概要
大量絶滅の果て、世界に残ったのはヒト、ブタ、キャベツの3種のみ
遥かなる過去に神が創造した生き物たちは次々と絶滅への道を歩んだ。そしてついに、地上に残された生き物は人、豚、キャベツの三種のみ、という時代が到来した。豚は家畜豚と野豚に分けられる。野豚はときに大発生して、キャベツを食い尽くしながら行進する。狂暴化した野豚の群れは人間の街をぶっ壊すこともあった。
旅人吉田ロンドンは生きている化石を探して世界を旅していた。彼は三種しか生き物がいないつまらない世界で面白いものを求めていた。酒場でキャベツ酒を飲みながら、野豚が空前の大発生をし、豚王国の首都ブダペストに向かって行進しているという噂を聞く。豚王国は世界最大の軍隊と豚農場を所有する超大国である。ロンドンは豚王軍対野豚の大群の戦いを見たいと熱望し、ブダペストへ向かう。
ロンドンは滅び去った古生物の
旅人吉田ロンドンは生きている化石を探して世界を旅していた。彼は三種しか生き物がいないつまらない世界で面白いものを求めていた。酒場でキャベツ酒を飲みながら、野豚が空前の大発生をし、豚王国の首都ブダペストに向かって行進しているという噂を聞く。豚王国は世界最大の軍隊と豚農場を所有する超大国である。ロンドンは豚王軍対野豚の大群の戦いを見たいと熱望し、ブダペストへ向かう。
ロンドンは滅び去った古生物の
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!絶妙なバランスのうえに成り立っている力作
奇抜なアイデアから生み出された、オリジナリティがあふれすぎている「異世界」の物語でありながら、読み手を置いてけぼりにしないように工夫された文章により、非常に読みやすい作品となっている。
作者はさぞかし苦労しただろうが、それに見合うクオリティの小説になっている(その質に対して評価が追いついていないのは、一読者として少しさみしい)。
特筆すべきは、固有名詞の選び方の巧みさである。この工夫により、ぐっと読みやすくなっているだけでなく、寓話的かつ神話的な雰囲気を作品に与えている。
その上で諸々のバランスをはかり、寓話的過ぎず、神話的になり過ぎない配慮もなされている。 - ★★★ Excellent!!!独自の世界で紡がれる大スケールの冒険譚
様々な生物が絶滅の一途をたどり、人間と豚とキャベツの三種のみが残された遠未来。この世では豚を上手く管理した者が権力を握り王として君臨するように。しかしそんな人間の営みをあざ笑うがごとく、野豚の大群が人類最大の国家「豚王国」を飲み込もうとしていた……。
あまりにシュールすぎる設定で、あらすじだけ見ると出落ちのような雰囲気も漂ってくる本作品。しかし、本作の最大の魅力はこの設定に負けない強い個性を持つキャラクターたち。冒険古生物学者を名乗り、過去の動物に関するでたらめをまくし立てる吉田ロンドン。子供の頃からわがまま三昧で、気に入らない部下は即処刑し思いつきで法を作っては民を苦しめる、暴君・豚王。…続きを読む