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すべてのエピソードへの応援コメント

  • コメント失礼します。

    チンギス・カンがホラズム国に向かわせた和平の使者や隊商、そしてオトラルとくれば……(||゚Д゚)ウヒィ
    アリーたちはサイラームで使者の帰りを待つようですが、どうなることやら。巻き添えくったりしないといいなあ……

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     果たして、どうなるでしょうか? 引き続きお読みいただければ、何よりです。

  • 完結おめでとうございます。
    一年越しになってしまいましたが、ここまで読めて感無量です。
    チンギス・カンの逸話はさわりくらいしか知りませんでしたが、少しはモンゴルと中東の歴史に詳しくなれたかも?

    また、次回作の方も読ませていただきますね。
    お疲れ様でした!

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     そのように言っていただいて、とても嬉しいです。書いているときは夢中で書いていましたが、想い返すと、長い旅に出ていたような、そんな感じですね。

  • あれ、背景を調べずに読んでるので改竄がどっちなのか分からなくて。
    歴史書ではオゴデイ任命が正しいとして、本当はトゥルイだったのを改竄したとしたら、割とあるかもなあと思ってしまいます。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     書の名前がいろいろ出て来て、分かりにくかったと想います。

     改竄が疑われるのはラシードですね。『親征録』(漢籍)と『ジュワイニー』(ペルシア語史料)という全く別個に書かれた2書がともに、「ウルゲンチ攻めと同時期、トゥルイはホラーサーン(アム・ダリヤ南岸の地)に遠征しておった」と伝えていますから。


  • 編集済

    へぇ~、大人しい三男が次期皇帝とか夢がありますね。
    でも、そういうのもあって割と早く崩壊しちゃったのかな?
    とはいえ、孫のフビライまでは全盛期だし、フビライもオゴデイの子どもなんですかね。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     オゴデイの即位の内部事情は、次話に書いていたりします。チンギス亡きあとは、実質的に(正妻の子の)4家による連合政権となります。つまり、相談して物事を決める政権になったのです。なので、同じカンといっても、オゴデイの権威も権力も、チンギスには遠く及ばないですね。

     オゴデイについて特筆すべきは、その寛容さですね。次帝に選ばれた一因もそこにあったのだと想います。チャアダイだと、下手に恨みを買うと、殺されそうですからね。

     フビライはトゥルイの子ですね。このあと、トゥルイ家による政権簒奪があるのです。

  • イイハナシダナーと思ってからのこのギャップ

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     歴史悲劇たらんとした本作もいよいよ終盤です。その1エピソードとして、本話も印象深いものになればと、願うところであったりします。

  •  こんばんは、完結おめでとう御座います。
     お疲れ様でした。
     チンギス・ハンが亡くなった後も、その血が、意志が、歴史を紡ぐ。
     雄大さに圧倒されました。面白かったです。

    作者からの返信

     最後まで読んでいただいて、とても嬉しいです。また、本作の執筆には多大な労力と熱意をもって臨みましたので、そのように言っていただき、感無量です。

  •  こんばんは、御作を読みました。
     こう、連携がバラバラになっていくと、やはりチンギス・ハンは偉大だったのだと再認識しますね。
     どんなに強くても兄弟の思惑がこうもズレていると厳しいか。面白かったです。

    作者からの返信

      コメントありがとうございます。
     
     まだ少しばかり先――チンギスの孫の代――とはいえ、モンゴル帝国はまとまりを保てず、分裂して行きます。そうした史実も踏まえてお読みくだされば、本作の成り行きもより楽しめるのでは? と想います。

  • 最初はホラズムが出てくるので、ジャラール・ウッディーン出るかなぁと思って読み始めたのですが、色々勉強になりました。

    陳舜臣先生がモンゴルが華北を制して更に華南まで制覇した理由として、先にイスラム文化に触れて中国文化への憧憬が薄れたというようなことを言っていましたが、投石機を持ちだしたり、うまいこと両文明と付き合えたところがあるのかもしれませんね。

    こちらのネタ的話で、モンケが頑張れば的なものを書きましたが、オゴデイも長生きすればどうなったのだろうというのがありますし、モンゴルにはロマンがありますね。

    作者からの返信

     最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。なかなか、ここまでたどり着ける人はおりません。


     オゴデイが死ななければ、バトゥ率いる(第2次)征西軍が引き返すことはなく、ヨーロッパを征服していたでしょうね。このときのモンゴル軍を阻めるのは、自然環境しかなく――もちろん、その地に相応の軍事力を有する政権があるとの前提でですが。海で隔てられる日本、砂漠と暑熱のマムルーク、川と暑熱のベトナムが撃退してますね。馬は暑さが苦手ですしね。

     私がこの小説を書いた動機の1つに、なぜ、これほどの大帝国を築けたのだろうという疑問がありました。その理由の大きなものとして、この征西が挙げられると想います。恐らく、オトラルでの虐殺事件がなければ、チンギスのホラズム親征はなされず、金国、南宋へと攻め込んだと想います。騎馬にとって障害となる稲田と川が多い南宋には、チンギスといえど手こずるのは間違いなく、そうなると、西の方への展開はどうであったろうかとは想います。

     少し謎として残ったのは、モンゴル勢は分裂するといえど、チンギスの後もずっと強いのですね。アレキサンダーやティムールなど、いくら、初代が優れた軍事的英雄であったとしても、その後は拡大していかない。遊牧勢が支配する草原世界に限れば、チンギスの子孫は支配者側に留まり続けます。女系ではありますが、清朝やムガール帝国でさえも、その皇帝たちはチンギスの血筋となってしまいます。

  • ラシード・ウッディーンが改ざんしたかもしれないわけですか……。

    考えたことがなかったのですが、ガザン・カンとオルジェイトゥの時代は、カイドゥとその息子が暴れていたので、その関係で「オゴデイ家なんかたいしたことねーよ」という風潮があったのかな、と思いました。
    特に根拠はないですが(汗

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     そうしたこともあったかもしれませんね。このときのイル・カン国はまさに周りのモンゴル勢は敵ばかり。味方は元朝のみ――でも敵に隔てられ、国境は接していないから、頼りにならないという感じですからね。

     個人的には、これは政権の正統性の問題と想います。オゴデイ家からトゥルイ家が簒奪したという批判――もちろん、面と向かって言う人間はいないでしょうが――それが、あったのではないでしょうか?

     元朝秘史にも、金国遠征の帰途、オゴデイの受けた祟りをトゥルイが肩代わりして死ぬという記事がありますしね。祟りなんで、当然、本当の記事ではない――もちろん、このとき死んだのは事実としても。なら、なぜ、この記事が入ったのかというと、オゴデイ家はトゥルイ家に借りがある。ゆえに、政権を奪ったとしても、その借りを返してもらっただけである、ということですね。この秘史はオゴデイ・カンまでしか記されていませんが、モンケ、クビライの意向を受けて、後に改ざんされたということは、十分にありえることです。

  • 車輪の話を見て、玄宗・李隆基がクーデターを起こした際に「馬鞭より大きい者は殺せ」と指示した話があったことを思い出しました。
    唐の李一族は鮮卑由来という説がありますが、共々遊牧民ならではの発想ということでしょうか。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     そうですね。モンゴルに近しいものを感じますね。それと、大の大人が幼子を殺しては覚えも聞こえも悪かろうという、これは現代の我々にも通じるものですね。ただ、今のハマスとイスラエルの戦争を見ると、現代の我々の方が残酷かも、という気もしなくはないですがね。

     日本でも頼朝や義経が助命されたのは、やはり年齢ゆえというのが大きいと想います。頼朝を幼子と呼ぶのは、かなり微妙ですが。正直、ギリギリアウトでもおかしくない。

     ここら辺はまさに歴史の綾と言いますか、チンギスも頼朝も幸いに生き延びた。そして歴史を変えてしまったと。


  • 編集済

     こんばんは、御作を読みました。
     チンギスハンの遠征と、ティムール・マリクの奮闘、ここまで詳しく描くのはたいへんだったと思います。
     素晴らしい物語をありがとうございました。番外編も楽しみにしています。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     そのように言っていただけて、とても嬉しいです。また、ここまで読んでいただきありがとうございました。

     調べることは好きなので、苦にはならないのですが。どうも、そっちの沼にはまり過ぎ、お話造りの方がなおざりになりがちなのが、私の悪い癖ですね。

     ただ、歴史小説の場合、虚を混ぜ込むにしても限界があり、基本的なところは余り変えられない。こうなったら、盛り上がるんだけどな、などと想いつつも、史実に従う。例えば、戦の勝ち敗けとか。そこが難しいところだな、とつくづく想いました。

  • こんばんは。
    実はジャラール・ウッディーンの方に興味があって、読み始めたのですけれど、庶長子で皇太子ではなかったんですね。
    ここまでコテンパンにされた後に、「誰がモンゴル相手に戦えるか」ってなるとジャラールしか出てこないというのはあるかもしれませんね。

    ムハンマドの方は、元々結末を知っていて何だかなぁ感が否めず、ここでの最期を見ても同じではありますが、元々遊牧民系ですし潔く責任をとるよりは醜くても最後まで望みを捨てない姿勢でいたということでしょうか。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。
     
     そうですか。ジャラールに興味がおありですか? 一応、インダス戦まで第1稿はあるのですが、勝ち負けがくつがえる訳でもなく、また、どれくらいの人がそこまで興味を持って読むだろうかと想い、構成を変えました。そのジャラール戦との間をつなぐ、ウルゲンチ戦をこの後、番外編として連載しましたが、それを最後まで読んだ人は少なかったですしね。残念なことですが、紙の本でもネット小説でも世界史は人気無いですね。前者で本を出せるのは、自分の名前で売ることができる大御所に限られますし、後者は三国志が唯一例外という感じでしょうか? それでも、戦国ものに比べれば、読者は少ないようですしね。

     逃げ回ったのは、スルターン・ムハンマドの人となり――その個人の資質ゆえという点もあるとは想いますが――やはり、このときのモンゴル軍が2つの点で規格外であったことが大きいと想います。1つは、その軍勢の多さで、厳密なところは分からないのですが――唯一ジューズジャーニーが60万と伝えますが、無論、これは信じられない――少なく見積もっても10万以上、下手をすると20万を超える。これは騎馬軍として、とても多い数です。これ以前、ホラズムはカラ・キタイに臣従していましたが、(ちょっと、うろ憶えではありますが)、その遠征軍は多くて2~3万だったと記憶しています。
     もう1つは投石器をたずさえたことですね。その兵器も、これを造れる人たちも、西夏や金国との戦争で得たものです。通常、遊牧勢というのは投石器を持っていないのですよ。ティムールの子孫でムガール帝国の創始者であるバーブルはサマルカンドを攻めたりしますが、投石器をたずさえていません。また、(こちらは、史料を当たった訳では無いので、たしかなことは言えないのですが、)オイラトが明の首都を攻囲したとき、攻め落とせなかったのは、これをたずさえていなかったからだと考えています。


  • 編集済

    少し遅くなりましたが、最後まで楽しませて頂きました。自分の作品の十字軍やイスラム帝国との関連が良くわかりました。なんとか歴史小説を盛り上げたいですね!

    作者からの返信

      最後まで読んでいただいてありがとうございます。また、そのように言っていただけて、とても嬉しいです。

     歴史小説のみならず、出版不況なのは、今の人たちの想いを、小説がうまく汲み取れていないからなのかな?とも想います。同じ書き手として、ここら辺は悪戦苦闘せざるを得ないところですね。

     ジャンヌさんの話も、従来の歴史転生ものから、更に1歩踏み出したところを感じてます。そうした試みに頼もしさを感じるとともに、純粋に読み手としても、どうなるかワクワクです!

  • ソグディアナとマーワラー・アンナフルの知名度合戦(知られなさ合戦?)は究極の選択って感があります(笑

    個人的にはティムールや、グレートゲーム関係でマーワラー・アンナフルの方が知られていそうなイメージがあったのですが、中国史にくっついた西域運営などの頃はソグディアナですから、トータル的には後者になるのでしょうかね。

    作者からの返信

      コメントありがとうございます。

     玄奘さんがインドに行ったときは、途中のサマルカンドでソグドの王に会ったりしています。このときは、突厥・ソグド連合という感じですね。なので、ソグディアナです。

     後に、イスラーム(アラブ)勢力が拡大して、まさに、アム河をはさんで、ソグド勢と対峙しました。そのソグド勢の地を、マーワラー・アンナフル(河向こうの地)と呼んだのですね。

     最終的に、突厥・ソグド連合(のちには唐・突厥・ソグド連合)は敗れ、この地はイスラーム化されました。これ以降、ティムール朝も含めた人々はムスリムとなりますから、彼らは多くマーワラー・アンナフルの語を使いますね。

     どちらで呼んでも良いのでしょうが。日本から見ると逆向きですし、マーワラー・アンナフルが『河向こうの地』を意味することを知っている人は1万人に1人くらいじゃないかという気がします(笑)。

  • 完結、お疲れ様でした。
    結構な遅読で追ってまいりましたが、最後まで大変面白く読ませて頂きました…!

    ウルゲンチ戦も、チンギスの息子たちの性格の違い…兄弟が衝突し、様々な事件に発展する様子…それぞれの人間みや歴史の流れを感じられて面白かったです!
    物語はここで完結ですが、歴史はこの後も続くと思うと、彼らの今後の物語も追ってみたいなという気持ちになってしまいます…!

    また鯨先生の歴史ものなど、拝読させて頂きたいと思います!
    史料や参考文献を読み込みながらの超大作の執筆、本当にお疲れ様でした!

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     そのように言っていただいて、とても嬉しいです。また、なかなか番外編の最後まで読んでくださる方はおらず、ここまでたどり着いていただいて、本当に嬉しいです。

     歴史ものも、史実に沿った戦記についていえば、本作でやりたいことはやりつくせたかなと想えます。読者を最後まで引っ張れる仕掛けなりネタなりが想いつけば、また、チャレンジしたいと想います。

     本作を気に入っていただき、本当にありがとうございました。


     

    編集済
  •  こんばんは、御作を読みました。
     いよいよホラズムとの決戦、ワクワクして胸が高鳴りますね。楽しみにしています。面白かったです。

    作者からの返信

      コメントありがとうございます。

     ワクワクしていただいて、嬉しいです。話のタイトルに『短かったね』などと付けていますが、恐らく、ここに至るまでに10万字以上。明らかに長すぎますね。

  •  こんばんは、御作を読みました。
     チンギス・カンにここまで言われたら、そりゃ心服しますよね。
     自らの過去を明かしつつ心をほどくシーン、器の大きさを感じました。面白かったです。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     チンギスは幼少の頃、苦労しているという点では、家康と似ているかなと想います。長寿という点でも。家康も健康にずいぶん気を使ったようですが、チンギスも長寿を望んだようです。その場面そのものは、本編に描かなかったのですが、呼び寄せた道教の師たる長春真人に、その法を尋ねたりなどしています。

  • 第20話 3の矢2への応援コメント

    それでも黒トクなら…黒トクならきっと何とかしてくれる…

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     少し創作上の裏話をすると、本作は歴史ものということもあり、あまりに超人的な活躍をする人物は非現実的として、出さないようにしてました。そして、この黒トクは、その際というか、そこの限界ギリギリを攻めているキャラだったりします。実際のところ、これは微妙なラインだとは想います。行き過ぎればリアリティを失うし、そうでなければ、キャラが魅力あるものにならない。

     なので、黒トクに期待していただけるのは嬉しかったりします。

  • 殺されるかもしれない使者ってイヤですよね。それも前任者が殺されていたらなおさらかと。友好の使者になりたいものです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    私もそう想います。それを願い出る人間って、どんな心理なんだろうと考えて、このダーニシュマンドのキャラとなりました。

  • 死の行進と聞いてなぜか、「バターン死の行進」を思い出してしまいました。中身は全然違うのですが。恐ろしい響きがありますね。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    ブハーラー~サマルカンド間は往時8日ほどかかったと伝えられています。これは馬、もしくはラクダの話です。歩いて移動する距離では無いですね。なので、おのずと本話の如くとなります。

  • 耶律阿海という方は知りませんでした。耶律楚材をチンギスカンに推挙したそうですね。なかなかの軍師だと思います!

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     阿海に興味を抱いていただいて嬉しいです。日本では、楚材の方が有名ですが。軍勢を率いておったということもあり、往時、チンギスのおぼえが良かったのは、明らかに阿海の方です。実のところを言えば、楚材はチンギスに近侍できたかも怪しいところではあります。漢籍ではその活躍振りが伝えられるも、イル・カン朝の歴史家のラシードなどは楚材の名を伝えておらず、漢籍が伝えるところは誇張があるのでは?と疑われております。

     ところで、(耶律氏の率いる)キタイは遊牧勢の政権としては、時代的にはモンゴルより古いですが、定住民(農耕民)の取り扱いでは、モンゴルより積極的であったりします。恐らくそれは唐朝の影響と想われます。唐朝自体が純粋な漢民族の王朝というより、半ばではあるも、鮮卑系の王朝であるという捉え直しの中で、キタイとは何か?モンゴルとは何か?を考えることは、とても面白いです。そこらへんをうまく小説に活かせればいいのですが、なかなか難しかったりしますが。

  • 歴史大好きの私にとっては、とても
    興味惹かれる小説です。
    しかも中央アジアの多民族が群雄割拠する中世
    世界は謎に満ちた魅惑のテーマですね。
    フォローさせて頂きます。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     内容がお気に召しましたら、読み進めていただけたら、と想います。

  •  拙作に、素晴らしいレビューを頂いてありがとうございます。この場を借りてお礼申し上げます!
     旅の距離や旅費のことまで触れて頂いて、細かいところまで読んで頂けているのだなあ、と感激しました。今後ともよろしくお願いいたします。ひとしずくの鯨さんの作品も引き続き拝読させて頂きます!

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     レビューの件、気に入っていただけたようで何よりです。

     そして、私の方こそ、素晴らしいレビューをいただき、とても嬉しいです。身にあまる誉め言葉をいただき、恐縮しております。

     また、私の方も、引き続き、おあしす様の作品を読ませていただきます。

  •  おおーっ、モンゴルが舞台ですか>▽<
     どのような物語が繰り広げられるのか楽しみです!

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     こちらの方まで、お読みいただき嬉しいです。もし、お好みに合うようならば、読み進んでいただけたら、と想います。


  • 編集済

    現代の市街戦もそうですが、歩兵同士の近接戦闘は凄惨な戦いになりますね。見えない敵から攻撃はとっても怖いと思います。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     特にムスリムの町の造りは、迷路のごとくとなっていますので、そうなりますね。

  • コーエーの「チンギスハーン・蒼き狼と白き牝鹿」というシミュレーションゲームをやってた時期があるのですが、西洋史好きのためチンギス・ハンを選択せずに、リチャード1世でプレイしてました。いつも早々にホラズムが滅亡してましたので、まさかホラズムを攻めるまでにここまでのドラマがあるとは思ってませんでした。
    スゴい情報量ですね! またそれを物語に出来るところが素晴らしいです!

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     褒めていただき、嬉しいです。
     私は、「三國志」で遊んでいました。

     この開戦ですが、実はあまり理由がよく分からず、様々に論じられています。両国とも、この時点ではあえて戦争をする理由がない。ただ、この勃興間近の早い時点で、大きく西方、しかも今のイランの地まで及んだのは、後の大帝国の成立につながったのかな、とは想います。突厥、そしてそれを引き継いだ唐が及んだのは、サマルカンドやガズナあたりまでですので。これでも、領域としては、かなり広大ですが。ちなみに、玄奘さんは、この突厥支配下の地を通って、インドまで旅してます。

     引き続きお読みいただけたら、と想います。
     

  • テルケンの弟、フマルさんが新スルターンになり、さらには和平を申し出てきたことにも驚きましたが、
    その後の二人の会話がとても緊張感があり引き込まれました。ああ、ジョチが強く望む和平は難しいのか、そしてこの先は戦いになるのかと…
    そして兄弟の不仲や一つのきっかけで都市の運命が変わってしまうのかと思うと、なんだかやるせない気持ちになりますね…。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     ジョチは4兄弟の中で、早くから西方遠征を託されていました。なので、自らの支配地の中心たる都として、ウルゲンチを考えていても不思議ではないです。地理的にみれば、ウルゲンチはクビライが都とした大都(現在の北京、金朝の中都、遼朝の南京)に近いです。農耕地ではあるものの、遊牧地は近く、また交通の要衝にあり、前政権の首都でもある。

     実際には、キプチャク汗国(ジョチ・ウルス)の首都は、ヴォルガ川流域のサライでした。これは、(ジョチの次子)バトゥの西征を経ることにより、その支配地がより西方に拡大したゆえでしょうね。ほぼ支配地の真ん中に当たります。

     対して、その南に展開することになったイル・カン国(トゥルイの4南フレグの建国)の首都は、タブリーズやマラーゲとその支配地から見ると、北西に偏っています。これは、キプチャク汗国の侵攻を警戒したゆえと言われています。往時、最大の軍隊は、その国の支配者のおひざ元におりますので。現代と異なり、国境地帯に大部隊を置くというのは、反乱や寝返りの恐れがあり、なかなか難しかったりします。

  • 第4話 兄弟ゲンカ 1への応援コメント

    なるほど、チャアダイがジョチを毛嫌いするのには理由があったのですね。
    ジョチは自分の子だ、と断言し他の息子と同じように接するチンギスの姿勢は寛大で、奥さんや子供に対する思いやりを感じられ、素晴らしいなと感じました。
    チャアダイもボルテは実の母親なのだし、父親を見習って…と言いたいところなのですが^^;

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     ここのチンギスの決断は、ボルテを慮ってでしょうね。また、メルキトに奪われたのも、己の力不足という認識がチンギスにあったのではないでしょうか。 そして、このジョチの系譜は、後のジョチ・ウルス(キプチャク・カン国)として、ユーラシア草原の西にて勢威を誇りますので、この決断の後世への影響は大きいですね。いわゆる『タタールのくびき』とは、ロシア人から見た、このジョチ・ウルスの支配を称したものです。
     
     オゴデイは寛容であり、チャアダイは非寛容であったと、特にイスラーム史料は伝えますね。中央アジアの1部は、後にこのチャアダイ(いわゆるチャガタイ・カン国)の支配下に入りますので。

  • ああ。やはり一気読みしにきたいです。カクコンが落ち着いたらまたじっくり拝読しにきます。



    お詫びに伺いました。
    拙作が九話から十三話までが2023年1月19日から新規にする状態になってしまっていまいました。
    たくさんの応援のコメントでずっと勇気づけてもらっていました、たくさんの♡の足跡をいただいていたのに。
    すぐ応援コメントの復旧をお願いしたのですがそれはできなくて、自分が情けないです。
    現在新規にせざるを得なかったページで真っ白から公開をやり直しています。

    ひとしずくの鯨さまにもいただいていました。
    大事な宝物のコメントをかいてくださる大切な時間をも失ってしまいまったことを
    どうお詫びすればいいのか。情けなくて申し訳なくて今になってしまいました。
    ※近況ノートでカクヨムすべての方にこれを公開するかも、悩んでいるところです。

    いただいたあたたかさ、勇気をもらえるた楽しさ、大事にします。
    失ってしまってごめんなさい。

    どうかまた拝読に伺わせてください。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    お時間ある時に、読んでくだされば、と想います。ゆうつむぎ様には、既に素敵なレビューをいただいてますし。

    コメントの方も、余り気にされることでもないかと。私もそんなに長くカクヨムさんにいる訳ではありませんが、自主的な退会や運営さんからバンされたり、あるいは、書かれた本人が公募に出すなどで非公開とするなどで、結構な頻度でレビューやコメントが消えるのには、遭遇しますので。

  • 拝読致しました。
    冒頭と最後を締める長男ジョチと、クナン翁。
    彼らが向かうのはヴォルガ川――ロシアでしょうか?
    ユーラシアを東から西に渡り、ジョチは更にその先を征く。
    最後の一文を読んで、寒々とした広大な草原を吹き抜ける草くさい風を感じるかのようです。
    物語は、行軍の様子を連続的に描き出すのではなく、要所要所を活写するような、点と点、情景と情景をつなぐような形で綴られていて、それでいて繋がりを感じさせる、なんとも味わいのある構成を感じました。
    最後の、オゴデイ、チャアダイ、そしてジョチと続く、兄弟のそれぞれを描いて終わる雰囲気も、それぞれらしい(と感じられる)終わり方であったと思います。

    連綿と続く長編、お疲れ様&完結おめでとうございます。
    また、素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    今回も作者の意図を汲み取っていただき、感謝しております。

    番外編は少し本編と異なるものにしたいとの想いが強く、特に『死地のその先』は、連作ショートショートにチャレンジしてみました。味わっていただけましたなら、何よりです。

    このときヴォルガ川上流におるブルガールは、遊牧勢です。ここから別れて東に行った人達が、今のブルガリア人の祖先だったりします。
    そう、ブルガリアヨーグルトは伊達じゃない、まあ、これは冗談としても。

    ルーシ(ロシア)勢はまだヴォルガには至ってないですね。その一つ、キエフ・ルーシ(今のウクライナの祖になるのかな?)とキプチャク連合を、ジェべとスブエテイの隊が長駆して討つのですが、通説では、この2将がその帰途にブルガールも討つとされています。ただ、それだと随分、北に迂回することになる。ブルガール征討を伝えるイブンアシールは、モンゴル側の将を明記していません。ジョチの隊がそれをなしたと考えるのが自然じゃないのということで、本話の如くとなりました。

    こののち、ヴォルガ川領域には、首都サライがその沿岸に建設されるなど、ジョチ・ウルス(キプチャク汗国)にとって重要な地となります。単に地の利からそうなったとも考えられますが、その祖たるジョチが征討したとの縁あってというのもありえるのかな、とも想います。

    こちらこそ、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。まさに感謝であります。



  • 完結、お疲れさまでした。
    そして、ひいい(笑)、ついにブルガールに^^;
    蒼き狼の子孫たちの覇道が、世界帝国への道が……。
    孟珙やバイバルスがいないと止められないくらいの勢いで^^;

    あ、個人的にはチャガンを出してくれてうれしかったです。
    チャガンを出した作者って、私ぐらいしかいなかったし(笑)

    それでは、改めまして、この悠久にして激越たる物語、面白かったです。
    お疲れさまでした!

     ではではノシ

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    褒めていただき嬉しいです。チャガンについていえば、番外編は本編より、キャラを立てたいとの想いがあり、アルプの方を鬼の如くとしたのもあって、美少年キャラとなりました。

    イエスンゲとともに、モンゴル側の将として、番外編のクライマックスを支えてくれました。

    最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

    編集済
  • 拝読致しました。
    これからチャアダイに降りかかる言葉。
    なんとなく想像はできますが……
    御曹司、チャアダイの、身を弁えぬ行動の結果。
    チンギスの我が子を想う心が沁みてきますね。
    ところでジョチさんはどちらへ行かれたのでしたっけ?
    記載を見逃しておりましたらすみませんが、気になりまして。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     次話が最終話で、そこにジョチが出て来ます。本作、ジョチで始まりましたので、やはり、終わりも、という訳です。お楽しみに。

  • 拝読致しました。
    まさかの!?ジョチさん死亡して後継者レース脱落??
    何があった、ジョチさん?
    そして選ばれるオゴデイさん。
    確かに、玄孫の代になってなお改竄を疑われる資料は不審ですね。つまりその世代にまで確執が残ったということか。
    チャアダイがオゴデイを素直に推すのも違和感ありますし……
    ミステリーですね(?_?)

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     オゴデイの2代皇帝即位は、少しばかり先のことですね。ジョチが早死にというより、チンギスが長生きということかもしれません。オゴデイは4兄弟の中で1番長生きなのですが、それでも即位後10年ほどで亡くなります。

     チンギスの死去の場面、短編ぐらいでまとめられればいいかなとも想いますが、面白いものができるかどうか? 一応、トルン・チェルビは、その際、近侍しており、征西での話はその前振りになるかな、というところもなくはないのですが。

     とりあえず、今話は、モンゴル史――つまり第2代皇帝選出において、ウルゲンチ戦が果たした役割を理解してもらえればいいかな、という感じです。モンゴルといえば軍事という感じですが、こうした政争の部分も少なからずあり、ただ、どうにも、ここら辺が外から見る限り、分かりにくいなとの印象が強かったりします。

    編集済
  • 拝読致しました。
    あたら戦場に散る命もあれば、拾われる命もある。
    こと戦場の出来事なので良かったとも言いづらいですが、それでも命を繋げたのは良かったですね。
    クドク⇒功徳、なんですかね。仏教がシルクロードを渡る際に定着したのかな、とか考えてしまいます。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     個人的に、このモンゴルの法には着目しており、本話でクローズアップしました。子供というのは最も弱い立場であり、戦乱が吹き荒れた場合は、更に厳しくなります。そのような者たちを守る法が存在したというのは、人間社会の知恵というものを想わせます。他方で戦争をするのも人間な訳ですので、これを以て、人を慈悲深き存在とはできないのですが。

  • 拝読致しました。
    クトルグ・カンも、護るべきものに殉じたわけですね。
    ひとしずくの鯨様の文章は、他の物語よりも、こういった場面で余韻を感じます。(^^)
    今年も素晴らしい作品をありがとうございました!来年も期待しています。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     私も余韻にひたるのが好きなので、そう言ってもらえると、とても嬉しいです。
     私の方こそ、たけざぶろう様の作品を堪能させていただきました。来年はウサギ年ですね。良いお年をお迎えください。

  • 拝読致しました。
    黒トクとオグルの因縁、ようやく叶いましたか。
    いや、今回の結末は、絶対にイェスンゲが納得していないから、逆に追われる立場になるのか?
    ただ、あくまで勝負にこだわるイェスンゲと、生き残るに価値を見出だせたオグルでは、既に見ている世界が違うようですが。
    曙光で指を暖めたり、負けず嫌いのイェスンゲが泣き喚いたり、いつもながら細かい描写が良かったです。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     ついに最新話に追いつかれましたね。そして、褒めていただき嬉しいです。
     オグル、シャイフ、黒トクの3人が出るのは、これが最後となります。後は3人の王子の顛末を書いて終わりなので、もうちょびっとで完です。

     この場面は難産でした。最初は何となくトガンと黒トクを戦わそうと想っていたのですが、どう転がしても、トガンが死んでしまう。オトラル戦から10年後とかだと、トガンが勝つという展開にしても、読者も納得してくれるかもしれないけれど、そんな短時間には人は成長できない。それで、トガンをまず逃がしてということになりました。トガンは若く、またオトラルの他の2将、ソクメズとブーザールは死んでいるので、殺したくなかったのです。

     それで、実は、最初オグルはここで死ぬ展開だったんですけど、本話の如くに落ち着きました。一応、この3人は史料上は生き残っているんで、史料とも合致して良かった良かったという感じです。

     追記 あと、クトルグさんとトルンさんの話もありました。いけませんね。作者が忘れてしまっては。

    編集済

  • 編集済

    拝読致しました。
    追い詰められているホラズム、そしてジャラール・ウッディーン。
    それでも折れない心。反抗心、というか敵対心は、平時は厄介でもて余しますが、こういう時に心を支えてくれる、扱いに困ってしまう心の動きですね。
    その骨ばった腕と、折れない心のギャップが、その強き心を感じさせます。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     そうした心こそ、歴史においては大きな働きをするのかなとも想います。いつも、丁寧に読み取っていただいて嬉しいです。

     実は、ここのところは少し引きの場面を作りたく――そうでないと、ちょっと強い場面が続くので――オグルやシャイフのエピソードを当てるもありだったんですが、思いつかず。そこで、皆さん、ジャラールがどうなったか気になっているんじゃないかとも想い、ここの数話に当てたのでした。

     また少し史料上の話をすると、これ以降、ティムール・マリクがジャラールの下で活躍したことを伝えるものは皆無であり、本話で述べた如くアミーンが筆頭の臣となります。そこら辺を2人のやり取りでほのめかす感じにしたりしています。ただ、史料のことはほとんどの人は知らないだろうから、作者の1人遊びに近いですが。


  • 編集済

    拝読致しました。
    前話からの不穏なチャアダイの行動、やはりこうなりましたか。
    過ちを認めたくないという思いが、乱心とさえ呼べる行動を呼ぶ。
    チャアダイの的はずれな行動が、いっそ悲しさすらも感じられますね。特に、犠牲になった三千の兵を思えばこそ。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     ホラズム側の罠による3千の犠牲は史料の伝えるところです。これを、チャアダイの罪科としたのは、私の創作ですが、当たらずも遠からずかなとも想います。戦場にては、指揮官のミスが多大な犠牲につながるというのは、実際、よくあることとも想いますので。

    編集済
  • 第34話 死地9への応援コメント

    拝読致しました。
    兵は死ぬもの。でも、それは納得できるもの、とは言えず、己の胸のうちに苦しむ下士官の様が浮き彫りにされていますね。
    一段高いところからあれこれと己の思惑に囚われる高級士官との温度差を感じさせられます。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     丁寧に読み取っていただいて嬉しいです。軍隊というのはこうした矛盾があらわになるところ――チンギスの軍も例外ではないだろう――と想います。今回、トルンに託して描いてみました。

  • 第28話 死地3への応援コメント

    拝読致しました。
    「これまでも水に浸して重量を増し威力を増した桑の幹を弾として用いておったモンゴル軍であるが」
    こういう、何気ない工夫というか、臨場感のある細工の様子がいいですね。
    なるほど、水を浸して重量を増し、攻撃力を上げるのか!と感心しきりです。

    にしてもチャアダイさん……三国志の張飛とかもこんな感じだったのかなぁ……

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     『水に浸す』というのは、史料が伝えるところです。西域では、石の無い地もあるのですね!

     張飛さん。どうなんでしょう。まあ、武勇の人という点で、張飛に軍配が上がるのではないかと想います。

  • 第27話 死地2への応援コメント

    拝読致しました。
    見通しが甘く、忍耐力に欠けるチャアダイさんは、上に戴いてはおけない大将だよなぁ、とつくづく思ってしまいます。(^_^;)
    兄弟それぞれ異なる特徴がありますが、それがどのように活きてくるのか、展開が楽しみです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     チンギスといえど、正妻の子ということで、チャアダイを外すことはできなかったようですね。ここら辺は、チンギスの軍事組織もそこまで革新的ではなかったのでは、とは想います。親族を重用しなかったと言われはしますが、そもそも、その親族のタイチウトに命を狙われているのですからね。
     引き続きお楽しみいただければ、何よりです。


  • 編集済

    使者がこれから派遣されるわけですけど、遊牧民や北の民にとって、外交ってなんなんでしょうね、人はなぜ戦争をし、何がきっかけで元に戻るのでしょう?

    使者の運命が気になります。続きを追います。

    追記:不躾な質問に丁寧なご返答、ありがとうございます。楽しみに読ませていただきます。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     遊牧勢の君主にとって重要なのは、軍事と交易ですね。戦争というのは、勝てば良いですが、負けると痛いですし、勝ち負けにかかわらず戦死者というのは出る訳です。なので、交易や和睦というのは、常に考慮に入れるべき選択肢であったでしょう。

     それで、例えば、同じ遊牧勢でもキタイ(遼)とモンゴルではだいぶ違います。

     宋国を例に出されているのでご存じでしょうが、キタイは、軍事的には明らかに優位な状況でしたが、宋と澶淵の盟を結びます。これは完全に対等な盟約ですが、他方で大量の絹と銀を宋からキタイに毎年贈っています。この時、キタイは実を取り、宋は名を取ったといえます。いわゆる燕・雲16州を持っているので、これ以上の農耕地というのは、キタイには必要なかったのでしょう。臣民の命を犠牲にしてまで、馬も育たぬ地は要らぬという訳です。

     ただ、モンゴル(元)はこれでは満足せず、南宋を滅ぼします。これは、モンゴル内での君主の声望というのが、軍事指揮官としての功績に大きく依存したため、と私は考えます。他方でチンギスは、一時期、積極的に女性王族の政略結婚を軸にした外交を展開しています。オングト、オイラト、ウイグル、カルルクなどはそうやって傘下に引き入れました。なので、モンゴルでさえ、まさに時と場合によりけりとなりますね。

     また、常に遊牧勢が攻め込む方にいる訳でもなく、唐が強勢な時や明代の前半には、中原の王朝が北へ攻め込むこともありました。

     引き続きお楽しみいただければ、と想います。

  • 拝読致しました。
    水責め……モンゴルにとって水は鬼門ですね。
    上同士の反目で攻め手を制限されるモンゴル軍。ストレスがかかっているのはトルンさんだけではないでしょうね。
    騎馬民族たるモンゴルですが、苦しい戦いが続きそうです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    そうですね。常勝モンゴル軍も、さすがに危ういかもしれまえん。いかがなりますやら。お楽しみに?


  • 編集済

    拝読致しました。
    事態はまさに、船頭多くしてなんとやら。この不協和音の様を見ていると、いかな最強の騎馬軍団であれ、先行きが不安になりますね。
    兵の損耗を憂いる自説に固執するあまりに全体の流れを無視するジョチ、そのジョチへの反目と自分への期待で攻めの快楽に身を任せるチァアダイ、身の回りの和を優先して俯瞰的な視点を欠くオゴデイ。
    なんか縮図ですね。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     番外編は仇から離れたく想い、テーマの1つに王子間の争いというのを置いています。ウルゲンチ戦の主導権争いに留まらず、皇位継承の争いでもあります。そして、後世の内訌の歴史をほのめかすような書き方ができればな、と想ったりしています。
     また、書いている方としては、この3人は各々キャラが立っていて、楽しかったりします。この後をお楽しみに!


  • 編集済

    拝読致しました。
    和平を逆手に取る、エグいことを考えているクトルグ・カン。
    実直そうなオグルとはなかなかに対照的ですね。
    これにバランス感覚に優れていそうなシャイフが加わり、どのような攻防戦が展開されるのか、楽しみです(^-^)
    しかし、クトルグ・カン。
    モンゴル相手に危険なことを考える。この戦争の発端は、約定破りではなかったのか……

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     クトルグ・カンですが、劣勢の中であえて主戦派の旗頭となるとなれば、こんな感じかな、という人物造形です。
     オグルとシャイフは主義は異なるも、友誼の間柄にあるというものです。
     この先をお楽しみに。

  • おおっ番外編の方もついに最終章に入ってますね!
    あと少しかぁと思いながらも応援しつつ、番外編も引き続き読ませていただきます。

    それはそうと、ニーシャープールのスルターンの行動はちょっとなぁ…と思ってましたが、やはりアルプ・エル・カンにとっても相当ショックな出来事でしたか。
    彼が今後ウルゲンチで活躍するのか、気になります。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。
     
     マムルーク(奴隷軍人)にとって、その仕える相手は、忠誠を誓うべき主(あるじ)でもあり、また育ててくれ抜擢してくれた恩人でもありますからね。
     マムルークとなるのは必ずしもトルコ系遊牧民とは限りませんが、彼らが好まれたようです。それは、単に幼い頃から馬に乗っているので騎射に優れるというだけでなく、彼らの忠誠の篤さゆえと考えられます。
     恐らく彼らにとって、主人とマムルークという関係は、義父義子関係として受け取られたのではないかと。例えば、チンギスとシギ・クトクやチャガンと近い関係なのではないかと。人材を集める手段が金銭に頼るというのが、西域の特徴ではありますが、人間関係としては同じなのではないかと。
     そう考え、本話の如くの慨嘆をアルプさんに吐露してもらいました。

     引き続きお楽しみいただければと想います。

  • さすが「第五子」、お見事!
    なお実子の方たちは……^^;

    面白かったです。

    ではではノシ

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     チャガンさんを主人公にして書いておられる四谷軒様に気に入られたとなれば。本作の美少年チャガンもまさに無双、と意を強くしました。

  • 第5話 兄弟ゲンカ 2への応援コメント

    拝読致しました。
    兄弟ゲンカと言えば苦笑程度に思えますが、この方達の社会的立場とか影響力を考えると(^_^;)
    でも母親の黒歴史を思い出させるのは大人げないですね、チャアダイさん。
    このわだかまりが戦況に影響しないことを祈ります。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     実は、番外編は、仇から離れ、この兄弟間の桎梏が1つのテーマだったりします。どうなりますことやら。お楽しみに。

     また、素晴らしいレビューをありがとうございました。とても、嬉しいです。いつも、丁寧に読んでくださり、コメントまでいただいています。コメントの方は、今後の創作に活かして行くつもりです。やっぱり、書いている方は、うまく内容が伝わっているのか、不安に想うところもありますので。ありがとうございました。

  • チャガンさん、なんか可哀想(笑)
    真面目に戦おうとしているのに、兄弟喧嘩に巻き込まれそうだし^^;

    面白かったです。

    ではではノシ

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     チャガンさん。どうなるんでしょう。ネタバレになってしまいますので、この後をお楽しみに!としか言えないのが、残念です。

  • 拝読致しました。
    ブジルさん、本懐を遂げることができませんでしたが、代わりに人として大切なものを護ることができたよう思います。
    アリー君も娘さんがいて虚無から立ち直ることを得ていて、本作において何を大切とするのか、表しているように感じました。
    全体を通して、英雄豪傑のみならず、木っ端兵士や市民にまで視野を広げ、様々な人の想いを掬い上げていたことが本作の最大の特徴の気がします。
    利に迷い己を失う商人、信を裏切り神を都合良く解釈して滅び行くスルターン。
    壮大なスケールでユーラシアを覗き見ることができたよう感じます。
    大作、ありがとうございました。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     そこまで読み取っていただけましたなら、書き手としては、感無量です。また、ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。まさに阿呆の如く長い小説となってしまいましたので。

     あえて付言するなら、無名キャラのブジルさんに最後を締めてもらったのは、その方が「仇」というテーマが際立つかなと考えたゆえです。歴史ものというのは、『歴史実録もの(実)』と『作者による創作(虚説)』を交えて描くのですが、ここは大きく虚に寄せて、小説としての終わりを描いたという形になります。

  • こちらこそ、これ程の歴史物の超大作を読めるなんて幸せでした…ありがとうございました!そしてお疲れ様でした!

    「スルターン」で終わるラストに、ああ、ここで完結なんだと…思わず胸が詰まりました。

    とても面白く、また歴史好きとして興味深く拝読させていただきました。
    ウルゲンチ戦の方も楽しみに読ませていただきます!

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。 

     最後の「スルターン」の響きの余韻を感じ取っていただいて嬉しいです。「スルターン・ジャラール」にするか迷いましたが、やはり、タイトルと絡めて、ここは「スルターン」で終わらせるべきと考え、こうなりました。

     また、素晴らしいレビューをいただき、ありがとうございました。作品の理解者とは、望んで得られるものではなく、そうした方との出会いは、書き手にとって最も幸せなことです。レビューを読んだとき、本作を書いて良かったな、報われたなと、大げさではなく、そう想いました。

  • 拝読致しました。
    このような形でスルターンは退場されてしまうのですね。
    死を前にして、母后や后達が捕らえられたことを自分の責任とせずに「我は既に大きな犠牲を払っておる」と考えるこの人は退場して正解だと思いますが、いかな恐怖の為とは言え、死に至る直前の体調でも冬の最中に灯火を用いないようにしたその精神力は、ある意味凄まじいものがありますね。
    前話から今話にかけての死にゆくスルターンとその後について、今わの際の懊悩と、没後のざわめきが聞こえるようで、臨場感があり良かったです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございました。

     繊細に感じ取っていただき、また、お褒めいただき嬉しいです。本編完結まで、残りわずかです。引き続きお楽しみいただければと想います。

  • 拝読致しました。
    逃避に徹するスルターン、モンゴル軍と鬼ごっこを始めてはや1年。
    ずっと逃げ続けるのも相当に消耗するだろうに、ブレないスルターンの精神力はある意味凄い。
    しかし、島になんか逃げたら、逃げ道が……と言う心配はないのでしょうか。
    勧めたと言う現地の有力者は信じられるのか。
    この先の展開が気になります。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     かの地でも、最善の策はテルケンがそうしたようにやはり山城です。イスマイル派が籠もった山城の中には、モンゴル軍が陥落できなかったものもあります。ただ、テルケンの陥落に見られる通り、モンゴル軍はあまり山岳は苦にしなかったようです。確かに、モンゴルは大部分は草原ですが、東に大興安嶺、西にアルタイ、中央にハンガイと大きな山脈があり、こうした地で戦をしたり狩りをしたりという経験があったものと想います。特に大興安嶺の東の女真族の地(金国勃興の地)は山岳が多く、これを征討するにおいて、山岳戦を多く経験したものと想われます。

     なので、島に逃げたのは、追い詰められた状況での、次善の策ということでしょうね。カスピ海は湖といっても、内海といって良い大きさなので、日本でいえば、瀬戸内海の小島に逃げたという感覚かと。

     ただ、モンゴル軍は本当に水が苦手で、例えば高麗は江華島に遷都して、頑強に抵抗し、ために、モンゴル軍はこれの陥落に難渋します。

     といっても、江華島は水上要塞といってよい代物だったようで、スルターンとは違うと言えば違う。ただ、他の選択肢――西は敵のカリフの地なので逃げられない。後は、北西のカフカスの方に陸を逃げるか、ウルゲンチにて戦うか――より、生きられる見込みが高いと考えたのでしょうね。

  • ブジルvsティムール、手に汗握る激闘ですが、ここでもまだ決着はつかず。
    戦闘中に視界を奪われたらビビりますよね。
    目が回復したのは良かったです。
    しかし、再びチャンスは巡り来るのか。ハラハラします。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    仇をテーマとする本編は、無名キャラのブジルさんで締めることになります。うまく書けたのかな? お楽しみに!

  • 僕は歴史としては、あまり知らなかったのですが、壮大すぎる世界観や一つ一つの名前など遊牧民の価値観に触れられてとても新鮮で面白かったです(^^)

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     そう言っていただけて、とても嬉しいです。そして、この長すぎる小説をここまで読んでいただいたことには、感謝しかありません。ありがとうございました。

  • 拝読致しました。
    戦場の中、人であろうとするからこそ自らの命を危険に晒すという矛盾。戦場の無情というか、人でなしの世界というか。
    ていうか、戦場に子供連れてくんな、て感じではありますが。仕方がなかったのかなぁ。
    俄然、ブジルさんには頑張ってもらいたくなりました!

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     ここは、居城からの逃走なので、妻子を連れているのは致し方なしですね。陸はモンゴル軍に抑えられてますし、川の上(船の中)が1番安全となります。

     スルターンも途中まで妻子を連れて逃げてますし、ジャラールもインダスでの決戦に、妻子を連れています。日本の戦国武将もそうですが、歴史時代は、手元に置いておくのが1番安全と考えたのでしょうね。妻子をどうやって守るかというのは、往時、最も難しい問題の1つであったのかもしれません。本作では、あまりそこに焦点を当てませんでしたが。

     ブジルさん。この後も活躍します。ご期待ください。

  • 拝読致しました。
    女帝が敗北を受け入れた瞬間。
    長い間の籠城に心を折られたと言うより冷徹に事実を見極めて、頼りにならぬ親族、特に息子を諦め、城を開ける瞬間。
    残念と確定した運命を静かに受け入れている様子が感じられるようで、とても良かったです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     お褒めいただき、嬉しいです。

     まさに、この歴史時代、トルコ・モンゴル系はユーラシアを席巻します。もっぱら、その理由として、騎馬軍の強さが強調されるのですが、私としては、トルコ・モンゴル系での女性の政治権力の強さというのも、考慮に入れるべきと考えます。テルケンを描く際、そんなことを考えていました。

  • あのずる賢くしぶとかったスルターンがこんな形で退場してしまうとは。
    もしや神に見離されたのか…と本人が思ってしまうのも頷けるような感じがします。

    憎き敵ながら、スルターンがいなくなってしまったのはどこか寂しい感じがしますね…。物語の終わりが近いからでしょうか。
    本編は残り少しになってしまいましたが、どのような結末になるのか、最後まで見届けたいと思います。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     確かに、私自身も、スルターンの人生って、本人にとって、どんなんだったんだろうと想ってしまいますね。自業自得の観が強いですが。ただ、騎馬で至れぬカスピ海の島に逃げたということは、まだ、あきらめてはいなかったのだと想います。

     他方で、スルターンが落ち武者狩りや裏切りに会っていないということは、ホラズム敗勢の噂が広まる前に、この追いかけっこがなされているともいえ、モンゴル軍の追討の激しさを印象づけますね。

  • 拝読致しました。
    スルターン、めっちゃ逃げ腰ですね((( ;゚Д゚)))
    なのに他人の策略への嗅覚は極上とか、臆病で繊細で頭の巡る保身主義者、あまり上司にはしたくないタイプに思えます(>.<)
    さて、このスルターンの部下達の運命やいかに……

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    このスルターン。それほどキャラ作りした訳ではありませんが。かなり際立つお人になっています。

  • 拝読致しました。
    慎重なのか、臆病なのか。
    広大な国土を利用して壮大な鬼ごっこをしているようにも思えてきます。
    しかも住民に逃散を勧めるとか。
    追うモンゴル、逃げるスルターン、さてこの捕物の結果は……?

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     ある意味、一徹ですね。サマルカンド→バルフ→ニーシャプールは主要街道沿いの大都市なので、ここまでは追って来ても、この先には来るまいと想ったのではないでしょうか。はてさて、どうなることやら。引き続き、お楽しみいただければと想います。

  • 拝読致しました。
    すみません、「水盤棒持者」とはどのようの役職なのでしょうか?
    奴隷から成り上がるなんで、初代さんすごいですね。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     水盤棒持者(tasht-dar)とは、主君が食事の前後に手洗いをなす際に、水差しと(水を受ける)水盤(=たらい)を差し出す召使いのことです。ところで、この者(もしくは用具)の費用をホラズム地方が負担するとされています。よって、ここで2通りの解釈があります。一つはこれの監督官ではないかと、もう一つは、近侍を許す名目的な職名ではないかと。私は後者ではないかと想います。というのも、この費用元という縁で、この後、この者はホラズム・シャフナとの称号を得ますが、これもまた名目的なものであったとされますので(実質的なホラズム地方の統治を委ねられた訳ではない。日本の〇〇守みたいなものですね)。

     奴隷についてですが、西域では、あくまで主人との関係(金で買われ、隷属している)でして、(インドのカーストやアメリカの奴隷のような)身分という訳ではないです。子供時分に購入し、手塩にかけて育て上げます。

     そして主要な人材調達ルートでもあったりするので、結構、奴隷で成り上がった人が多かったりします。ガズナ朝とか(エジプトの)マムルーク朝などは、奴隷軍人の開いた王朝です。それでも、すごいのはすごいですね。誰でもなし得る訳ではないので。

  • 拝読致しました。
    当初よりスルターンを通して登場していたテルケン・カトンさん、遂にスポットが当たりましたね。
    途中で少し登場されましたが、どんな方かと、実は待っていました。
    スルターンとの間柄が、愛情だけでも嫌悪でもないと分かり、より興味が湧きます。
    二人の関係がどのように綾なすのかが楽しみです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     果たして、ご期待に添えますでしょうか。

     モンゴル史料たる秘史でも、チンギスを叱ることができるのは、母のホエルンのみです。

     『母は強し』という言葉があります。日本だと、何となく忍耐強いというニュアンスですが。大陸の方では、権勢が強い。武則天や西太后というのは、悪く言われますが、もともと彼女らがああなりえるほどに、そもそもの権勢が強いともいえます。引き続き、お楽しみいただければ、と想います。

  • 第80話 生存者 終話への応援コメント

    拝読いたしました。
    人同士が殺し合う戦争の中での命の誕生、とても尊いですね。
    自責の想いに苛まれていたアリー君が、これからは命を背負う立場になり自覚を持って幸せを求められるようになれば、と応援したくなります。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     アリーの将来に想いを馳せていただき、嬉しいです。アリーには私も一際想い入れがあります。

     アリーの話、というか、隊商とブハーラーの商人の話は、本作の第2軸ともいうべきものでして、ここで終わりです。ここで本編完結もまたありかなとも想わなくもありません。それはそれで、余韻が残る、いい終わり方かなとも想います。実は余韻に浸るのが好きで、それで読むのが遅かったりします。

  • 拝読致しました。
    主に去られた軍隊となれば、有数の都サマルカンドと言えど、長くは持たない。
    故に命懸けの脱出劇となりますが、その迫力と人間ドラマ、駆け引きに戦闘、いずれも臨場感に溢れて読み応えがありました!
    ありがとうございます。
    引き続き、物語を読み進めさせていただきます。

    作者からの返信

    コメントありがとうございました。

    読み応えあったと言っていただけて、とても嬉しいです。
    サマルカンド戦で、象さんをホラズム側が使ったのは史料が伝えるところであったりします。

  • ブグラーは奥さんの話が印象的で覚えておりましたが、ブジルは誰だったかなと戻り読んでみると、第一部最終話にも出てきていた人でしたね。ここにも仇討ちを為さんとする人が一人いましたか。

    それはそうと、前話のコメントにて大変興味深いお話を沢山教えて頂きありがとうございます!
    2人の歴史家の話もカンクリとホラズムの対立の件含め興味深く…
    そしてトクチャル、まさか禁止されていた略奪をしてしまうとは!この結末は予想していなくて知りもしなかったので、教えて頂きありがたいです。その後のジャラールとチンギスの決戦も気になりますし…!

    こうした歴史のエピソードを知るのは大好きで…学生の頃は東洋史専攻だったのもありよく触れていたものの、今はなかなか歴史に触れられる機会も少ないので…
    カクヨムでこの作品を読めるだけでなく、コメント欄の方でも色々学ぶことができて大変ありがたいです!(他の方のコメントについても大変勉強になり、読ませていただいております^^)

    長文…そして度々のコメント失礼しましたm(*_ _)m

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     少し種明かしをしますと、『第1部 第30話 問責の使者3』冒頭での、モンゴル人使者2人が争うというのは、他サイト連載中におもいつき、急遽、付け足したエピソードです。

     中年の方は、ホジェンド攻めをしたと史料が伝える3人の武将の1人ということで、すぐにスイケトゥ・チェルビに落ち着いたのですが。

     若い方はなかなか決まらず、結局、元史が征西に赴いたと伝え、1世代下と想われるブジルさんに白羽の矢が立ったのです。ティムール・マリクとの絡みは私の創作なのです。ところで元史はでたらめなエピソードを伝えていますが、面白いので紹介しますね。

    『その陣に臨むごとに、ブジルは奮身力戦。身に数矢を受ける。チンギス自らこれを見て、人にその矢を抜かせた。ブジルは血流が体に満ち(←『血が流れ出て』の誤りかもしれません)、悶え倒れほとんど死にかける。チンギスは牛を1頭連れて来させ、その腹を割かせ、腹の中にブジルを入れ、その血中の熱に(ブジルを)浸すよう命じる。時が移りて(ブジルは)ついに、よみがえる』

  • 拝読致しました。
    決死の部隊の突貫。
    対して彼我の戦闘力の差を読みカンへの影響を憂う将兵。
    いよいよ、戦闘が佳境に入りつつある雰囲気を感じます。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     当時は突撃がとても有効ですね。ただ逃げるだけでは、いいように討たれてしまいます。本作ではバリシュマスに志願させましたが、作戦上、必要な動きでもあります。と同時に勇気と覚悟がなければ、できることではありません。いわゆる、一番槍の誉れという奴ですね。引き続き、お楽しみいただければと想います。

  • おおっテルケン・カトンもここで退場ですか。
    未だスルターンは捕らえられていないものの…流石はチンギスの選んだ精鋭3人、イーラール城のことも嗅ぎつけたとはきっちり仕事してますね。

    テルケンが、モンゴルは女を処刑することがないのを知っていたかはわかりませんが…逃げ回るスルターンに比べると、女帝らしく潔い最後の行動だなと感じました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     実は追跡に関わった3将のうち、トクチャルは軍令に背き、アミーン・アル・ムルクの領地で略奪をして、呼び戻されてしまいます。この略奪のため、アミーンに対する調略は失敗に帰します。この後、トクチャルは名誉挽回のために赴いたニーシャプール戦で戦死という悲劇的な結末を迎えます。
     他方、アミーンはガズナへと赴き、そこを拠点とします。そこにジャラールを迎え入れて、チンギスとのインダス河畔での一大決戦に至るという、これはこれで、別の物語があります。

     テルケンの降伏の原因として、2人の歴史家(ジュワイニーとナサウィー)は日照りによる水不足を伝えます。期間こそ、ジュワイニーは悪意もあからさまに2週間程度、ナサウィーは妥当な4ヶ月と違いはありますが。ただ、遠路はるばる赴いて、わざわざ井戸の無い城に籠もるとは想えません。これは、歴史家たちによる偽作と考え、採用しませんでした。
     テルケンが籠もった地は、下流で稲作ができるほど、雨が多い地なのです。それでも、降らないとなれば、テルケンが天に見放されたは明らかとなります。歴史家たちは、それを強調したいのだろうと。
     ナサウィーはジャラールの伝記を執筆、ジュワイニーはジャラールを英雄視しています。こんなところにも、テルケン(カンクリ勢)とジャラール(ホラズム王家)の対立の余波があるのかな、とは想います。一応、血のつながった祖母と孫ではあるのですがね。

  • 拝読致しました。
    のっけから遁走するスルタン。
    逃げようとするもの、功を得ようとするもの、武人の本懐を全うしようとするもの。
    戦争という正に命がかかった事態に直面して出てくる本性と、その人々が織り成す群像劇が、これからの物語の展開を期待させます。
    これからいよいよ本戦、どのように進むのか。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    こうして丁寧な感想をもらうと、書いていた頃が想い出され、懐かしいです。この後もお楽しみいただければと想います。


  • 編集済

    ルクン王子との再会に、おおっあの「グールを破りし者」の時の王子が立派になって!と感慨深く思ったものの、
    かつて王子の成長を願っていたスルターンにとって、その王子の連れてきた三万の兵が邪魔になってしまったとは…なんとも皮肉ですね。

    スルターンが二ーシャープールの時から見捨てるように兵を置いていくのを見て、生き延びたとしてその後臣下の心が離れないのか…と思わなくもないですが、やはり命あっての物種といったところなのでしょうかね。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    自らの戦の経験に照らして、勝ち筋がみつからないんでしょうね。追って来ている軍勢は、万人隊3隊なので、大きく劣る訳ではないのですが。その後ろにいるチンギスの中軍を恐れているのでしょう。
    ただ、一方の主役がひたすら逃げるというのは、物語の観点から見れば、困ったちゃんではありますね。

  • 拝読いたしました。
    責任感ある隊長級の活躍(負けちゃったけど)から、名もなき兵士のあえなき死にざままで。
    他作品では見られない様々な兵の顔が見えるような描写、ひとしずくの鯨様の特徴ですね。とても面白いです。
    モンゴル軍にはモンゴル軍の、スルタンの兵にはスルタンの兵の、それぞれの想いがあり、生き延びようと言う意思があり、仲間を想う気持ちがある。
    その群像劇に引き入れられます。

    また、こちらにて失礼しますが、弊作品にレビューを記載いただき、ありがとうございました!
    戦闘シーンについて言及頂けまして、本当に嬉しかったです。
    重ねて御礼申し上げます!あありがとうございました!

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     丁寧に読んでいただき、うれしいです。

     また、レビューを気に入っていただけたようで、何よりです。たけざぶろうの作品の多面的な魅力を伝えることができたのかは、不安に想うところではありますが。

  • 拝読致しました。
    二人の指揮官、仲が険悪になると思いきや、己の信じるところに従い各々で行動したのですね。
    結果、将は死に、兵は生きた。
    自分の判断が生死に直結する将という仕事は本当に難しい。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    そうですね。精神的にしんどい仕事ですね。特に死なれてしまってはね。

  • 拝読致しました。
    さすがは道教を修められた方、と言うべきか、天然自然な雰囲気ですね(^_^;)
    しかも愛すべき、と付けたくなるような。
    雰囲気が変わって良かったです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     ご本人としては、『あくまで行く積もりだったけど、行けなかった』で済ましたかったんでしょうけどね。それをチンギスは許さなかったということですね。

     ただ、転じて、チンギスに直接会った記録(実際は弟子が書いたのですが)を残すことになります。これは、なかなか貴重なものです。なので、後世の我々も長春さんには感謝することになります。

  • 拝読致しました。
    何やら、口ほどにもなかった使者。
    それでも、命があっただけ良かったのか。
    物語的に言えば、母后たるテルケン・カトンの抑制された性格を際立たせる役にしかたたず。
    一筋縄ではいかない空気を感じました。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     史実に照らしていえば、まさに、命があっただけ良かったのだと想います。

     使者に赴いたことは、史料が伝えております。

     また、そこで何の盟約もならなかった――つまり、テルケン側としては殺しても良かった――というのは、その後の展開から明らかとなっています。

     また、この後のダーニシュマンドの活動を史料が伝えており、モンゴル宮廷で文官として重きをなしたであろうことはそこから読み取ることはできます。恐らく、テルケンの下に赴いた勇気――蛮勇に近きものかもしれませんが――を評価されてのことだと想います。ここの部分を作品中に盛り込むかとも、考えましたが、その後の展開のネタバレになるので、止めておきました。なので、読まれる方には、少し消化不良の部分もあるかとも想います。

  • 拝読致しました。
    スルタンの軽挙妄動の果てに、力無き者達が渦に巻き込まれ、命を落として行く。
    背負いきれない罪の意識に、心が潰されていく者達もいる。
    戦争の裏側ですね……

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    同様のことが現代でも起こります。プーチンです。彼1人のために、多くの人が命を失ったことを想えば、胸塞がれる想いです。

  • 拝読致しました。
    なまじ目端が利いたばかりに命を落としてしまうとは……
    大局的には優勢に傾いているとはいえ、やはり前線は命懸け、ということが如実に伝わりますね。
    盾が命綱に感じられるほどに。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     そうですね。やはり深追いは禁物です。

     ところで、ここのところは、耶律氏に焦点を当ててます。耶律氏といえば、キタイ(遼朝)。モンゴルを考える際、キタイというのは、避けては通れないものです。そんなこんなも含めてお楽しみいただければ、と想います。

  • 拝読致しました。
    坑道からの侵入、気づかれないための密やかな作戦行動。
    行き詰まるシーンでした。
    特に矢を放つシーンは緊張が感じられました。矢を放つ瞬間って、急ぐと力みが生まれて微妙に外れちゃうんですよね。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     メンスゲの緊張を味わっていただき、何よりです。

     少し裏話的な話をすると、綿思哥をメンスゲと読んでいいのか、それほど自信がある訳ではありません。対して、前話に出て来るこの者の兄の忙古台をマングダイと読めるのは、ほぼ確かです。マングダイとはマングト氏の子供ということで、これより阿海の妻がマングト氏だと分かったりします。

     余談はこれくらいにして、引き続きお楽しみいただければと、想います。

  • テルケン・カトン、前話で堂々たる女帝のような風格があり、そんな彼女の待つウルゲンチでチンギスの息子達と戦う展開なのかなとワクワクしていたのですが…彼女もスルターンと同じく逃げる道を選んだのですね。
    強い女性かと思っていたので、苦労人のフマルさん同様少々ガッカリし…スルターンとは似た者親子だから同族嫌悪みたいな感じで仲が悪いのかな?と想像しました。

    そしてニザーム・アル・ムルク、久々の登場で懐かしいです!
    スルターンの元からお目付け役もままならぬ感じで逃げ帰った印象がありましたが、罰せられたり呆れられたりもせぬまま重宝されている様子を見て、本当にお気に入りなんだなと…今回の話でそれを目の当たりにして笑ってしまいました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     ここら辺は史実なので。16~17年前、グール朝のムイッズ・ウッディーンが、スルターン・ムハンマドの遠征中の留守を突いてウルゲンチを攻囲したときは、テルケンが指揮して、スルターンの帰還まで持ちこたえたりしたのですが。今回は逃げてしまいましたね。モンゴル軍が大軍であったことと、すぐ帰ると想われていたゆえ、と想います。

     テルケンとスルターンの対立は、政治的な権力争いですね。この時のホラズムは2人の共同統治のごときものです。もともと、トルコ・モンゴル系は女性の政治権力が強いことに加えて、カンクリ勢がテルケンの後ろ盾となっています。互いに邪魔に想うも、互いに必要ともしているという、ややこしい関係です。

  • 拝読致しました。
    部下の心の裡をくみ取ろうとする君主。
    勇壮に草原を駆け巡るチンギスにそういった繊細な心遣いがあるというのは、面白いです。
    年を取り気が弱くなり、部下の心を気にしすぎて猜疑心に捕らわれる君主もいたように思いますが、さてこのチンギスはどうか?
    こういった性格描写を見ると、物語に深みが出るよう感じます。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     あるべき君主像というのも、興趣がつのる話題ではあります。チンギス政権の特徴と言えるのは、一族でないものの重用ということかと想います。通常、(突厥やキタイなどの遊牧政権では)弟や子がつく右王、左王ともいうべき地位に、チンギスは一族外のボオルチュとムカリをつけます。
     とはいえ、政権そのものは、やはりチンギスの子供たちが受け継いで行く。ここら辺は色々ある。そこを番外編では多少なりとも扱っていますので、良ければ、御覧いただければと想います。

  • 第80話 生存者 終話への応援コメント

    アリーくん、「全てがあやまちの如くに」なんて思っていましたが…
    自分を待ってくれていた家族に会えて、ようやく生きて帰ってこれた喜びを感じてくれたでしょうか。彼の旅路を最後まで見られて良かったです!

    ハーリドの名前が「永遠」という意味なのも、なんだか胸にくるものがありますね。アリーの心の中で、ハーリドらの存在は生き続けるのでしょうね。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    アリーとハーリドに想い入れいただいて、うれしいです。

    実は名前を決めるのは一苦労だったりします。一応、その時代、その社会にある名前にしたいと想いましたので。男性の方は史料に色々な名前があるので、それを用いれば良いのですが。女性の場合はほとんどありません。仕方がないので、バハールの名前は、ネットで現在の名前を調べ、それを用いました。

  • 拝読いたしました。
    モンゴルの隊商を陥れた者達も、遂には心を壊してしまいましたね。
    ありもしない神意を読もうとしたり、できもしない独善的英雄行動を取ろうとしたり。
    そして現実感を失い、男性の象徴を奪い、奪われる者達。
    人の命に関わる心の負担の厳しさ、でしょうか。
    印象深いシーンが続きました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    ここはまさに因果応報というところで描いてます。前話同様、読み取っていただいているのには感謝しかないです。

  • 拝読いたしました。
    戦争に関わる者、それぞれの想い。
    モンゴルの隊商が行く道を調えたヤワラチも。
    己が競争相手を陥れるきっかけを作り、戦争の一端に関わってしまった副長老も。
    己を責め、どこかに確かなものを求めて、しかしそれに怯えて酒に浸る。
    戦争と言う大きな淀みにかかわる人間の描写、胸に迫ります。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     私の書きたかったところを読み取っていただき、うれしいです。「隊商」と「ブハーラーの商人」の話は、(チンギスとスルターンの話を表とすれば、)本作の裏テーマとさえ言えるほど重要なものです。後悔や苦悩は重たいテーマですが、生きている以上、それと無縁ではいられませんので、虚実を交えてとはいえ、歴史小説たらんとした本作にても、そこを描いています。私自身、こうした重たい話はエンタメとしてどうかと想わないでもないですし、ここのところは好き嫌いがはっきりするところとも想います。ただ、現実でウクライナの戦争が起こると、人の目というのは自ずと厳しくなり、苦悩や後悔の無い戦記など絵空事だろうとなると想えば、やはりこうした部分は必要なのだろうと想います。

    編集済
  • モンゴルの軍議の話、毎回面白く拝見していますが、今回はオゴデイ目線とは!

    酒好きで平和主義なオゴデイのキャラクター好きなので、心の声がたくさん聞けて嬉しいです。
    口に出すと父上に叱られることばかり考えているのも面白く、また最後に本心の厳めしい顔になるオチも笑ってしまいました。

    ジョチとチャアダイが不仲なので、果たして戦場で協力できるのか気になりますが…ウルゲンチの戦い、楽しみです!

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    オゴデイがお気に入りとのことで、何よりです。オゴデイの酒好き、そして、その尋常でなき寛容さも史料が伝えるところです。また、後者のゆえに、ムスリムに歓迎されました。

    そして、ウルゲンチ戦を楽しみと言っていただけて、うれしいです。そう、本話はその前振りであったりします。ずいぶん先の話なので、読んでいる人は忘れてしまうだろうと、今となっては、想わなくもないですが。

  • 拝読致しました。
    すみません、行軍と枯れ草の関連性というのは、どのような?
    馬や行軍に使役される草食動物達の食料は枯れ草に頼るのが通例、と言うことでしょうか?

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    もっぱら、枯れ草頼りとなります。冬は、水は雪から、エサは枯れ草からとなります。ただ、冬の間は栄養が足りず、やせて行くので、秋までに十分に太らせる必要があります。

     雪というのは、乾燥地では、手軽に水を得る手段なのです。雨はすぐに地面に吸収されますが、雪は一度降ると、寒冷な地では、溶けずにそのまま残っていますので。冬の時期にはこの雪を頼りに、(夏に行けないところまで)遊牧の範囲を広げることもあります。

     反面、大寒波が来て、豪雪となったり、雪が凍り付いたりすると、雪の下の枯れ草が食べられなくなり、家畜が大量死してしまいます。

  • 拝読致しました。
    チンギスさん、巧みに調略と宣伝を使いますね。
    トルコ語で宣伝するところがまた憎い。モンゴル軍って、もっと進撃につぐ進撃をするイメージを持っていました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     もともと、寡勢から身を起こしたというのもあり、チンギスは慎重ですね。

     この西征の前も、西夏や金国を無闇に滅ぼそうとはせずに、その臣従を受け入れてます。この両国は結局は・・・・・・ということになるのですが。

     ウイグルやオイラト、オングートに対しては、婚姻を通じた同盟関係を結びます。このホラズムとも、初手が食い違わなければ、そうした関係もありえたかとも想います。まさに、たらればの話ではありますが。

  • 第22話 西域の地勢への応援コメント

    拝読致しました。
    人が手を下さなくとも、川の水量で町が滅び、人は流れる。
    そして異国に渡り、ひとつの勢力となって生きて行く。
    儚くも、逞しいお話しです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    ソグドというのには、また別のロマンがありますね。本文中でも述べましたが、これらの地は毎年、夏、日照りです。そんなところでよく、と想いますが、彼らからすれば、日本の気候(梅雨~蒸し暑い夏)もまた、そんなところでよく、となるのでしょうね。

  • 拝読致しました。
    こんな筈ではなかった、というスルターンの心の声が聞こえてくるようです。
    ひとつ前の回までにあった局地戦の様子では、現場の判断で手応えがあったり、やられたり。ですが、被害は確実に積もり行く。
    敵討ちの勇壮さと、兵達の痛みや悲しみと。
    西の地で続いて行く戦の響きに、思いを馳せてしまいます。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     思いを馳せていただき、うれしいです。実は、このスルターンという人物、一応、軍事的英雄と呼んでも良い実績はあります。(梟雄という言葉の方がふさわしいかもしれませんが)父と己2代で、ホラズムを帝国という規模に拡大させました。

     そんなスルターンがスタコラサッサとばかりに逃げるのは、やはり、チンギスが尋常ではない軍勢を率いて攻め入ったゆえと想われます。ムスリム史料の一つは60万と伝えるのですが、これは明らかに誇大と考えられ、おそらくは15~20万。

     本作の冒頭のところで、自ら迎え撃ったジョチの隊が2万人隊とすれば、10倍近くの軍勢をととのえて来たことになります。

  • 第27話 死地2への応援コメント

    野戦が得意でも、城市が相手だとなぁ……と考えてしまいます^^;

    面白かったです。

    ではではノシ

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    モンゴル軍は降伏した城市の城壁を破壊するのが常でしたから、よほどに苦しめられたのだと想います。面白かったと言っていただけて、うれしいです。

  • 拝読致しました。
    防衛側の若い力。
    これから激戦になると思うと、これらの意気に切なさも感じます。
    本格的な戦争がこれから始まる……!

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    カンクリ側の3人の隊長は、私の創作です。それだけに想い入れが深かったりします。3人を待ち受ける運命はそれぞれですが。そのうちの一人は、今、連載中の番外編に出て来ます。この話が初出かと、我ながら懐かしかったりします。


  • 編集済

    面白かった。面白かったです。そして大きかった。広かった。
    すごく楽しませてもらいました。
    ああ、読み終わっちゃった…と余韻に浸っていたけれど。
    番外編がある♪ 嬉しいです。

    また拝読しに伺います。
    大きくて広くてあたたかで、ひたれる歴史を
    ありがとうございました。

    また読み返したいと思える本にであえて
    幸運です♪

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    『また読み返したい』というのは、最高の褒め言葉です。とてもうれしいです。

  • 拝読致しました。
    戦の前、軍義での牽制、緊迫した雰囲気が伝わります。
    上に立つチンギスの苦労が偲ばれますね。
    じきに戦闘が始まります。
    モンゴル騎馬軍が、城に対してどのろうな戦をするのか?
    楽しみです。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     モンゴル史料の『秘史』によれば、チンギスは4子に厳しかったようです。彼らは、その血筋(正妻ボルテの子)から、そのうちの一人が後継者となり、他の者も、ノヤン(武将)の上に立つことが約束されています。だからといって、おごり高ぶられては、どうしようもないとなる。ノヤンの中には、4子より年長の者も多く、また、何より、チンギスのために、命を賭して戦場に立って来た者たちです。

     引き続き、お楽しみいただければ、と想います。

  • 拝読いたしました。
    Googleマップで風景を見ながら進めると、感慨深いですね。
    だだっぴろい平原、険峻な山脈の脇を走る街道...
    おもわずストリートビューで A351 とか A365 とか書かれた街道を辿ってしばらくかちかちやってしまいました。
    オトラルの遺跡のビューも凄い。
    延々と続く眺望というか平原というか...人間ちっちゃい。
    次話からいよいよ戦ですね。
    楽しみです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    地図大好きの私にとって、グーグルマップは素晴らしいの一言です。

    オトラルは、この地の北の玄関といって良い地で、後年、ティムールが明朝への遠征途上で亡くなったのも、この地です。 

  • 第4話 モンゴルの進軍1への応援コメント

    拝読致しました。
    先の進軍前の祈祷、そして今回の進軍の様子。
    いずれも迫真の様子が伝わり、とても興味深いです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    トクというのは興味深いです。起源が漢地なのか遊牧勢なのか、はっきりしませんが、トクを祭るというのは、双方に伝わる慣習です。日本では、柱を祭ることはあるのですが、このトクについては伝わっておらぬようです。

  • 拝読致しました。
    この蒼き狼さん、すばらしく懐が深いですね……。
    これほどに臣下に心を砕くのであれば、人もついて来るでしょう。
    その分、敵となるスルタンにどれほどの力で向かうのか、と想像してしまいます。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     実はチンギスというお人は苦労人です。配下の気持ちが分かるのは、そのゆえと想います。何となく、イメージとしては信長に近いのかもしれませんが、幼少の頃の苦労といい、長生きしたことといい、家康に近いです。さすがに、幼子のときは襲われることはないのですが――モンゴルにも、車の車軸より背丈の低い子を殺してはならぬという習慣法があります――その後、まず首を刈らんとして襲って来たのは、同族のタイチウトです。

  • 拝読いたしました。
    関係者各位の心情が伝わり、各々に溜められた想いが次の章で発露する、という構成ですね。つまり開戦までの長い序章、といった感じでしょうか。
    その開戦の前兆である部分を、ここまで迫力を以て描かれたのは、素晴らしい文章だと思います。や、ほんとに迫力ありましたから。
    ここまで溜められた内容ですので、次の章への期待がいや増します。
    引き続き、読み進めさせていただきたいと思います。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     迫力を感じていただけましたのなら、何よりです。この後もお楽しみいただけましたら、と想います。

  • 拝読致しました。
    弱き者:アリー君の臓腑を抉るような悔しさから、強き者:チンギスの深い悔恨と煮え滾る怒りへ。

    虐殺から端を発した怒りの思いが伝わってくるようです。

    祈りのシーン、チンギスの荒れる内面と、呼応するような嵐が迫力を感じさせます。
    そして配下への篤い想い。

    蒼き狼、斯くて起つ、という雰囲気を感じました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     我々は後の歴史を知っているので、どうしても、チンギスを神がかった英雄と見なしがちですが、やはり、大きな失敗をし、また、後悔をすることも多かったと想います。特に人の生き死にに直接関わる場合は、なおさらでしょう。
     支配者にも、いろいろあり、利にさといタイプであれば、あえてホラズムと戦争とまでは行かないとも想います。ただ、チンギスは仇を討つことを優先しました。だから、あのような大帝国を、とまではなかなか言えぬことですが、だから、家臣はついてきたとは言えるとは想います。

  • 拝読致しました。
    ああ、数話前に書いたコメントが...
    命を繋いだけれど、大切な者、仲間とか、気持ちとか、失ってしまったアリー君。
    庇い合う仲間達がいっそう悲しさをいや増します。
    これが引き金、なんですね。
    引き続き、読ませていただきたいと思います。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     これは有名な事件です。ただ、なぜ、こうなったのかは、あまり良く分からない。使者や隊商を殺せば、この時代、戦争覚悟ということになります。
     たとえば、鎌倉幕府はクビライの使者を殺しますが、これは実質降伏勧告を携えた使者であったので、どの道、戦争だということで、分からなくはない。
     ただ、ホラズムにチンギスが送った使者と隊商は、対等な交易の申し出であり、これを殺す理由は無い。またスルターンは史実として1度は協定に合意している。そこで、協定合意により不利益を受ける商人たちの暗躍があったのではないかと、考えての第1部のお話です。
     隊商がスパイ行為を働いた故との見方もありますが、この時代の使者や隊商は、そもそも、そんなものです。それで殺していては、そのほとんどを殺さねばならないとなってしまいます。

    編集済
  • 拝読致しました。
    ラクダを得たアリーの気持ちが伝わるようです。
    いつかは死んでしまう生き物ではありますが、商人として活躍するためには必須の相棒。でも高価でおそらくは自身ではそうそう手の届かない高嶺の花。
    嬉しくって、新妻に自慢し誇りたい気持ち。
    アリー君、変なフラグ立てないで、ちゃんと帰れれば良いのですが。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    アリーの気持ちに、想いを馳せていただき、うれしいです。

  • 拝読いたしました。
    9日間の宴! さすが、騎馬民族はスケールが違う。
    馬乳酒は良く耳にしますが、乳茶、というのは初めて聞きました。
    ミルクで茶を煮出した、ロイヤルミルクティーのような存在でしょうか?
    モンゴル人にも様々な人がいて面白いです。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    塩を入れるのが特徴です。茶葉を沸騰したお湯で煮出して、そこに1晩置いた乳の上澄み(油成分が上に浮いてきます)、それと塩を入れます。
    茶葉は暖かいところでしか取れず、塩も内陸では不足しがちです。(内陸の寒冷な地の)遊牧勢はこれらを交易で入手します。なので、これは高級品のおもてなしとなり、作り方は違いますが、ロイヤルという名前はふさわしいかもしれません。

    編集済
  • 拝読致しました。
    強行騎乗の旅程、迫真の描写が素晴らしいです。
    馬で無理に先を急げば、それはこうなりますよね。乗馬で尻の皮がむけるなどは、なかなか気づかないけれど、いかにもありそうで納得でした。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    お褒めいただき、嬉しいです。引き続き、楽しんで頂ければと、想います。

  • 拝読致しました。
    前回から今回のエピソード、スルタンのどす黒い想いが伝わるようです。
    時代が時代なだけに、強い想念を抱えて生きてきたであろうことは想像に難くありませんが。民衆からスルタンに至るまで、様々に。
    引き続き、読ませて頂きます。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。
     登場人物の想いを感じていただき、うれしいです。
     これほど遠く隔たった両国がどうして開戦に至ったのかというのは、しばしば論じられるところですが、それほど明快な答えがある訳ではありません。カラ・キタイの滅亡により、モンゴルが東西のユーラシア草原を扼し、両国が直接国境を接するようになったとはいえ、モンゴルの帝国、特に軍事の重心はあくまで東側です。
     そこを私なりに解釈してというのが、第1部となります。お楽しみいただければ、と想います。