第26話 魔王からもらった物


 ここで休もうと二人(カズヤとミイナ)が言うので、この町で休むことにした。

「もう本当に酷かったからね!」

「悪い悪い!さっさとレベル酔いに慣れて欲しかったんだよ」

「まぁ、レベルの低い僕らが悪いけどさー」

「いいじゃないか!ご馳走するからさ」

「いいね!じゃあ女子も呼んでくるよ」


「キャー“バシッドカッ”」

「あー、ラッキースケベ発動?」

「主人公キャラなのかな?」

「いたたた。あんな殴ることないのにさ」

「ラッキースケベだったんだろ?」

「まぁね」

「ならしょうがない」

「今度からはノックして開けるとするよ」


 二人は怒ったままご飯となった。

「ほんと信じられないんだから!」

「ごめんって」

「殺意」

「いや殺さないでよ」

「まぁ、二人も落ち着きなよ、ご飯でも食べてさ」

「だってこいつが」

「まあまあ、こいつも悪気があってしたわけじゃないし」

「ふん!」

 まぁカズヤだから許されるんだよな。

「罰としてシャンプーとコンディショナー100本づつね!」

「わ、わかったよー」

「どんまいだな!」


 町で商業ギルドに登録してるミイナは露天を開いて商売をしている。

 俺たちは暇なので冒険者ギルドに行って何かないか探すと亀竜の討伐とあった。

 これは逃すまいと受理してもらいカズヤも一緒に山中まで入って行く。

 でかい亀だ!どっちかと言うとカミツキガメの類のでかい亀だな。のっそのっそと歩いているので脚を斬りつける。

『グアァァァァァ』

 そして首が伸びてきたところを逆からヨシキが斬り落とし討伐完了。

 とまたレベル酔いがきたのか頭を振るカズヤはなんとか堪えて着いてくる。

 5匹も討伐すればいいだろうと街のギルドに依頼完了報告を出すと、

「あ?あの塩漬け依頼が終わったって?」

「嘘つくなよ?すぐにわかるんだからな」

 たぶんギルマスであってるんだと思うがこんなんでやっていけるのだろうか?

「これがドロップ品です」

「こ、これは!嘘だ嘘!普通のガリスガメのドロップじゃねぇか、買い取ってやるから帰りな」

 明らかに嘘とわかる態度を取るギルマス。

「じゃあ、ここでは売りません」

「なんだと!お前ランクはなんだよ!」

「Aランクですが何か?」

「A、Aランクなら最初から言えよ!これは亀竜のドロップだからその値段で買い取れ」

「いや、ここじゃ売りませんから」

「わ、悪かったよ」

 認めるの早いな。

「こんな人がギルマスのところで命を賭けて獲物を仕留めるのはごめんだね」

「わ。悪かった!旅人だと思って馬鹿にしていた!本当にすまなかった」

「だから売らねーって!別のとこで売るに決まってんだろ?」

「そ、そんなー!」

 当たり前だけどこんなギルドは潰れてしまえ。

 冒険者ギルドがこんなだと商業ギルドのほうは?

「やっほー!早速儲けてきたわよ」

「大丈夫だったか?」

「え?なにが?」

 俺たちは事情を話すと、

「魔王様直々の商い証があるからね」

「なんだ、それを見せれば一発かよ」

「そうよ!露天も繁盛してすぐに売り切れたわ」

 カズヤが、袖をつまむと手伝ってくれとお願いしてきた。作った側から売られていくから在庫がないそうだ。

「しょうがないなぁ、レシピはあるんだろ?」

 材料を買って二人で量産する。それでも半分は売られてしまった。

「これは手強いな」

「でしょ?」


 夜までかけてようやく在庫がある程度出来た。明日は旅にまた出るから在庫が切れることはない。安心して寝てると、人影があったので斬られる前に斬ると、知らない男であった。どういう了見か治して聞いてみるとギルマスので先だった。

 喧嘩を打ったからには覚えておけよ?

 翌朝、早速ギルマスに通してもらいそいつを突き出すが知らんぷりをする。

 なら、ここで殺しても構わないかと聞くと、

「べ、別に殺すことはないだろう」

「いや、殺されかけたからな」

「叔父貴ぃー」

「くっ!お前らが亀竜の素材を売らんのが悪いんだ!」

「これ」

「これは…魔王様の直々の…」

「これで分かったでしょ?あなたはもう終わりです」

「まっまってくれ!金なら出すから!」

「入りません」

「ウワアアァァァァ」

 泣き崩れたギルマスはそのまま動かなくなった。


 魔王に手紙を出してギルマスの交代をお願いした。


 昼間から旅に出た俺たちはゆっくりと水上国家ウェンディまで旅をする。

 何もない時は本当になにもないんだな。

 ヨシキは昼寝してるしレイナは外を見ている。

 まったりしながら次の街は入る時、賑わっていた?何かの祭りだと言うが、中に入って分かった豊穣祭だった。宿を取り豊穣祭に参加して食べて飲んでした。街に豊穣祭があるとは知らずに入った人はラッキーだったな!


 次の日はみんな休みで俺たちも馬の世話をしたりしてすごした。まったりした一日だ。

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