第2話 ダンジョン

 「えっ、あの子たち可愛くない?」

 「右の男の子は確か破滅級て騎士隊長様に言われていた子だよね?正直近寄りたくないけど……可愛いな~」

 「左の子ほんとすべてが整っているわ!」

 

 俺はこの会話を聞くのが嫌になるぐらいもう聞いている。しかもその際に俺の陰口なのか分からないがとりあえず俺に関する声が多数上がってくるその声にイライラしながらも隣に居るこの美少女妖精のレイラが慰めてくれるからどうにか俺は耐えれている。


 俺の評価は、生徒からはとても低いが講師の方からはとても高いものとなっている。俺がこの学校に居る理由はレイラがどうか俺には常識を学んでほしいとのことだ。今日の授業は座学と実践だ。


 「はーいみなさんこの話は分かりましたか?」

 「まだ少し……」

 「では、アラン君とみんなのためにもう一度分かりやすく言いますね」


 俺は今座学の授業中だ。今日の話はかつてこの世界で起きた最悪戦争にかかわる話だった。先生によるとこの最悪戦争でこの王国の人口の半分が滅亡したらしくて、その最悪戦争の殺戮兵器がこの世界のルールの一つである危険階級の最上位に位置する神聖級に初めて付けられたという。


 「先生!」

 「ルクス君どうしました?」

 「俺にはその神聖級て言うのがいまいちわかりにくいというか……」

 「そうね! 神聖級とはね、一太刀でこの世界を滅ぼせるとも言われている物で……噂によるとその神聖級に認定された者が今その施設に居ないとか……て言われているんだよ」

 「へーそうなんだ」


 俺はこの神聖級にかなりの興味を持った、これからも自分でいろいろと探ってみよう……と思った。


 「おいルクス。お前は強くていいよな……」

 「おいおい待てアラン、こいつが強いってか」


 そんなアランの発言を嘲笑うかのように煽った男がアランの仲間の一人である

《ビリー》だ。俺はこの悪者からいつもこうやっていじられている。


 「このルクスが破滅級の危険度とか天地がひっくりかえっても無い無いw」

 「そうだな、あの時は騎士隊長様が調子が悪すぎただけだな」

 「はいはい、喧嘩はやめてください」

 

 俺はかなり短気だ、こんな俺に手を添えて落ち着かせるレイラはほんとに俺の中の女神に等しい。確かに俺は弱いかもしれないがせめてこいつらよりかは強くありたいと心の奥底に刻んだ。


 「はーい次は外での実践訓練なので皆さん外に集まるように」

 『はーい』


 俺達二人は制服から普段着に着替えこのライトギニア王国の近くのライトの森にある地下ダンジョンの入り口の前に来た。その外装は小さな洞窟の入り口でツタやコケが覆いかぶさっている不気味な感じだ。


 「レイラってお前強いの?」

 「それはもうね! 腕には自信あるはルクスほどではないけどね!」

 「へ~」

 「(ここのダンジョンは最下層の下にまだ最下層がある……ここはルクスにとって大事な場所……思い出すと良いけど……)」

 「ん、なんか言ったか?」

 「いやいや何も!」


 俺は三人一組で行動することになったがあと一人誰を入れるか二人で迷っている。ほかの人達からものすごくアピールが来るが俺たちはそれを無視する、俺がふと見た視線の先からピンク色の髪をしたエルフがもう一人の男に何かをきつく言われているのが気になり俺はそこに近づいた。


 「ねぇ君何しているの?」

 「なんだ俺の所有物になにか用か?それともお前喧嘩したいの?」

 「そうだそうだ! お前は怖いもの知らずだな。この方は最少年でマジックキングに選ばれた方だぞ!お前死んだな」

 

 俺はこいつがいかに凄い人物分かった上で「そうか」とつぶやき鋭い眼光でそいつに「失せろ」と言い、その悪者は冷や汗をかいて逃げて行った。


 「ルクスぐらいの者になると睨まれるだけで変な汗が出るようになるんだよ君の名前は?」


 レイラはピンク髪の美少女エルフに名前を聞いた。


 「私の名前は……シュリ」

 「お前はシュリと言うんだな……お前俺達と組まないか?」

 「いいねそれ。シュリちゃんルクスは昔の記憶を失ってこの世界の常識が分からないの……そこだけ気を付けてね!」

 「ぜひ私でよければ!!」


 俺はこのピンク髪のエルフシュリと青髪の妖精レイラを連れてダンジョンを潜った。俺たちはサクッと下層まで行き次々と敵がなぎ倒されていく様に驚くシュリ。俺たちは無事最下層までこれた。


 「っう、なんだ……頭の中で……」


 俺は突然倒れそうになった。それを抱えるように両肩を持つ二人、俺は申し訳ない気持ちでいっぱいだったがそれでも俺の体に力が入らなかった。


 「ルクス……記憶多少は戻った?」

 「あぁぁなんか変な感じだ……」

 「き、記憶?」

 「シュリには改めて言うけど……ルクスは自分が誰とかも忘れているんだよ。ここはルクスにとって記憶の大事な部分でもある……」

 「そうなんですか……」


 俺の理由を話している間に俺は目を瞑って暗闇の中をさまよっていた。どんどん遠くなる二人の声と共に俺の前に現れたのは白髪の少年……俺より幼い感じだった……

 

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