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神谷 千冬カミヤ チフユ 16歳

レベル 45 職業 ノージョブ

ユニーク

スキルツリー開放

鑑定 剣術LvMAX 身体強化LvMAX 気配察知 アイテムボックス 隠密

経験値二分の一

スキルポイント22

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 これが今の僕のステータスだ。これなら王城でも、使ってもらえるかもしれない。


 僕は王城に向かったが門前払いだった。

 しかたなく街をぶらついていると勇者達が帰って来たみたいだ。僕は強くなったと言って取り合ってもらえないか頼んだがだめだった。

「お前みたいな冒険者崩れにはこの街の中がお似合いだ」

「そ、そんな」

 そうすると何処からか引っ張られて、

「僕本当に強くなって」

「良いから黙って、あなたは旅を続けなさい。あそこはあなたのいて良い場所ではないわ」

「それは」

「またね!」

 忍者の女の子だけは僕の味方だ。

 僕は強くなって魔王を倒すんだ。

 まずはレベル上げだな。

 一番の安宿で泊まるのもアイテムボックスがあるからぐっすり寝られる。


 ギルドで依頼をこなして行く毎日、レベルはどんどん上がるし、僕もBランクになった。僕は取れるスキルを取っていくことにした。

 まだまだポイントが足りないので頑張ってレベル上げをして行く。


 ノージョブとは何にでもなれると言うことだったのかと今更ながらに思っていた。


 僕は努力した、そしてAランクに昇格した後にまたあのオッサンが立っていた。

「なぁ?お前なんでAランクになってんだ?調子に乗るなって言っただろ?」

「ランクを上げたのはギルド長だ!文句はギルド長に言えよ!」

「クソ生意気な小僧だぜ!なあ?」

「あぁ、あんまり調子に乗ってると痛い目見るのがわからないのか?」

 5人の男に囲まれているが、そんなに怖くはない。

「やっちまえ!」

「グッ」

「ガハッ」

 二人を戦闘不能にした。

「まだやりますか?」

「チッ!調子に乗ってるんじゃねえぞ」

「グハッ」

「ガッ」

 二人を剣の鞘で叩いて気絶させる。

「これであなた一人です」

「あ、なぁ。悪かったよ!こんなに強いなんて思わなかったんだ!勘弁してくれ」

「わかったのならいいです」

「これでも食らえ」

「ウワッ」

 砂が目に入って前が見えない。

「死ねぇ」

「お前がな!」

 そのおっさんは胸を貫かれて死んでいた。

 ようやく目が開くようになってからみるとイーグルさん達。

「小僧も甘いなぁ、せっかくAランクに上がったのによ」

「ルーキーの頃から知ってる俺たちにはまだ子供だけどな」

「ちげえねぇ」

「イーグルさん」

「お前は優しすぎるんだ、敵だと思ったら気を抜くなよ」

「はい」

 優しく頭を撫でられる。父親がいればこんな感じなのかな?


「これはどう言うことだ?」

 衛兵がきたが、イーグルさん達が話をつけてくれたのでお咎め無しだ。四人は降格処分になった。


 イーグルさん達と楽しく食事をとって宿屋に戻る。最近は錆猫の居眠り亭と言う宿屋で部屋を借りている。それくらいはできるようになったのだ。


 まだまだレベルを上げないと!


 一ヶ月後にまたランクを上げないかと言われたので止めといてもらった。これ以上はぼくには無縁だからだ。どうせ魔王を倒して日本に帰ることになるはずだからな。


 こっちに来て7年目だ。毎日見ている鑑定で、17歳になっていたので今日が僕の誕生日のようだし。少し贅沢に今日は休もう。

 お昼にご飯を食べに行くとイーグルさん達がいて呼ばれた。

「ようチフユ!今日は休みか?」

「はい!誕生日なんで贅沢に休んでみました」

「あはは。誕生日ってなんだよ?」

「生まれた日のことですよ?」

「なんで生まれた日なんて知ってんだ?俺たちゃ年の初めに一個年取るんだぞ?」

 そうなんだ。こっちの人は誕生日なんかないんだな。

「そうなんですか?僕は田舎だったからかな?」

「そうかそうか!今日産まれたんだな!歳はいくつになった?」

「17になりました」

「若えなぁ、なのにもうAランクかよ!すげぇじゃねぇか」

「ありがとうございます」

「じゃあ、僕じゃなくて俺って使え!もうルーキーじゃねえんだ」

「は、はい」

 僕は僕だけど、俺って使わないといけないのか。

「俺が今日は奢ります」

「おっ!早速使ったな!おっし!今日はチフユの奢りだ」

「「「おおー」」」

 イーグルさん達四人にはとても良くしてもらってるからな。盾士のガンツさん、槍士のウエンツさん、魔術師のウェルターさん。


 昼から酒盛りしている。こっちの世界では飲み水が貴重でエールの方が安いからだ。


 別れる時にいつもの言葉をかけてくれる。

「チフユ!死ぬんじゃねーぞ!」

「はい!」

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