拝読致しました。
黒トクとオグルの因縁、ようやく叶いましたか。
いや、今回の結末は、絶対にイェスンゲが納得していないから、逆に追われる立場になるのか?
ただ、あくまで勝負にこだわるイェスンゲと、生き残るに価値を見出だせたオグルでは、既に見ている世界が違うようですが。
曙光で指を暖めたり、負けず嫌いのイェスンゲが泣き喚いたり、いつもながら細かい描写が良かったです。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
ついに最新話に追いつかれましたね。そして、褒めていただき嬉しいです。
オグル、シャイフ、黒トクの3人が出るのは、これが最後となります。後は3人の王子の顛末を書いて終わりなので、もうちょびっとで完です。
この場面は難産でした。最初は何となくトガンと黒トクを戦わそうと想っていたのですが、どう転がしても、トガンが死んでしまう。オトラル戦から10年後とかだと、トガンが勝つという展開にしても、読者も納得してくれるかもしれないけれど、そんな短時間には人は成長できない。それで、トガンをまず逃がしてということになりました。トガンは若く、またオトラルの他の2将、ソクメズとブーザールは死んでいるので、殺したくなかったのです。
それで、実は、最初オグルはここで死ぬ展開だったんですけど、本話の如くに落ち着きました。一応、この3人は史料上は生き残っているんで、史料とも合致して良かった良かったという感じです。
追記 あと、クトルグさんとトルンさんの話もありました。いけませんね。作者が忘れてしまっては。
弓の射合のシーンは映像が浮かびとてもドラマチックでした。
この決着にはホッとしたというか、命を落とす結末でなかったのが救われました。
そして、そこで母親に対して自分の行動を誇るところ。結局、身近だったり大切な自分の核となる人の元に帰っていくのだな、という感慨がとても共感できました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
共感していただいて、とても嬉しいです。歴史時代とはいえ、人が考え感じるところは、それほど変わらないかなと想い、それでオグルの述懐となりました。
少し裏話のところを話しますと、史料上でこの2人はウルゲンチ戦後も存命してたりします。なので、オグルを生かして逃がすことは確定だったのです。夜陰に乗じて逃げたとすれば簡単なのですが、作者としては、やはりこの2人の見せ場を作りたいと考えました。
ただ、問題が一つ。本作では、超人的な人物――三国志演義に見られる武将たち――は作らないようにしていたのですが、イェスンゲのみはそのタガを少し緩めていました。そもそも包囲されているところから逃げるということは、逃げる方が不利であり、それに、上のイェスンゲの強さが加われば、これはオグルさん、どう転んでも負けるなとなった訳ですが。
それで、いろいろ苦心し、また最終的にはタガが外れた人物なら、少しばかりその精神性もタガがはずれていてもいいかなと想い、本話の構成となりました。