概要
物理的にソフトな探偵
夏休みが終わる。
高3生の伝統行事・野外劇の準備が進む中で、手持ち無沙汰の端役二人は……、
「シャーペン咥えて授業中ノート取ってるよね、右手のパペットで」――「何か不満か? そっちは膝の上にぬいぐるみ乗っけてるじゃないか」
クラスで際立つ変わり者だった。
声真似で解かれてゆく秘められた思い。
ほのかに柔軟剤の香る、野外劇×ミステリ、短編連作集。
(表紙絵)
https://kakuyomu.jp/users/green_wood/news/16817330661550247817
高3生の伝統行事・野外劇の準備が進む中で、手持ち無沙汰の端役二人は……、
「シャーペン咥えて授業中ノート取ってるよね、右手のパペットで」――「何か不満か? そっちは膝の上にぬいぐるみ乗っけてるじゃないか」
クラスで際立つ変わり者だった。
声真似で解かれてゆく秘められた思い。
ほのかに柔軟剤の香る、野外劇×ミステリ、短編連作集。
(表紙絵)
https://kakuyomu.jp/users/green_wood/news/16817330661550247817
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!パペットとぬいぐるみと青春群像劇
パペットを手にした少女と、ぬいぐるみをつれた少年と。そんな可愛らしい、ソフトな2匹のいるミステリである。
ミステリであるが、同時にこれは青春の群像劇でもある。
彼らは変わり者。けれど変わり者にも青春はあるのだ。
ひとりぼっちがひとりぼっちでなくなるときに、失うものはあるのだろうか。
それまで手の中にあったものを、人の中に入る瞬間に落としてしまうのだろうか。
そんなことを、ふと思ったりしたものでした。
この青春の行く先は。
まずはこの野外劇の終わりは。
しっとりとした語りの中でふわりと漂うのはふかふかのタオルからにおう柔軟剤かもしれない。
そんな独特のミステリです。一度入ってしまえばこの作…続きを読む