第3話 ダンジョンⅡ
「……ん?」
謎の空間に響き渡る少年の「ん?」と言う響き……どうやら俺は夢の世界に入ったようだ。周りを見回しても二人の姿が見えない。
「ここはどんな空間か? なんか前に人影が……」
俺が暗闇の空間をさまよっている途中、俺の目の前に白髪の少年が現れた。
俺はとっさの判断で後方にジャンプして距離を取った。白髪の少年は俺に向かって歩いてきている。この
冷や汗を出しながらも少年は俺に話を掛ける……。
「安心して……。僕は君の記憶がなくなる前の姿だよ」
「そんな……」
俺は少年から聞いた話で一気に頭が混乱した。
「これが俺の昔の姿……?」
「えぇ、そうだよ……」
「俺は信じないぞ……。お前からは憎しみや、悲しみの覇気が漂っている。そんな奴が俺の昔?なわけないぞ!」
「はぁー、どうして僕はああなったんだろう……。分かった、力で教える……」
俺の昔の姿であろう少年は戦闘状態に入り、少年も俺と同様に後方へバックした。少年の白髪はさらに神々しくなり、漆黒の目はたちまち紅色の綺麗な赤い目の色に変わる。どうやら俺はこいつと戦わないといけないらしい。
「俺の昔の姿であろう奴……。こいつは確かに何かヤバイ……だが。俺は戦うと決めたら絶対に勝ちたいんだよ……」
「信じてくれないなら力で教えるまで……《スキル
少年は絶望障壁をあたり一面に展開した。領域内で俺は力がどんどん抜けていく……。どうやらこの絶望障壁は相手の力をどんどんと奪っていくスキルらしい。俺はアンチスキルを唱えた。
「《
「オートマインドか……記憶を失っても的確な判断ができるか……」
「いやいやこれは基本だろ?」
「俺が自分自身に言うことでもないのだが……その発言が常識外なんだ」
その後も俺は防戦一方で手足が出ない……俺には少しの焦りが出てきた。そして今俺がこの場で出来る最善手は……
「《武装形態
俺は突如頭の中で浮かんだ言葉を今この場で出来る最善の策だと思い、俺はその場で発した。
「おぉ、その状態でも魔王悪魔剣を使えるとは……やはり俺は凄い」
「消えるが良い……昔の俺……」
俺は周りの空間をも切り裂く
「《
その言葉と同時に俺が振るった剣は粒子へと変貌した。それを目の前で見た俺はその場で負けを確信した……
「……ん……」
「ルクス起きて!」
「ルクス君目を覚ましてください!」
「(あれ……なんだか二人の声が聞こえる……でも俺は負けたのであろう……)」
「ってさっさとおきんかい!」
俺の頭は軽くぶったレイラは俺の目を覚ました顔を見て涙をぽつぽつと流し笑いながら俺のほっぺに手を当ててきた。
「あれ……俺は白髪の少年と戦っていたのでは?」
「ん?白髪の少年……ルクス、それってものすごく強くなかった?」
「あぁ、身が震えるほどに強かった……」
「やはりか……」
どうやら俺が夢の中で戦っていたあの白髪の少年はレイラと何か縁があるらしい。そんな俺らに勘のいいシュリは話を振る。
「お二人さん……」
『どうした?』
「私の記憶が正しかったら……その白髪の少年は昔の最悪戦争の産物なのではないでしょうか?」
シュリはそういう事を言っていたがあいつが戦争に出たら一瞬で戦争が終戦するだろう……あいつは俺が初めて強いと思った人間だ、いやあいつは人間なのか?
「ほら、シュリ、ルクス。まだ授業の続きがありますよ!」
『いくか』
俺たちはその後も着実と魔物を狩り、ダンジョンの宝箱を取り……そして授業の目的の一つそのダンジョンの秘宝を手に入れて俺たちは地上に戻った。
「では皆さん!私の前に皆さんがとってきた物を出してください!」
『はーい』
生徒全員は先生の前に自分たちで入手したものを並べる、その中にはここのダンジョンのボス、ダンジョン主の頭も入っていた。俺達がとってきた頭を皆が見て腰を抜かした……。それは先生も例外ではない。まだ未熟な自分の生徒がたった三人で主を倒しているとか、普通に考えたらできない事だろうから驚くのも当たり前だ。
「理事長先生……お部屋に入ります……」
「よい」
「理事長先生はあのような生徒をこの学校に残してよいとお考えですか?」
「そんな事か……。あの子は私が公認している……あの子の過去を知るものはこの世で立った4人+1人だ……」
「あの生徒は強さの次元が違い過ぎます!。もしほかの生徒が怪我でもしたら……」
「わし公認と言っておるだろう……」
「たしかにそうですね……。四大英雄が1人の理事長様……いや、大英雄様の考えなら……」
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