第9話 下を見れば平坦な高原系TSっ娘
「おまたせしました。
『カップル限定、この空間は二人のモノ。誰にも邪魔されない黄金のゴッドパフェ! ~二人でイチャイチャイチゴ盛り、閉店まで楽しみなさい!~』です。
どうぞ閉店までごゆっくり~♪」
テーブルの上にはボクの座高と同じ高さにまでつまれたイチゴパフェが置かれた。
「でっか……」
「真治、食べよ! あーん」
「やめろよ恥ずかしい!」
真治は照れくさそうに断るが、ボクがニッコリとした顔でスプーンを差し出していると少し迷ってから―――――
「あ、あーん……」
恥ずかしそうに食べた。かわいい……
そして、今度はボクが口を開けて真治を待つ。すると、あげる方は大丈夫なのか、普通にあーんしてくれた。
「「ああッ!! 真治(岡崎くん)がビッチと『カップル限定、この空間は二人のモノ。誰にも邪魔されない黄金のゴッドパフェ! ~二人でイチャイチャイチゴ盛り、閉店まで楽しみなさい!~』食べてるっ!!!?」」
偶々この店に入ってきた幼馴染みとクラス1の美少女が声をハモらせてボクをビッチ呼ばわりしてきた。
メニューも無いのによく間違えずに言えたね。でもね。ヒトをビッチ呼ばわりするのはよくないと思うよ? この羽虫どもが。
「ボクと真治だけの空間なんだから部外者はどっか言ってよ! あと、そんなにビッチって言うならビッチらしいことしちゃうよ!」
「そうはさせないわ! 千尋、アンタには今ここで!」
「立ち去ってもらうわ!」
そして、羽虫どもが真治の腕を1つずつ持って――――
胸に挟んだ――――――
ボクは反射的に下を向いた。
けれど、そこにお山は無く、平坦な高原が広がっていた。
「お、おい……」
真治の顔が赤くなる。
「やはりね! 千尋のちっぱいじゃ、いくら頑張っても私たちには勝てない!」
「そのちっぱいじゃ、私たちには到底敵わないわよ!」
くっ……! 黙っていればヒトのことをちっぱいちっぱい言いやがって……!
「……それが、最後の言葉ってことで良いんだよね?」
ボクを見た三人が同時に肩を震わせ、顔を真っ青に染めた。
「ボクと真治のデートを邪魔しただけじゃなく、ヒトのことをちっぱい呼ばわりしたんだから……自分がちっぱいになる覚悟だって、出来てるんでしょう?」
「「いっ、イヤアアアア!!!」」
「お客様ァー! 店内で叫ぶのはお辞めくださいぃぃぃ!!!」
◇◇◇
『私はヒトを胸で判断しました』
という看板を首から下げてボクと真治の家で正座している幼馴染みと美少女。
そして……
『私は千尋と結婚いたします』
という看板を首から下げた真治。うん、素晴らしい! 記念に写真撮っておこ。カメラカメラ……カメラはどこかな……?
「スキアリッ!!」
「っ!?」
美少女野郎に首をトンとやられ、ボクはその場で意識を失い、バタリと倒れた。
次に目を覚ました時には二人に逃げられ、ボクの真治ワイシャツを二枚失った。
クソっ! 覚えてろよぉ! 今度こそボコボコにしてやるからなぁ!!
「千尋、ハーレムってサイ――――」
「ん? なんですか???」
「……い、いやっ、なんでもない」
もういいもん! 真治の入浴シーンにお邪魔してやるからっ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます