第13話 融合之覇者

 「……ハァハァ……どこいるの?。レイラちゃん……急に滅亡ルイン級の覇気オーラが消えたし何が起きてるか分からない」


 シュリは信号がある方へひたすら走り急に消えた滅亡級の覇気オーラ、新たに出てきた滅亡級よりさらに強い気配、シュリは混乱した。


 ひたすら走り続けたシュリはある一つの小さなドアに辿り着く……。


 「え、何これ……」


 シュリは人が一人入れるかどうかの小さなドアの前に血だらけの痕跡を見つけた。絶対何かあると思ったシュリはそのまま地下へ続く階段を下りるのであった。


 一方レイラとギニアの方は新たな者の出現に戸惑っていた。


 「皆さまこんにちは、私は四死聖典隊長をしております、リブルヘルンと言います」

 「リブルヘルン……」

 「ギニア何か分かるの?」


 ギニアは腕を組み何かを思い出そうとした。


 「確か……そうだ!。あいつは融合之覇者オルストスだ!」


 それを聞いたレイラは驚いた。融合之覇者オルストスはかつて昔に最悪戦争のもっと前に世界を滅ぼした一人と言われている伝説の魔人だ。


 「リブルヘルンなぜあなたは力を持っているのにヴァルムの手下になっているのです?」

 「そんな事でしたか……正直私は誰の手下になろうとかまわないのです。ただ私には少し都合がよくターゲットがルクスという事だったんですね」

 「は?」


 レイラはキレた、レイラはルクスを一生守ると誓い今まで過ごしてきたから、リブルヘルンの発言が許せなかったのであろう。レイラはそのまま先制攻撃を仕掛ける。


 「《氷結之番人カリキュレム》!!」


 レイラが召喚した氷結之番人はレイラの周りから4体這い上がってきた。一匹ずつかなりの破壊力を持った氷結之番人たちだが鋭く大きな斧を振り上げリブルヘルンに叩きつける。


 砂埃の中から聞こえたのは詠唱だった。


 「《融合之諸相百熱豪雨オルストスのしょそうリミットフレイム》」


 詠唱完了したリブルヘルンの頭上から無数の炎の刃が降り注ぐ。その刃はレイラが召喚した氷結之番人を容易く倒していく。


 「さすが破滅ラストメイト級だね……今までの相手とは桁違いですね」

 「いやいやそれはありがたいお言葉ですね」

 「レイラ、わしもいくぞ!」


 ギニアは心眼ハートアイの能力を使い数手先の事まで読み切り、リブルヘルン放った技を全て避け、奴に斬撃を入れた。


 鉄が弾ける音が鳴り響いてレイラが見た物とは、確かに一撃を入れたギニアの斬撃だがそれを構わずにギニアの腹部に炎の刃を突き刺したギニアとリブルヘルンの姿であった。レイラは腰が崩れそうになった。


 「(ルクス……ごめん私死んじゃうかも)」

 

 レイラがそう思った次の瞬間外から大きく高い声が聞こえた


 「あーーーーーー!!」

 「え。何!」


 レイラはそれにびっくりして声のなる方へ視線を向けたら上から転がってくるシュリの姿があった。レイラはそのままシュリに言った。


 「なんでシュリがこんなところにいるの?周りの騎士たちはどうしたの?」

 「え、騎士はいませんでした……なんか血がたくさん床に流れているだけで死体は無かったですし……」

 「え……」


 シュリとレイラの会話に横槍を入れるかのようにリブルヘルンが話に入る。


 「騎士の死体はこれの事か?」


 リブルヘルンが召喚した魔物を見て二人は驚愕した。それは、警備についていた騎士であっただろう人物の顔が周りに張り付いているデカい魔物がそこには居た。


 「リブルヘルン……お前……」

 「リブルヘルン?」

 「そうです、シュリちゃんこいつが融合之支配者オルストスのリブルヘルンです」

 「融合之支配者!?!?」


 シュリもさすがに知っていたのだろう、びっくりした声でそう返す。シュリはリブルヘルンを研究していた時期があったらしくて、その知識はレイラよりも多彩であった。


 「そろそろ良いですかね?。《融合之諸相漆黒炎ゆうごうのしょそうダークフレイム》」


 リブルヘルンは漆黒の翼を広げ空中を舞いながら漆黒炎をまき散らす。その炎は腐食効果があるもので地面は溶けないものの、周りにあった本棚や地面ではない物は簡単に溶けた。


 レイラたちは華麗に避けてそのまま攻撃を仕掛ける。


 「《氷結之零獄アイスエイジ》」


 レイラが出した氷の檻は見事にリブルヘルンをとらえた。これは流石に避けれなかったであろうリブルヘルンは捉えられている内に大技を撃つ準備をしていた。


 ゴソゴソと聞こえる氷の檻を不審に思ったシュリは自信と特殊効果である。

千里之耳オールマッピング》の力で檻の中を透視した。それに気が付いたシュリは檻を解除するようにレイラに頼んだ。


 レイラはすぐさま解除したがもう遅かった。


 「融合覇者之王者オルストスウィルヘイム!!」


 その次の瞬間周りが急に揺れはじめ。建物が崩壊していく……。それを危険と判断したレイラは腹部を刺されたギニアを肩に乗せ転移魔法でその場を離脱した。外に出たレイラとシュリはライトギニア王国を空中からみて驚愕した。


 「あ……あれは何でしょう?」

 「これが破滅ラストメイトの力です……。」

 「でも破滅と戦えていたレイラちゃんは?」

 「もうあなたにはばれて大丈夫でしょう……私は四大英雄が一人神姫のレイラです……」

 「それって……」


 シュリが何か言おうとした瞬間の事であった。城から出た一本の紅色の線を見て二人は絶望することになる。

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