第20話 夏祭りで浴衣デート系TSっ娘
ボクと真治の楽しい夏祭り♪ ~浴衣姿で真治を誘惑♡イチャイチャラブラブ☆花火でフィニッシュ編~
はっじまるよォー!
まあ、あの真治がこれで終わるとは思ってないけど。
というわけでやって来ました夏祭り!! 真治と一緒にデートだ! 今回は余計なモノも居ないからねッ! 妨害はない!!
「あれ? 千尋じゃん、どうしたの?」
oh……
妨害はないとか言った瞬間に現れた愛菜。当然コイツ1人で祭りに来るというわけがない。お友達が一緒にいるのは目に見える。
あっ、浴衣姿の美少女が真治を見た瞬間にめっちゃ笑顔で手を振ってこっち走ってくる。
イヤだなぁ……折角ボクと真治の浴衣デートだったのに……
美少女は真治に挨拶して浴衣似合ってるねと言って真治に自分はどうかと訊ねた。
「ああ、うん。似合ってるよ」
真治の返答を聞いて、美少女は顔がニヤけていた。
ちょっとじぇらぁ……
「真治、ボクは?」
「え? えっーと……か、かわいいと思うぞ……」
「ホント!?」
「ああ、うん。かわいいぞ」
えへへっ、真治に褒められた嬉しいっ♪
なお、ボクの後ろで愛菜が『かわいいって言う』と書かれた画用紙を持っていたことは知る由もなかった。
ボクが油断していると美少女が小細工をしたせいで、美少女たちと行動する嵌めになってしまった。
そして、ボクは真治たちと共に人混みの中へと突撃した。
「んっ……あっ、しん――じっ……」
変な声を出してしまっているが、残念ながら、決してイヤらしいことをしているわけではない。本当に残念だよ。ただ人混みの中で真治を見失って、はぐれそうになってるだけだなんてね。
なんで……ボクを置いて行っちゃうの?
少しずつ不安になってくる。真治がこのままボクの元から離れてしまうのではないか?
そう思ってしまう。
「っ!?」
突然、右手を掴まれた。その掴んだ手の持ち主を見るとそこには――――――
「真治……?」
「お前スマホ持ってないんだから気をつけろよ。はぐれたら大変なんだから」
「……ありがとう。真治」
「ん? 良いってことよ。だって、俺たちは親友だろ?」
ボクは安堵の息を吐いて、こう告げた。
「今は彼女だけどね♪」
「……そうだな。二人ともはぐれちゃったし、そろそろ花火も始まる頃だ。たこ焼きでも買って、あそこにでも行きますか」
「あそこ?」
真治が言うには他の人が一切居なくて、花火が見える絶景の場所があるらしい。
ボクと真治はたこ焼きを買い、その場所へと向かった。
◇◇◇
真治に案内されるとそこは神社の裏側で、誰1人として他の人は居なかった。
「こんな所から本当に見えるの?」
「ああ、見えるぞ」
真治が自信満々に言うが、ボクは別のことで頭がいっぱいだった。
「真治」
「なんだ?」
真治は訊ね際にラムネを口に含んだ。
「ボクを……襲うの?」
「ブッフォッ!?」
真治はラムネを盛大に噴き出した。
「な、なんでだよ!?」
「だって人気ないし、浴衣だから……」
「お前の脳内どうなってんだよ!?」
「一般的な高校生男子」
それを言った瞬間、真治は言葉を詰まらせた。
なぜなら、真治も同じような脳みそをしているから。
ふふっ、あとはこのままボクと合体して結婚だね♪ 他の女なんて眼中にも入らないようにしないと♪
「……それはダメだ」
「え?」
なんで? 妊娠が怖いの? 大丈夫だよ。ボクまだ初潮きてないから。
「昔っから一緒に過ごした親友との思い出を俺の行動1つで壊したくない……」
「んー? よくわからないけど、ボクから行動してあげようか?」
「おい、ヤメロ。触んな」
ちぇー……
「気持ちが追いつかない? なら、ゆっくり悩めば良いんじゃない? ボクは昔っから真治のことが大好きだったし、本気で結婚するつもりだったよ?」
「……は? え? ちょっと待て」
真治が固まった。どうしたのだろうか?
「昔っから?」
「うん」
「ホモか?」
「よく言われるよ」
すると真治が唐突にショックを受けたような顔をした。
「ここに来て初めて知った親友の性癖、俺はいったいどうすればいいんだ……」
「犯す?」
「それは違う」
冷静なのか動揺してるのかわからないような言動を取るね。
あっ、花火だ。真治にキスでもしよっと。
でも身長が届かないから……
「んっ」
「しねーよ。何を求めてんだ」
「キスぐらいしてよ。しないと夜中に真治を全裸にして服を隠すよ」
「小学生の修学旅行か」
あー、そんなこともあったね。真治の真治を咥えようとしたら他のクラスメイトたちに止められたことだけは未だに理解出来ないんだよね。なんでだろうね? もしかして他のみんなも咥えたかったのかな?
……あの頃の真治は小さかったなぁ。
「おい、スゴい変なこと考えてやがるな? ったく……」
すると真治の唇がボクの唇に軽く触れた。
「え?」
「ほら、これで満足だろ」
あまりに突然のこと過ぎて、顔がスゴく熱くなる。
この日、ボクが一晩中眠れなかったのは言うまでもない。
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