第7話 魔人ラクトキネシス襲来
この世界では人間と魔人族とは分かり合えないもの、これは世界の理と言えるものだろう。この魔人の数正直手に負える量ではない。
ルクスは周り一帯を見渡すとほかの冒険者達がどんどんと魔人どもにやられている。
「そうだな……魔人って簡単に言うと人間族の上位互換だもんな……」
俺はぽつぽつと流しながら倒れている人達を見ながら言った。そこに倒れている人つまり、もうこの世界には居ない者達だ。その倒れている人たちの中には俺の知り合いも多数いた。
一緒に冒険してくれた奴らも、飯を奢ってくれた奴も、俺にこの世界の通貨の使い方を教えた者も……。そして俺の目に入った今は亡き死体の中には非常に許し難い人までいた……それは、俺が拠点としている
「……魔人ども……」
俺の体の中に何か切れる音がした。
それと同時に回り一帯に居る魔物が急に血しぶきをあげてバタバタと倒れ始める。その光景を見たレイラとシュリは口を開けたまま呆然としている。
「魔人ゆるさん……」
『ルクス落ち着いて!』
もうこの状態では俺自身の意識もあやふやになり、この先の記憶は薄っすらとしか覚えていなかった。
どうやら俺は覚醒状態に入ったらしい。怒りが抑え込めれない今の俺の攻撃は非常に危険だ。そんな俺が一度大技を放った。
「《
ルクスが放った大技はそれはとても綺麗な技だった、演算でかなり緻密な計算をし……誰がどう見てもかなり綺麗な曲線に描かれた色鮮やかな一本線が多数に束になっている。
だが、そのルクスの大技をたった一手で打ち消した者がそこには居た。
「は……誰だお前?」
「いやはやこんにちは。私は四死聖典が幹部の一人ラクトキネシスと申します」
「(やばいこいつは今までの魔人とは桁が違うだろう……)」
「おやおや?。 今私がほかの魔人と桁が違うと思いましたね?」
「!?……」
そいつはお年寄りに近いであろう体に、顔は案の定角が生えておりそして、ラクトキネシスの目は紫色をしており正直不気味の一言でしかない。
正直俺はびっくりした、こいつは相手の心が読める
「私は隊長様の命でこの場に来たもの故にすぐあなたを排除いたします」
「……うるせぇーなー。《
「ふむふむ、この系統の物でしたら、魔力阻害系の
俺はかなり驚いた、あいつラクトキネシスの全ての発言が正しいものだった。確かに
「いやはや……。《
ラクトキネシスがそう唱えたら、俺の張った結界が空に一番近い場所から徐々に効果が消えてくる。つまりこれが相殺なのだろう。ラクトキネシスはそのまま俺に攻撃を仕掛ける。
「早々に退場してもらいましょう《
「うっ……。なんでだ……。」
ラクトキネシスが放った技の一つ、
「《
「うむ……。この技はすごいですな……だがこれも私なら!。《
ラクトキネシスは確かにルクスの技を完全に相殺したと思ったが流石ルクスの技だ。魔力敷滅とは魔力そのものを消してしまうといった技だ。これは通常の人間なら全然問題ないのだが魔人や魔素を常に吸収して生きている者が食らうと体の中や空気中に含まれる魔素エネルギーを一時的に消してしまう効果がある。
「うっこれはかなりきついです……」
「お前ら魔族は所詮魔素なしでは生きられない者ども、もう楽になるが良い」
だがそれはラクトキネシスが許さない、そこから壮絶な斬り合いになった。後方で見ていたレイラとシュリは俺たちの戦いにかなり関心を抱いていた。
「あの二人の戦いは凄い……」
「ルクス君負けないでください……」
「肌でも感じるのよ……今あの場に入っても私が戦力になるとは思えない」
互いに斬り合い数分が立った時、ラクトキネシスは心身干渉系の技を放ってきた。
「《
ラクトキネシスが放った心身干渉系の技は確実にルクスに命中した、そう誰もが思ったが……。
「ごめんな……。俺って心身干渉の技を相殺するの得意なんだよ……」
「えっええええええ?」
その場に居たすべての人や魔人が思った。本来、心身干渉系の技は心に作用するので相殺や阻害するのが不可能と言われてきた大技だ、だが今ルクスは常識を変えてしまったのだ。そう皆が話題にしているとレイラがポツンとつぶやいた。
「そういえば……ルクスって常識外れだった……」
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