編集済
拝読致しました。
追い詰められているホラズム、そしてジャラール・ウッディーン。
それでも折れない心。反抗心、というか敵対心は、平時は厄介でもて余しますが、こういう時に心を支えてくれる、扱いに困ってしまう心の動きですね。
その骨ばった腕と、折れない心のギャップが、その強き心を感じさせます。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
そうした心こそ、歴史においては大きな働きをするのかなとも想います。いつも、丁寧に読み取っていただいて嬉しいです。
実は、ここのところは少し引きの場面を作りたく――そうでないと、ちょっと強い場面が続くので――オグルやシャイフのエピソードを当てるもありだったんですが、思いつかず。そこで、皆さん、ジャラールがどうなったか気になっているんじゃないかとも想い、ここの数話に当てたのでした。
また少し史料上の話をすると、これ以降、ティムール・マリクがジャラールの下で活躍したことを伝えるものは皆無であり、本話で述べた如くアミーンが筆頭の臣となります。そこら辺を2人のやり取りでほのめかす感じにしたりしています。ただ、史料のことはほとんどの人は知らないだろうから、作者の1人遊びに近いですが。
モンゴルへの復讐のみがこの世に命を繋いでいる、そして、痩せ細った身体、命を燃やす姿に胸が熱くなります。そんな時にアミーンさんのような人がいたらどんなにか心強いだろうと思います。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
確かに、アミーンがおらなければ、一矢報いることさえ困難な状況と想います。
父親とはまったく正反対で、むしろモンゴルとの決戦を望むジャラール。それを支えるアミーン。ただ、その2人が拠って立つ地は、ホラズム本土――ウルゲンチを中心とする地方――から遠く離れたところ。かつて激しく争ったところのグール勢の故地であったりします。ここら辺は、まさに大陸ゆえかなとも想います。
と同時に京都から遠く離れたところで立った2人の源氏の将――頼朝と義経――に、何となく重なる部分を感じます。頼朝の拠る坂東はあまりはっきりしませんが、義経の奥州は明らかに蝦夷(えみし)の故地であった訳で。