第11話 新たな刺客

 「では……始めるとしよう」


 低い声で答える男、そうこの男が四死聖典ししせいてんの幹部の一人シンエイとそれと反対に無邪気に高い声で笑うピンク髪のツインテールの背が低い女の子、これも幹部の一人メルシィだった。


 そんな闇が自身の元に近づいていると気づかずにいる私……。これが人生のただ一つの欠点だった。


 そう思った同時だった、すべての物が急にガタガタと動き始めて私の方に降りかかってくる。そうそれも勝手にだ。


 「レイラ、大丈夫か!」


 心配してくれているギニア王と私の間には巨大な岩が立ちふさがってしまった。これじゃギニア王の元へ行くのが難しいと判断した私は岩が落ちてきた反動で煙が舞って視界が悪くなり、その視界がもとに戻る時に一人の男の姿が見えた。


 その男は和風の衣装に身を包み額には特徴的な大きな傷跡があり、目が青色……。これを見て私は汗が噴き出た。


 「あいつは何をやらせても激しいな……」

 「あなたは一体誰でしょうか?」


 異様な覇気オーラを放つその男に問いを投げた。男は親切に答えた。


 「私は四死聖典のシンエイと言うもの。めいによりあなた方の命を仮に来ました」

 「(やはり魔人族か……。この覇気といい、気配といい……この人らは滅亡ルイン級でしょうか……)」


 一方ギニア王の方も明らかにほかの魔人と違う気配があった。


 「ひゃっは!。お遊びは楽しいね!」

 「おぬしは一体誰じゃ?」


 ギニア王はピンク髪のツインテールの少女にそう質問をすると。元気よくメルシィだよ。と答える。


 とは言ってもギニア王も四大英雄の一人この大陸の守り人だからそこら辺の強者とは桁が違う。


 「おぬし四死聖典だな……」

 「よく知ってるね!」

 「ギニアおじさんも、かなりの強者の気配がするけど私が楽しめる相手なのかな?」

 「それは頑張ってみるんじゃ」


 そう言うとメルシィは早速スキルを放った、その技は周りの瓦礫を無数に持ち上げギニア王に投げつける。ギニア王はそれを軽々とかわすがその瓦礫は避けた瞬間軌道を変えてギニア王の腹部に直撃する。普通の人はそこでダウンするがギニア王はとっさの判断で瓦礫の勢いを弱めていた。


 「おぬしなかなかやるな……」

 「ちなみにー。シンエイちゃんの方が私より強いよ。あんな女の子でシンエイちゃんを止められるのかな?」

 「ふん……それはわしは心配しておらぬ」


 シンエイとレイラは壮絶な戦いを繰り広げていた。シンエイは自分の気配を消すことができるかなり厄介な相手だった……それと劣らないレイラの戦闘力は慎重派のシンエイでも未だに図ることができなかった。


 「では引き続き滅亡ルイン級どうし戦いましょう。《氷結之覇者カリハベーラ》」

 「では私も《影ヲ操リシ者エレクトラ》」


 レイラは自身の伝説技レジェンドスキルを早々と放つそれを見たシンエイも相手が出すなら自分も出そうという考えで同じく伝説技レジェンドスキルを発動した。


 レイラの伝説技レジェンドスキルである氷結之支配者は氷に関する物全て操れるといったスキルだ。このスキルの特性で自分を中心とした半径100m以内は全て《凍てつく空気》になる。この空気を吸えば体が徐々に氷ついてしまうのだ。


 「はぁはぁ。なんだこれは体が……」

 「あなたじゃ私に勝てない。死ぬがいいわ《氷結連弾いてつくれんだん》」


 レイラがシンエイに向けて撃ったスキルは確かに命中した。だけどシンエイの様子がおかしい。白い霧の中から出てきたのは紫色の覇気オーラを身に纏ったシンエイの姿だった。


 「あなたはしぶといんだね」

 「あぁ、君は私が死んだんだと思ったんだね。確かにあれが全て当たれば私は動かなくなっていたであろう。だが、私は違うのだレイラだったっけ、レイラが私に向けた氷を吸収して影のエネルギーを蓄積したんだよ」

 「……」


 レイラは予想外なことが起きて黙り込んでしまった。こればかりは流石、滅亡ルイン級同士の戦いだとレイラは感じた。


 その頃ギニア王の戦況はまさかの優勢だった。


 「ギニアおじさんは強いね、はぁはぁ」

 「まだ現役には遅れをとるまいわ」

 「なら私も本領発揮ってことにしようかな!《霊動之指揮ポルターガイスト》」


 メルシィは自分の本気を見せるべくシンエイと同じように伝説技レジェンドスキルを展開した。すると周りはたちまちガタガタと周りに置いてある物が動きだしたそれは奇妙な現象で変な感じがしていた。


 「うむ……なるほど……霊関係の干渉スキルなのじゃろう」

 「お!。正解だけどどうする?」


 そうメルシィは言うとギニア王の周りには周りに置いてあったのであろう鋭い物や岩や凶器がギニア王の周りに浮いていたのだ。それはメルシィの指を鳴らす合図ですべてがギニア王の元へ降り注いだ。


 「うっぐ……、これは流石に数が多いな……」

 「あははは、本領発揮すればこんなもんだよ!」


 メルシィは楽しそうにギニア王を挑発した、ギニア王は体が血まみれな状態でも顔が笑っていた。


 「あら、おじさんも楽しいの?」

 「あー楽しいさ。でも嬢ちゃん今嬢ちゃんが本領を発揮した通りに、わしも本領発揮したらどうなるであろう……」

 「そんなことどって事ないんだよ!」


 ギニア王はメルシィの答えを聞いて、ギニア王もたちまち四大英雄の姿に変化する。それは常人には耐えられないほどの覇気オーラであった。


 「では、行くとしよう。わしは四大英雄が一人心眼《ハートアイのギニア》よろしく頼む」


 


 


 

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