第39話 共同戦線


 次の日は朝から雨だった。

 どこもいくなと言ってるんだと思い二度寝する。

 目が覚めるとレイナが座っていた。

「おはよう」

「おはよ、よく眠ってたわね」

「多分疲れたんだと思うよ」

「昨日の?」

「うん。あんなにはしゃぐことないからさ」

「そうね」

 二人で笑う。

“コンコン”

「はーい」   

「よぉ。お二人さんお邪魔だったかな?」

「邪魔」

 ヨシキにレイナは辛辣な言葉を言う。

「あははまぁ、そう言うなよ」

「どうしたんだ?」

「久しぶりにこっちのギルドや魔王に合わないかなぁって?」

「そうだな、帰ってきた報告をしないとな」

「明日でいい」

「まぁ。そうだけどね」

「今日は雨も降ってるしどこにも行きようがないからギルドや魔王に会っておくか」

 3人で動けば楽だろう。

「そう」 

 ギルドに来てみると雨なのに大勢集まっている?なにあったのか?    

 テイマーのチヒロがいたから聞いてみる。

「よぉ。なんかあったのか?」

「最近森が活発なのよ、何かあったのかも」

「でも雨だぞ?」

「そうも言ってられないのが現実よねー」

「いくかぁ」


 雨の森の中を大髪型のモンスターに乗ったチヒロ達と進んでいく。

「なんか新鮮だねー!」

「だな、それより何がおかしいんだ?」

「それがブラックベアーが群れを作ってるとかで」

「んじゃあっちの方だな」

 気配察知にあっちのほうに集団があることがわかる。

「へぇ。わかるんだ!」

「まぁな、気配察知は誰でも取れるぞ?」

「まじで?」

「おう、あっちの方に何か感じないか?」

「んー、わかんない」

「まー地道にいくしかないなあ」

 そうこう話してるとテリトリーに入ったのかブラックベアーが襲いかかってくるもテイムしたモンスターがそれを受け止める。 「めるる!そこは任せるわ」

 めるると言われた熊型モンスターはブラックベアーと対峙している。

ブラックベアーの中心に大型の大魔熊が鎮座していた。

「チフユ!」

「おう!斬!」

 大魔熊を一太刀で倒してあとはブラックベアー狩りだ。

「やっぱつえぇわ」

「だな!」

 ライは召喚した精霊で戦っている。シンジ、ケンスケ、テッタ、コウヘイも自分の愛用の武器で戦っている。  

 終わる頃には大量のドロップ品が落ちていたので拾うのに苦労したほどだ。

「大魔熊がいるとはな」

「小さいの多いとかは大体ボスクラスがいるねぇ」

「そうなんだ、ここはちゃんと山分けしてね」

「おう。そのつもりだぞ」

「流石太っ腹!」

 チヒロは良くやってるよ。


 ギルドに帰り大魔熊がいたことを知ったギルドは報奨金の上乗せをしてくれた。素材は全部売って半分にしたら、いつもよりめちゃくちゃ儲かったらしい!

「イェーイ!何買おーかなぁ」

「あんま無駄遣いするなよ?」

 ライにたしなめられる。

「わかってるよ!ぶー」


「んじゃ俺たちは魔王に会ってくるよ」

「そーなんだ、じゃーねー!」

 一応みんなにクリーンをかけて魔王城までやってくると連絡が行き通される。

「よくきたな、チフユにヨシキ、レイナも何用だ?」

「俺たちは旅をしてきました。東からぐるっときたのガルタナルダ帝国まで行って西の方から王国に入って戻ってきたところです」

「そうか、それは長旅だったな、変わったところはあったか?」

「ガルタナルダ帝国からの移民が多そうでした。あっちじゃ食べていけないと言っていましたが」

「ガルタナルダ帝国か、移民は受け入れているが外に出さないだろうな」

「そう言うことも言っていましたね」

北半分がガルタナルダ帝国になっているが土地が痩せてて作物が育ちにくいんだよ」

「そうなんですか。僕達は北の要塞都市にいて塩漬け依頼をこなしていたから分からなかったんですね」

「支援の要請がない限りこちらから動くことはないな」

 そうなのかぁ。そうだよな、国同士のことだもんな。

「分かりました。あとは西で盗賊に襲われた村を助けたくらいですね」

「あいわかった、久しぶりに会えてよかったよ」

「はい、僕らもです」


 王城を出た俺たちに群がってきたのはカズヤ率いる女の子6人グループ。

「どうしたんだよ?」

「たすけてよー、自分達の欲しいもの作れって言うんだ」

「作ってやれば?」

「簡単に言わないでよ」

「で?何を欲しがってるんだ?」

「リップ、マジックバックのかわいあやつでしょー、あとはヘアアイロンとかも欲しいなぁ」

「リップとマジックバックは素材があれば作れるだろう?ヘアアイロンは我慢してもらったほうがいいかな?熱量の調整が難しいしな」

「らじゃ!可愛いバック探してくるね!」

「た、助かった」

「ミイナと一緒じゃなかったのかよ?」

「一緒だったけど、途中で捕まってしまったんだよ」

「それは災難だったな」

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