応援コメント

第26話 カンとの謁見2:ダーニシュマンドの野心3」への応援コメント


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    使者がこれから派遣されるわけですけど、遊牧民や北の民にとって、外交ってなんなんでしょうね、人はなぜ戦争をし、何がきっかけで元に戻るのでしょう?

    使者の運命が気になります。続きを追います。

    追記:不躾な質問に丁寧なご返答、ありがとうございます。楽しみに読ませていただきます。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

     遊牧勢の君主にとって重要なのは、軍事と交易ですね。戦争というのは、勝てば良いですが、負けると痛いですし、勝ち負けにかかわらず戦死者というのは出る訳です。なので、交易や和睦というのは、常に考慮に入れるべき選択肢であったでしょう。

     それで、例えば、同じ遊牧勢でもキタイ(遼)とモンゴルではだいぶ違います。

     宋国を例に出されているのでご存じでしょうが、キタイは、軍事的には明らかに優位な状況でしたが、宋と澶淵の盟を結びます。これは完全に対等な盟約ですが、他方で大量の絹と銀を宋からキタイに毎年贈っています。この時、キタイは実を取り、宋は名を取ったといえます。いわゆる燕・雲16州を持っているので、これ以上の農耕地というのは、キタイには必要なかったのでしょう。臣民の命を犠牲にしてまで、馬も育たぬ地は要らぬという訳です。

     ただ、モンゴル(元)はこれでは満足せず、南宋を滅ぼします。これは、モンゴル内での君主の声望というのが、軍事指揮官としての功績に大きく依存したため、と私は考えます。他方でチンギスは、一時期、積極的に女性王族の政略結婚を軸にした外交を展開しています。オングト、オイラト、ウイグル、カルルクなどはそうやって傘下に引き入れました。なので、モンゴルでさえ、まさに時と場合によりけりとなりますね。

     また、常に遊牧勢が攻め込む方にいる訳でもなく、唐が強勢な時や明代の前半には、中原の王朝が北へ攻め込むこともありました。

     引き続きお楽しみいただければ、と想います。