完結まで拝読させていただきましてありがとうございます。
前話からとう結ぶのかと考えて、お話の最終回が勿体なく、しばらく前から残念で仕方ない状態でずっと読ませていただいておりました。
最後の結びに至って、こちらがモンゴルの物語であることを改めて思い出しました。
広大で過酷でもある地域を支配することの困難さと意義のために合議が敷かれ、戦いがあって、その途中でホラズムを滅びの道へと導いた、その過程を追いかけてきて感じるのは、どこまでも一人ひとりの個人が懸命に生きていた事実でした。
その足跡をこれほど心に迫る筆致で示してくださったことへ感謝の気持ちでいっぱいです。素晴らしい物語でした。ありがとうございました。
作者からの返信
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。また、過分なお褒めの言葉をいただき、とても嬉しいです。
何より、コメントをたくさんいただいたことに感謝しております。私自身も本作を見つめ直す良い機会となりました。あらためて読み返すと、自分の印象より、面白くなるように色々工夫していたんだなと、なつかしさとともに想い出しました。本作を書き終えたときは、結構、疲れ切っていたのですが、再びチンギスの話を書く勇気と元気をいただいたと、想っております。
最初はホラズムが出てくるので、ジャラール・ウッディーン出るかなぁと思って読み始めたのですが、色々勉強になりました。
陳舜臣先生がモンゴルが華北を制して更に華南まで制覇した理由として、先にイスラム文化に触れて中国文化への憧憬が薄れたというようなことを言っていましたが、投石機を持ちだしたり、うまいこと両文明と付き合えたところがあるのかもしれませんね。
こちらのネタ的話で、モンケが頑張れば的なものを書きましたが、オゴデイも長生きすればどうなったのだろうというのがありますし、モンゴルにはロマンがありますね。
作者からの返信
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。なかなか、ここまでたどり着ける人はおりません。
オゴデイが死ななければ、バトゥ率いる(第2次)征西軍が引き返すことはなく、ヨーロッパを征服していたでしょうね。このときのモンゴル軍を阻めるのは、自然環境しかなく――もちろん、その地に相応の軍事力を有する政権があるとの前提でですが。海で隔てられる日本、砂漠と暑熱のマムルーク、川と暑熱のベトナムが撃退してますね。馬は暑さが苦手ですしね。
私がこの小説を書いた動機の1つに、なぜ、これほどの大帝国を築けたのだろうという疑問がありました。その理由の大きなものとして、この征西が挙げられると想います。恐らく、オトラルでの虐殺事件がなければ、チンギスのホラズム親征はなされず、金国、南宋へと攻め込んだと想います。騎馬にとって障害となる稲田と川が多い南宋には、チンギスといえど手こずるのは間違いなく、そうなると、西の方への展開はどうであったろうかとは想います。
少し謎として残ったのは、モンゴル勢は分裂するといえど、チンギスの後もずっと強いのですね。アレキサンダーやティムールなど、いくら、初代が優れた軍事的英雄であったとしても、その後は拡大していかない。遊牧勢が支配する草原世界に限れば、チンギスの子孫は支配者側に留まり続けます。女系ではありますが、清朝やムガール帝国でさえも、その皇帝たちはチンギスの血筋となってしまいます。
編集済
少し遅くなりましたが、最後まで楽しませて頂きました。自分の作品の十字軍やイスラム帝国との関連が良くわかりました。なんとか歴史小説を盛り上げたいですね!
作者からの返信
最後まで読んでいただいてありがとうございます。また、そのように言っていただけて、とても嬉しいです。
歴史小説のみならず、出版不況なのは、今の人たちの想いを、小説がうまく汲み取れていないからなのかな?とも想います。同じ書き手として、ここら辺は悪戦苦闘せざるを得ないところですね。
ジャンヌさんの話も、従来の歴史転生ものから、更に1歩踏み出したところを感じてます。そうした試みに頼もしさを感じるとともに、純粋に読み手としても、どうなるかワクワクです!
完結、お疲れ様でした。
結構な遅読で追ってまいりましたが、最後まで大変面白く読ませて頂きました…!
ウルゲンチ戦も、チンギスの息子たちの性格の違い…兄弟が衝突し、様々な事件に発展する様子…それぞれの人間みや歴史の流れを感じられて面白かったです!
物語はここで完結ですが、歴史はこの後も続くと思うと、彼らの今後の物語も追ってみたいなという気持ちになってしまいます…!
また鯨先生の歴史ものなど、拝読させて頂きたいと思います!
史料や参考文献を読み込みながらの超大作の執筆、本当にお疲れ様でした!
作者からの返信
コメントありがとうございます。
そのように言っていただいて、とても嬉しいです。また、なかなか番外編の最後まで読んでくださる方はおらず、ここまでたどり着いていただいて、本当に嬉しいです。
歴史ものも、史実に沿った戦記についていえば、本作でやりたいことはやりつくせたかなと想えます。読者を最後まで引っ張れる仕掛けなりネタなりが想いつけば、また、チャレンジしたいと想います。
本作を気に入っていただき、本当にありがとうございました。
拝読致しました。
冒頭と最後を締める長男ジョチと、クナン翁。
彼らが向かうのはヴォルガ川――ロシアでしょうか?
ユーラシアを東から西に渡り、ジョチは更にその先を征く。
最後の一文を読んで、寒々とした広大な草原を吹き抜ける草くさい風を感じるかのようです。
物語は、行軍の様子を連続的に描き出すのではなく、要所要所を活写するような、点と点、情景と情景をつなぐような形で綴られていて、それでいて繋がりを感じさせる、なんとも味わいのある構成を感じました。
最後の、オゴデイ、チャアダイ、そしてジョチと続く、兄弟のそれぞれを描いて終わる雰囲気も、それぞれらしい(と感じられる)終わり方であったと思います。
連綿と続く長編、お疲れ様&完結おめでとうございます。
また、素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
今回も作者の意図を汲み取っていただき、感謝しております。
番外編は少し本編と異なるものにしたいとの想いが強く、特に『死地のその先』は、連作ショートショートにチャレンジしてみました。味わっていただけましたなら、何よりです。
このときヴォルガ川上流におるブルガールは、遊牧勢です。ここから別れて東に行った人達が、今のブルガリア人の祖先だったりします。
そう、ブルガリアヨーグルトは伊達じゃない、まあ、これは冗談としても。
ルーシ(ロシア)勢はまだヴォルガには至ってないですね。その一つ、キエフ・ルーシ(今のウクライナの祖になるのかな?)とキプチャク連合を、ジェべとスブエテイの隊が長駆して討つのですが、通説では、この2将がその帰途にブルガールも討つとされています。ただ、それだと随分、北に迂回することになる。ブルガール征討を伝えるイブンアシールは、モンゴル側の将を明記していません。ジョチの隊がそれをなしたと考えるのが自然じゃないのということで、本話の如くとなりました。
こののち、ヴォルガ川領域には、首都サライがその沿岸に建設されるなど、ジョチ・ウルス(キプチャク汗国)にとって重要な地となります。単に地の利からそうなったとも考えられますが、その祖たるジョチが征討したとの縁あってというのもありえるのかな、とも想います。
こちらこそ、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。まさに感謝であります。
完結、お疲れさまでした。
そして、ひいい(笑)、ついにブルガールに^^;
蒼き狼の子孫たちの覇道が、世界帝国への道が……。
孟珙やバイバルスがいないと止められないくらいの勢いで^^;
あ、個人的にはチャガンを出してくれてうれしかったです。
チャガンを出した作者って、私ぐらいしかいなかったし(笑)
それでは、改めまして、この悠久にして激越たる物語、面白かったです。
お疲れさまでした!
ではではノシ
作者からの返信
コメントありがとうございます。
褒めていただき嬉しいです。チャガンについていえば、番外編は本編より、キャラを立てたいとの想いがあり、アルプの方を鬼の如くとしたのもあって、美少年キャラとなりました。
イエスンゲとともに、モンゴル側の将として、番外編のクライマックスを支えてくれました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
遅ればせながら、お疲れ様でした!
モンゴルが世界帝国となった大きな要因であろうホラズム遠征。
当たり前ですが、ホラズムにも武将がいて、兵士がいて、商人も民間人もいるんですよね。
双方、様々な人物の視点から描くことで、物語の厚みが積み重なって。
最初はモンゴル側に感情移入していたのが、おかげさまで、ホラズム側の各人にもずいぶんと感情移入することになりました^^
そして最後は、軍を率い雄大な草原を征くジョチとクナン翁。草原を吹き渡る風と、草の匂いが感じられるようで震えました。
この壮大な歴史物語と出会えたのは大きな喜びです。個人的な入り口となった『ウイグル雲景』とあわせ、本当にありがとうございましたm(_ _)m
作者からの返信
最終話まで読んでいただき、ありがとうございます。
そのように言っていただけると、とても嬉しいです。特に本作は、多年に渡り精魂を傾けた作品だけに、感慨もひとしおです。書いて良かったと、心底、想いました。