第22話 王国
つぎは魔王国に向かうがまだ防具の修理がまだなので現王様で、元騎士団長に会いに行くことにした。
王城に着くと事情を話して連絡を取ってもらうとすぐに通してくれた。
「よくきたな!お前たち!」
「はい!お元気そうで」
「チフユは相変わらず堅パンばかり食べてるそうじゃないか?大丈夫か?お金はあるか?」
「王様、俺は好きで堅パンを食べてるんですって!」
「そうですよ。チフユは好きすぎて大量に買ってますからね」
「そ、そうか、ヨシキもレイナも強くなったっぽいな」
「強くなった」
「はい!まだチフユの足元ですけどね」
「そう?腰くらいはきてるんじゃない?」
「「「あははは」」」
「あー。他のものもみんな魔王国にいるそうだが楽しく暮らしているみたいだな」
「僕たちがこうして好きなことをやれてるのは王様のお陰ですから」
「な、何を言う!私は何もしていない!お前たちが自分で頑張った結果だろ!」
「あはは、そう言うことにしておきます」
「ごほん、地下は封印してある。まぁ、エンシェントドラゴンが壊したが何か嫌な気配がしたんでな」
「そうですか!何かあれば僕たちがなんとかしますんで」
「そう言ってくれると助かるが、我が王家がしでかしたことだ。そこはきちんと責任を持とうと思う」
「はい」
「顔が見れて嬉しかったぞ!」
「はい」
王城を後にした俺たち3人は服屋にいた。流石に着替えまでずっとこのままのわけにはいかないので服を買いに来たのだ。
「これ似合うだろ!これにしろ!」
「なんでそんなのなんだよ」
「これが良い」
「まあ、着てみなって!」
と試着室に入る。僕は目立たない様な服がいいんだけどな。
「おおっ!予想以上に似合うな、それ買いな!こんどはこっちだ!」
「これもいい」
「えー!」
これ一着で金貨が飛んでいくのに。
服は同じものは二つとない。手作りだからだ。だから服の値段は高いのだが。
「分かったこれ買うから自分の探してよ」
「「了解」」
二人とも楽しそうに服を選んでいる。
結構買ったね。
前の売却金があるとは言えあまり無駄遣いはしないほうがいいかもしれない。
「お金の心配?」
「よく分かったね」
「大丈夫だって!王国金貨もまだこれだけあるし」
「いつの間に!?」
「イーグルさん達と騒いでる時にちょっとだけ換金しといたんだ」
「私も」
「ちゃんとした換金は魔王国でするつもりだから安心しろよ」
「安心」
「わかったよ」
二人ともしっかりしてるんだからなぁ。
あとは必要なものはないかなぁ?
「避妊具」
「まだ必要ありません!」
「あははは、振られてやんの」
「くっ!」
結局魔道具屋を見たり武器屋を見てみたり、つまりひやかしだな?
最初はこんな剣で戦ってたなと思いながら 値段を見ると銀貨だった。そりゃ強くなったわけだ、今では自分で剣を作っているからな。自分の思う様にできるんだ。
何にでも挑戦できる今の自分は昔の下を向いて逃げていた自分じゃないからな。
猫背で隠れる様に暮らしていたがそんなことしなくて良くなった。それは自分が頑張ったからだ。生きるために。
「そろそろ飯に行こうぜ?」
「賛成」
「じゃあギルドの食堂でいいか、イーグルさん達もいるだろうからさ」
それから一週間は俺たちだけで釣りに行ったり、ギルドの依頼を受けてみたりしていた。そういえば、ヨシキもレイナもCランクのままだったよな。
ギルド長に話してみたが、俺のは特例で認められたやつらしいからあげるのは無理のようだが、Bランク資格試験をしてくれる様だ。
だが問題があった。
ヨシキ対レイナでの模擬戦で勝った方という事だったので俺は知らないと言っておいた。
「絶対勝つ」
「そろそろどっちが強いか見るのもいいんじゃないか?」
「負けるのはあなた」
「いや、それはないね」
早くもバトルが勃発している。
翌日、俺は思う方に賭けた。
「よーし、どっただも負けるなよ」
「うん」
「おう」
勇者対忍者の戦いだ。
最初から飛ばしているレイナは手裏剣などの飛び道具を使い牽制する。それを剣で弾くヨシキも、レイナの動きをよくみている。
レイナは特技の迦糸術でもうヨシキは動けないと思いきや、ヨシキはブレイブハートを使い迦糸術の糸を破ってしまう。
クリスタルソードを使って薙ぎ払いをするヨシキ。それを難なく交わしながらクナイを投げつけるレイナ。
「ふん」
“にぃ!”と笑うヨシキは対人戦は得意なのだろう一歩も動いていないが、
「やめやめやめ!こんなんじゃ補修費払ってもらうからね!二人ともBランクで!」
「やった!」
「よっしー!」
実は俺はこうなるであろうと思いイーブンに賭けたので総取りだったりする。
Bランクに上がった二人を祝福しながら儲けを数えると笑いが止まらなかった。
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