ライトギニア王国編

第1話 王立学校

 記憶を全て忘れているらしいこの俺、ルクスは今巨大な跳ね橋の前にいる。俺はこの体の中にいるもう一人の存在、レイラにこのライトギニア王立学校に入学を進められた。

 

 正直俺は学校が楽しみだ……俺は周りからすればかなりぶっ壊れているらしくて、俺はそれを信じていない……たかがオークを倒したところで何がぶっ壊れているのだ?俺には何も分からない。


 「はーい、次ルクス君」

 「はい」

 「ってまってね、ルクス君……あなたの事は理事長から聞いているのでくれぐれも手加減をしてください」

 「俺が手加減?まぁいいか」


 俺はいつもの力の9割を押さえて無詠唱で青い炎を的に向かって放ったが、周りは目ん玉を飛び出したように驚いている。次の瞬間、熱風と共に爆風がルクスの元へ吹き放ったがルクスはびくともしない……。周りの試験官や受験者はかなりの場所まで吹き飛ばされている。


 「あれ? 皆どうしたの?」

 「どうしたのじゃありません!」

 「はぁー、理事長が言っていた意味が分かりました……」


 俺はわけが分からないまま次は剣術試験が始まる。正直に俺が使う剣術は誰もが見ても素人同然だが……。


 「お前の相手をするのはこの俺だ!」


 奥から出てきた威勢のいい男はこの国の騎士隊長の方だった。俺はわくわくした……。ここに来る前にレイラに言われていた。「この国の騎士隊長は凄く強いんだよ」と聞かされていたが……。


 「あれ? 騎士隊長様どこー?」


 なぜか俺は勝ってしまった……。


 周りがざわめく中俺は皆に満面の笑みを捧げた。みんなはそんな俺が怖かったのだろうどんどんと離れていく……。


 「き……君……すごく強いね……いや、強い所ではない破滅級ラストメイトの強さを持っているよ」

 『は! 破滅級??』


 騎士隊長様が俺にそう言うと周りに居た人たちが口を揃えてびっくりした。正直に俺はそれを聞いても何かが分からなかった。その後試験の全日程が終了して、クタクタと銀狼まで帰った。


 「ねぇーレイラー」

 「どうしました?」


 俺は少し疲れた声でレイラに今日学校で言われた《破滅級ラストメイト》とは何かを聞いた。


 「え! そんなに実力を……」


 レイラは何か意味深なことを言ったが俺はそれを気にしなかった。


 「破滅級とはね。この世界には強さの階級があるんです」

 「ほうほう」


 レイラは俺に事細かに階級について丁寧に教えてくれた。階級は下から。


平和級ピリー

日常級フリー

災害級リエテイル

滅亡級ルイン

破滅級ラストメイト

神聖級レクイエム


 という風に分かれているらしい。細かい所は俺にも理解はできなかったが、平和級は完全に我々に無害な存在。


 日常級は要するに冒険者などの微かに警戒しないといけない存在。


 災害級は気象現象などの警戒度Maxまで高まる存在。


 滅亡級は国の全兵力を動員しないといけない存在


 破滅級は世界を滅ぼせるほどの存在


 神聖級は言わずもだな……。このように色々と分かれている内の俺は騎士隊長によると破滅級に強いらしい自覚はないがな。


 ベットでくつろいでいるルクスだが少し気がかりなんだろうレイラは困った顔で少し考え込んでいた。その時俺には聞こえなかったのだがレイラはぶつぶつと何かをつぶやいていた。


 「(ルクスは今は平穏だ……この子にこういう未来が来るなんて……)」

 「ねぇーレイラ」

 「ひゃひゃい!!」


 レイラは俺の応じに可愛い声で驚き俺の話を聞いてくれた。


 「いま普通に話しているけど……お前ってまだ外に出てこれなかったんじゃないか?」

 「あ……あぁー、私一人に時に色々試行錯誤して自動魔力障壁オートマインドを抜けるのに成功したんだよ!」

 「よかったね! ってお前可愛くね?」

 「ま! またそんなことを!」


 俺がレイラに可愛くない?聞いたのは他でもなく真実で俺の前に立っていたのは綺麗な青色の髪を下ろし、それと同様で目の色もかなり綺麗な水色で出るとこは出ていてへこむところはちゃんとへこんでるかなりの美少女だったのだ。


 「私これでも、妖精の中ではかなりの美人だったので!」

 「そ、それ自分で言うか? 確かに可愛いが……」

 「本題を話しますが……学校はどうでしたか?うまくやれそうですか?」


 心配そうな顔でグダグダしている俺に説いてくる。


 「俺は噂によるとその破壊級らしい……。そんな俺に怖がって皆話かけてくれないんだ……」

 「そりゃー、身近に破壊級相応の実力の持ち主が居るとしたら私も怖がりますもん。そんなルクス君に私がプレゼントを用意しました!」

 「プレゼント?」


 なにか嬉しそうにニコッと微笑む美少女兼妖精のレイラは俺にそのプレゼントやらを渡してくれたが俺の手元に来たのはレイラだった。


 「なんのおふざけか?」

 「ちがうわい! そうこの度私も学校に通うことになりました!」

 「は?」


 まさかのレイラによる学校通学のプレゼントだった。後にレイラに話を聞くとどうやら理事長が昔の旧友だったらしくて話がついたらしい。確かにしゃべる相手が増えるのは良いことだが……。俺の容姿もかなりモテるらしいし、俺の隣にいるレイラはかなりの美少女だ……こんな連中が学校に居たら目線を貰ってしまう……。だが俺は今この目の前にいるレイラが幸せならそれでいいと思う……。


 「ルクス! 楽しみだね!」 

 「あぁ、そうだな」


 

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