第35話 完全なる神人
「こいつ速い……」
レイラの前でケラケラと笑う女。そうこれがもう一人の神人【瞬足】である。名前にもついている瞬間移動の瞬と言う字はあいつの名前でもある。その名に恥じぬ素早すぎる移動これはレイラが一番苦手とする相手だった。
「次こそ死のうね! 《速連撃》」
瞬速が放った速連撃は常人いや次元が違うレイラにも見えなかった……これが超次元生物、悪魔、そして守手を殺すためだけに作られた秘密兵器【神人】の力だった。
「はぁはぁ」
レイラの息が久しく荒げている。
「あら息を荒げて大変だね。早く殺してあげるそしてもう一人のバケモノも排除する」
「あ? あの子をバケモノ呼ばわり?」
瞬速はレイラの禁忌を犯した。レイラはルクスの事が好きで周りがバケモノや気持ちが悪い呼ばわりをすればその者の顔の形が変わるほどボコボコにしていた。そんなレイラはもちろんキレた。
「お前だけは許さない……氷結之――」
レイラの脳内に何者かが話しかけてきた。
{レイラ聞こえるか? 俺の予測だけどこいつらより強い者がまだいるかもしれない
「――わかった……」
レイラは詠唱をやめて通常戦闘に切り替えたが、それで何も戦況は変わっていないあの子が来ていなかったら。
「ではしにますか! 《速射連撃》」
「これはまずい……」
レイラは流石にまずいと思い結界を展開したがそれをしたから止められるとも思えなかった。そうレイラはあきらめかけていた。弱肉強食そんな世界だ弱い者は食われそれを食い強くなるそれがこの世の摂理というもの。
「諦めたらだめですよ。師匠」
「え?」
「《
レイラはそう聞こえた。何回か耳を澄ましたがそう聞こえた。それはリヘンのものそしてこの技は間違いなくリヘンが唱えたもの。レイラは博識で一瞬でこの技を見抜いた。
「伝説の雷帝……」
「大丈夫ですか?」
「いやありがとうリヘン。あなたはもう私より強いよ……」
「師匠のおかげです! でも僕もまだまだです……」
伝説の雷帝は、かつてルクスと共に戦っていた四人の戦友の一人。雷帝エングレムそれは主に雷を使う者の事。ほかの人より桁違いに雷を扱うことができる、そして雷帝エンブレムが使う雷は他の者からは神成と言われている。この雷帝のほかにも数人いる。
・炎帝プリもデウス
・風帝フェンリル
そして【神帝ルクス】ルクスは神という二つ名がついているがそれは、最悪戦争で失った炎帝と風帝の力を自身の力にしたことから。神が使う秘術と言われそう古書には刻まれていた。そして最も謎が多かった者が【雷帝エンブレム】
エンブレムは最悪戦争にひそかに参加して裏から破壊を尽くした。だがそのあとの事はルクスにも分からなかった。だがあの時確信したのだろう。リヘンの心に雷帝エンブレムが宿っていると言うことを……。
「瞬速は塵に変わったか……。リヘンは心の中に雷帝エンブレムが宿っているんだよ」
「え?」
「さっきの
「ちょっと雷帝エンブレムって昔の古書でしか聞いたことないですよ? 破壊の限りを尽くしそして姿を消したとしか知らないですよ?」
「そうだね。雷帝エンペラーはルクスの戦友なのだもの」
「え……」
リヘンはもちろん呆然とした。まさか目指していた人物の一人が神帝ルクスだったことをほかにも風帝、炎帝も仲間だという事にも驚いた。そう二人で会話をしている時だった。どこからもなく男の声が聞こえた。
「いや~あの子がやられたとはね……。俺が選出したのが間違いか……」
レイラとリヘンは戦闘態勢に入る。
「何者?」
「いや~。あのルクスと言う男はやはりただ者ではないな、まだこちらにも来てないときに強者がいると言っていたのでね。ああすみません私は神人の隊長である
【煉獄の創造主】であります」
煉獄の創造主これは炎のさらに上を操れるものを指す言葉だそう感じたレイラは炎は氷に弱いことを知っていたレイラは顔を明るくしたが隊長というこの男はさっきの女より強いと考えた。
「いやね。私はね。本当はルクスと言う者と戦いたがったが私じゃどうにも勝てるか分からなくてな。私たちの組織で例外とされている強者を向かわせている。この対処をすることに誇りをもって死んだ方がいい」
「何をぶつぶつと……」
「レイラさん僕も戦います!」
ルクスの方はもう神人の二人組を塵にしてしまった。いくら神人でも簡単にはルクスの首を取れない。
「やっぱりか。やはりもっと強いものがレイラとリヘンの元へ……。そしてやっとリヘンに宿った力、いや親友の雷帝エンブレムが目覚めた……。そしてもう一つ俺の後ろ」
ルクスが後ろに剣を向ける。そこには先ほどいなかった少女が居た。その少女は体が小さいにも関わらず、あり得ない力量を持っていた。
「何者だ?」
「あなたこそその力が反則的だね」
少女はそのまま話を続ける。
「私は神人の中で例外とされている者。
(例外と言うのは強すぎて世に出せないと言うことだろう)
リヘンの考察は正しかった。そしてここから最強同士の戦いが開始される。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます