第40話 バレンタイン系TSっ娘
今日はバレンタイン前日で真治は部活で家に居ない。つまり、作るなら今日しかない!
「この、精力剤入りチョコレートをね」
大手通販サイトのアマゾソから真司に黙って注文したこの精力剤。これを1g混ぜるだけで飲まされた相手は目に映った愛しい女性をお猿さんのように犯す。
つまり、まあ、ボクと真治のために作られた精力剤だよね。ちなみに戸棚の下にはそれの媚薬バージョンもあります。真治がボクに黙って注文してたらしいけど、バレバレだ。
一度それをわざと飲んであげたら身体が抑えられなくなっちゃって眠るまで真治を犯し続けたのを覚えてるよ。いやぁ……アレはエグかった。剣を鞘に納めただけで三回ぐらい連続で馳せ参じたし、腰は止まらないしで本当に死ぬかと思ったよ。
ちなみに真治はトラウマになってそれを封印した。
たぶん真治は量を間違えたんだと思う。瓶の半分ぐらい使ってたし。でも真治には影響がなかったから、効果があるのは女性だけなのかな?
「まあいいや。両方とも混入させるし」
ボクは戸棚の下から真治の媚薬を取り出してラベルを確認する。
『混ぜるな危険:混ぜた場合の感度の保証は致しません』
……まあ、大丈夫でしょ! 入れちゃえ!
チョコレートはあえて溶かしたままにして固めない。ボクが自分の身体に塗って真治に舐めてもらうプレイをしてもらいたい。
ボクは湯煎で溶かした媚薬&精力剤入りの激ヤバチョコレートをサランラップで蓋をして台所の下に隠した。
クラスメイトたち……女子たちの友チョコ分は作らないとクラスからハブられるので今度はそれを作る。
「無難にクッキーにでもしようかな?」
友チョコなのにクッキーっておかしな気もするけど、女子ってそういうものだからね。
それからクッキーも作り終えて1つずつ袋に詰めて女子全員と真治の分を作りあげた。
ついでに夕食も作ってしまったので真司が帰ってくるまですることがない。
「真治、早く帰って来ないかなぁ……」
寂しさを紛らわせるために押し入れから真司のワイシャツを取り出して布団の上で横になった。
「すぅー……はぁー……」
この臭いが落ち着く……真治、大好き。
「んっ……」
◇◇◇
「真治、真治……真治ぃ……」
せつない……どうして早く帰ってきてくれないの。いつになったら帰ってきて――――
「「あっ」」
玄関の方でボクの様子を伺っていた真治くんはボクと目が合うと嘲笑しながら手を振ってきた。
ボクは慌てて起き上がり、スカートで下を隠した。
「帰ってたなら先に言ってよッ!!」
「いや、その……ごめんな」
顔が熱い。いくら彼氏彼女の関係で結婚を約束してたとしても、1人で寂しく真治のことを想いながら慰めてる所なんて見られたくない。
どうしよう、めちゃくちゃ恥ずかしい……
「1人で寂しかったよな、今度は二人で楽しもうぜ」
そういうと真治は服を脱ぎ始め、男らしい筋肉が服の下から露出した。
ボクはごくりと唾を飲んで、再び布団の上に転がった。
「うん♡」
よくよく考えたら媚薬とか精力剤とか要らなかったね。ボクたちには不要なものだったかも。
でも、もったいないから使うね♡
◇◇◇
翌日、バレンタイン当日――――
ボクは学校で女子たちとお菓子を交換していた。
「千尋、これあげる」
「ありがとう、はい、ボクからも」
「ありがとね」
愛菜とお菓子交換すると何故か愛菜は首を傾げていた。
「ねえ、真治が持ってるクッキーって千尋があげたの?」
「そうだよ?」
「なんか、普通じゃない? どうしたの? 遂に別れるの?」
そんなことしないよ。というかそんなことはさせないよ。真治はボクのモノなんだから。それに、真治にはあとで
「なんか、真治寂しそうね」
「っ!?」
まさかボクがこんな軽いものをあげたから真治はショックを受けてるんじゃ!
「真治ぃいいいいいいいっ!!!」
「千尋っ!?」
「捕まえた!」
真治の胸に飛び込むとボクの予測通り、真治はボクを受け止めてくれた。
ごめんね真治、ボクがそんなしょうもないクッキーを渡したばかりにショック受けちゃったんだよね。家に帰ったらたくさん食べさせてあげるから! ……精力剤入りだけど。
「ねえ真治」
「なんだ?」
「帰ったら今日もパフパフしようね!」
「ブッフォッ!?」
あっ、なんか言い方間違えたような気がする。
クラス中の視線が真治に集まってるし。
けど、やることは変わらないから問題ないよね?
「岡崎、俺たち前々からお前がそっち系かと疑っていたんだが、お前やっぱり
「いや、ちがっ――――」
「そうだよ! 真治はロリコンだよ! 昨日だって一昨日だってボクをおもちゃのように扱って押しつけてきたんだよ!」
「お前はこれ以上ややこしくするな!」
いやだって……ほら、事実じゃん?
皆だって心の底ではまさかボクと真治がお猿さんごっこしてるなんて思ってないよ。だからボクが代表してボクと真治の関係を大便してあげようと思っただけで……ボクは悪くない。
そんなこんなで学校が終わり、ボクたちは家に帰ってきた。
「はい、こっちが本命チョコだよ!」
ボクは服を脱ぎ捨てて身体の一部にドロドロになったチョコを塗って真治に見せる。
「…………」
「あれ? 真治……?」
真治の反応がないのでボクは首を傾げた。
すると、真治はいきなりボクのことを押し倒し、布団の上に転がしてきた。
まだ日も高いのに、ずいぶん元気なお猿さんだね。こんなの受け入れられるのはボクぐらいなものだよ。
「どう? おいしい?」
「食べさせてやるよ」
「むぐっ!?」
真治は口移しでボクにチョコを食べさせた。
……あれ? 身体が熱い……?
ハッ!? しまった! これ、媚薬も入ってるんだった!
「ちょっと真治待って!」
「……ごめん、ムリだ。身体が熱くてな」
あっ、これ終わった……
「真治待ってぇえええっ!!!!」
暴走した真治は二日間続けてボクをおもちゃのように扱い、ボクは三日ぐらい布団の上から起き上がれなくなったりした。
ボクはもう二度とお薬に頼らないことを誓ったのだった――――――
――――――――――――――――――――
【あとがき】
これ、もうただエチエチしてるだけのような気がしてきました。
……まあ、それも良いのですが。
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