第24話 白の支配者の思惑

 「それって……」

 「そうです。その少女こそ私はあなただと思います……」

 「レイラ様は雰囲気変わりましたね……これもルクス様のおかげではありませんか?」

 「そうかもね……でもまさかあなたがあの時のユイとは思わなかったわ」


 そうレイラがユイを足から頭に向けてゆっくりと見る。ユイはあの時体が小さく大体6歳とかそれぐらいの体つきだったが今は違う。


 今ではサリエス教国一の色女として名をあげている。


 「ユイってえろいよね……」

 「ちょ!。やめてくださいレイラ様!!。今はルクス様がいるのですよ!!」


 少しユイをからかうレイラそれを見て笑うルクスこれが本当の家族なのだろう。そうしていると、ふとルクスが声を出す。


 「それでユイ本題は?、俺達を呼んで昔話ではないでしょ?」


 ルクスの的確な言葉で本題を切り出すユイは少し真剣な声になった。


 「はい。それが、今サリエス教国はもうじき内戦が行われると思います……」

 「え?」


 レイラは衝撃を受けつつユイに質問をする。


 「でも誰と誰が戦うの?」

 「それが青と赤が手を組み、私たち白を相手としているのです」


 ユイの衝撃的な発言で黙って聞いていたルクスもその瞳を大きくした。そうルクスは記憶を失っているがユイの事が大事な人物だと理解している。そんな家族も同然の存在が戦争にて死ぬなどはあってはならないのだ。


 「それでユイは私たちに手を貸してほしいと?」

 「恐れながら……。私の近衛隊は生憎全員隠密系の兵士で正面からの戦闘は赤と青の兵士に分があるのです」

 「近衛隊は七白雪のこと?」

 「さすがですレイラ様」 


 レイラは頭をひねって考えたがいくらユイでも自分から謎の相手に向かう事など愚かなことだと判断している。レイラはそれを思いつつルクスに相談する。


 「ねぇ、ルクスどうする?」

 「え……ごめんもう一回言って」

 「(これはやる気だね……)」


 心の中で思いながらももう一度ルクスに質問すると、レイラの完璧な読みでルクスは一緒に戦うと言ってくれた。その答えを聞いたユイはポロポロと涙を流した。


 「そしてどうなったのでしょうリッカ殿?」

 「あぁ、犯人は分かったぜ。やはりルクスと言う人物だろう」

 「それで、勝てるのでしょうか?」

 「あぁ、戦闘全振りしている俺だぞ?」

 「うふふ、それもそうですね。だけど相手を軽く見ない方がいいと思います」

 「そりゃあ分かるぜ。そしてどうする」

 「白の件ですか。もちろん青と赤共同で壊滅させましょうか」

 「だな」


 ユイ達は戦略とほかの部下と七白雪にルクス達の事を事細かく説明をして会議をするのであった。


 「それでは戦略会議を始める」


 広く綺麗な大理石でできた数本の柱と綺麗にフローティングされている床そして綺麗な絵が飾られている部屋に響きわたるユイの美声と共に戦略会議が始まった。


 「そしてユイ様、この方は単独で青の塔を相手にするのですか?」

 「えぇそうです」

 「それは流石に失礼ながら無謀だと思います。相手は青ですあんなに火力全振りしている奴らに流石にルクス殿とレイラ殿たった二人では……」


 部下の反論にユイはクスっと笑った。


 「それは大丈夫でしょう……。今回、青は相手が悪かったでしょう」

 「それは……」

 「何ならルクスさん一人でも勝てますよ……」


 ユイの発言で部屋が静かになった。部下はルクス達を見ている。確かに体格などは少年だが、今頃学園に通う年齢。だが、ルクスの秘められた力は部下たちを凌駕するほどすごいのだ。


 「ではこれにて戦略会議を終了する」


 会議の幕が下りた。


 そして宿に向かうルクスとレイラは二人で夜道を歩いていた。


 「でも、ここも同じ白の領域なのに寒くないんだね」

 「そうだな……」

 「ルクスは私のことどう思ってるの?」

 「え。どう思っているって……家族だよ。俺は家族に傷一つつけた者を生かすことはしない……」

 「ルクス……」


 レイラは思った。今回手伝ったのはルクスがとても大事な家族ユイに汚れた奴らから傷を負わせたくないからであろう。


 そして宿についてシュリに事細かく説明をした。


 「分かりました……」

 「それなら――」

 「だが!。家族を置いていくほど私も甘くないです。その戦争私も参加させてください!」

 『え?』


 当然の反応だ。相手は青と赤が相手だその相手の強さを理解しているシュリが自分から死にに行く発言はしないだろう。そう思ったレイラとルクスはもちろん目が飛び出るほど驚いた。


 「でも相手は赤と青だよ!?!?」

 「はい。分かってます」

 「なら……」

 「行きます。私もルクス君から、休日色々と訓練に付き合ってくれましたし。今ではそこらの者では相手にはならないと思います!」


 レイラはルクスの方を向くとルクスはそっぽを向いていた。レイラは腕を組み深く考えた。考えた結果だが、シュリを戦争に連れて行くことにした。だがシュリは後方支援だ。


 ろくに前に行っても死ぬかルクスの攻撃に巻き沿いになるだけだ。そうして結論をだした、三日後に行われる戦争の準備をするためにベットで寝たのであった。


 

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