第11話 羞恥心に混乱する系TSっ娘
真治の祖父母の家に着くと真治のお婆さんが出迎えてきた。
「真治、千尋ちゃん。大きくなったわね。千尋ちゃんがこんな可愛い女の子に育つなんてね。真治には勿体ないぐらいね。さっ、上がって上がって」
「お、お邪魔します」
ボクと真治は真治の祖父母の家に上がる。
やっぱり他人から褒められるのは恥ずかしいなぁ……
「二人は付き合ってるの?」
「婆ちゃん、付き合ってないから」
「あらそうなの?」
真治のお婆ちゃんがボクのことをジッと見つめてくる視線を感じるけど、恥ずかしくて顔を上げられない。
「(真治も鈍感な子に育っちゃったわね。……そうだわ!)」
すると、真治のお婆ちゃんが閃いたような顔をして気持ち悪い笑い声を出していた。
「グフフフフ……」
ボクと真治が若干引いていると、ちょうどそのタイミングで真治のお爺ちゃんが入ってきて―――――
「「グフフフフフ……」」
共鳴した。
この老夫婦、こわっ……
◇◇◇
この日は到着した時間が遅かったので、少しお話をすると、すぐに夕食を食べた。
「千尋ちゃん、皿洗いは大丈夫だから先にお風呂入ってきてくれる?」
「そんな、悪いですよ」
ただでさえ真治と家に泊めてくれてるのに手伝い1つしないでお風呂に入るだなんて悪すぎるよ。
「大丈夫よ。歳を重ねるとボケやすくなっちゃうからね。これぐらいやらせて頂戴」
「……わかりました。では何かあったら何でも言ってくださいね」
「ふふっ、わかったわ(ん? いま何でもするって言ったわね?)」
何かお婆ちゃんの雰囲気が少し変わったような気がして肩が震えた。
「どうしたの?」
「いえっ、なんでもないです。お風呂入ってきます」
ボクは台所を離れて着替えを持ち、お風呂場に向かった。
「ずいぶん鋭いのね……これなら安心して真治を任せられるわね」
「では婆さんや、早速仕掛けるとするかの」
「そうね」
「「いざっ! 入浴ハプニングッ!!!」」
◇◇◇
「ふぅー……」
1日の疲れが消えてゆく……
照明がついてないのは外からの光が存分に入ってくるからだったんだね。てっきりつけられなくて困ってるのかと思ったよ。
「にしても爺ちゃんと婆ちゃんいきなり風呂に入れだなんてどうしたんだ?」
……え? この声……真治!? どうしてここに!? え? というか入ってくる!?
い、今ならまだ間に合うから……!
「――――――っ!」
こ、声が出ない! 真治に覗かれたいけど覗かれたくない! なにこの気持ち!!?
考えれば考えるほどわからなくなって、悩んだ末に立ち上がった瞬間――――
「「……あっ」」
扉が開いた。
「ふぇっ!? し、しし真治!?」
「千尋がなんでここに!? 皿洗ってるんじゃ!」
「(今じゃ爺さん! 真治の背中を!!)」
「おっと! 手が滑ったァ!」
後ろから突如として現れたモップが真治を押し、真治が前に倒れてきた。
あっ、これ避けられな――――――
バタンっ!
「いたたっ……ち、千尋っ!? すまん!」
下半身に柔らかいナニカが当たる感触がした。
「ち、ちん……」
「ちょっ!? おさまれ!」
その柔らかいものは少しずつ硬い感覚に変わり始めた。
「ふぇっ!?」
「おい、ちひろ!」
そして、その堅物がボクの眼に映った。
「ああうう……あうあう……きゅうぅ……」
ボクはそのまま気を失った。
『ちーん』という音が風呂場に響いた。
……ちんちんだけに。
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