応援コメント

第83話 母と子3:この時のスルターンの想い」への応援コメント

  • スルターン、追い詰められてますね。戦時指導者としては力量不足な気がします。判断を先送りにするほど被害も影響も拡大しそう。息子は頼もしげなので、なんとか気持ちを翻してくれるといいのですが。

    作者からの返信

     コメントありがとうございます。

     ホラズムとモンゴルの歴史をかんがみるとき、戦(いくさ)というものは、矢を交わしてみなければ、分からないのだろうなと痛感します。このとき、ともに勃興する大国でした。両国の間にはカラ・キタイ(西遼)があったせいもあり、ほぼほぼ交戦はありませんでした。

     軍事的に、スルターンはモンゴルを過少評価し、チンギスはホラズムを過大評価します。なので、スルターンはオトラルでモンゴル隊商を虐殺し、チンギスはほぼほぼ総勢をもって親征します。(金国攻めの最前線を指揮するムカリに残されたのは、最低限の軍勢です。)ちなみに、西夏はモンゴルが負ける方に賭けて、軍事協力を拒みました。

     歴史をかんがみると、東方から西に攻め込んで世界帝国を築いたのは唐朝ぐらいです。およそチンギスの400年前です。また、モンゴル以後、このような大帝国は築かれませんでした。チンギスの後裔が割拠する形で支配は継続されたにしろ。

     スルターンって、運が無かったのかなというのが、 創作を離れての、正直な感想だったりします。




     

  • 拝読致しました。
    すみません、「水盤棒持者」とはどのようの役職なのでしょうか?
    奴隷から成り上がるなんで、初代さんすごいですね。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     水盤棒持者(tasht-dar)とは、主君が食事の前後に手洗いをなす際に、水差しと(水を受ける)水盤(=たらい)を差し出す召使いのことです。ところで、この者(もしくは用具)の費用をホラズム地方が負担するとされています。よって、ここで2通りの解釈があります。一つはこれの監督官ではないかと、もう一つは、近侍を許す名目的な職名ではないかと。私は後者ではないかと想います。というのも、この費用元という縁で、この後、この者はホラズム・シャフナとの称号を得ますが、これもまた名目的なものであったとされますので(実質的なホラズム地方の統治を委ねられた訳ではない。日本の〇〇守みたいなものですね)。

     奴隷についてですが、西域では、あくまで主人との関係(金で買われ、隷属している)でして、(インドのカーストやアメリカの奴隷のような)身分という訳ではないです。子供時分に購入し、手塩にかけて育て上げます。

     そして主要な人材調達ルートでもあったりするので、結構、奴隷で成り上がった人が多かったりします。ガズナ朝とか(エジプトの)マムルーク朝などは、奴隷軍人の開いた王朝です。それでも、すごいのはすごいですね。誰でもなし得る訳ではないので。