第3話 お義姉様と遭遇系TSっ娘
『ブラコン』
それは男兄弟に対して強い愛着・執着を持つ兄弟姉妹のみが保持することの許される【
一人称が『お姉ちゃん』のヤツはほぼ100%ブラコンである。
そんな『お姉ちゃん』こと、
「真治ぃ? そのかわいい女の子はどうしたの? どこで拾ったの? お姉ちゃんに黙って何をしようとしてたのかな?」
「
「弟くんの居るところにお姉ちゃんアリだからね!」
真治の両親は海外出張で日本には滅多に帰って来ない。
唯一の家族である姉は仕事が忙しく、会社にほぼ泊まり込み状態らしい。
だがこの女、ブラコンというだけはあって易々と引き下がる女ではない。
週に一度、ありとあらゆる手段を使って真治の様子を見に来るのだ。
ボクも会ったことがあるが、その時の服装は暗殺者のような怪しげな格好をしていた。
「さあ観念しなさい。真治! そこのピンク髪で可愛いらしいロリロリ娘をお姉ちゃんに紹介しなさいッ!」
「ロリロリ娘って……まあ、いいか。最初から話すとな――――――」
観念した真治はボクのことを包み隠さず話した。
拾ってあげたこととか、服を買ってあげたこととか、夕食を作ってあげたこととか。
「確かに千尋くんには似てる気もするんだけど……千尋くん、真治とはどういう関係?」
「親友……兼、婚約者」
「おい」
静流さんの質問にドヤ顔で答えた。むしろボクと真治の間にコレ以外の関係はない。
「ああ、うん……こんなこと言う人は千尋くんしかいないわ……」
「なんでそれで信じるんだよ」
え? それはもう、みんながボクと真治が結婚するもんだと思ってるからじゃないの?
「とりあえず、概ねは理解したわ。千尋くん? ちゃん? ……千尋ちゃんね!」
「そっちで行くのか」
「これからはお姉ちゃんに頼るといいよ!」
「はい、お義姉様」
ボクは静流さんの手を取る。
姉という立場を持つ静流さんは真治の恋愛対象にはならないし、ボクよりも真治のことを知っている。
静流さんの存在は女の子の生活を知らないボクにとって強力な武器となる。
それに、将来はボクのお義姉さんとなる存在だ。仲良くしておく必要がある。
「あと真治。今日だけ泊まるからよろしく」
「はいはい……」
「じゃあ千尋ちゃん、お昼を食べたら色々と教えてあげるね?」
「はいっ!」
◇◇◇
昼食を食べ終え、ボクは静流さんに服の着方や下着の付け方、女の子としての仕草や言葉遣いなどを教わった。
フッ、また1つ、真治を落とす力を手に入れてしまった……
「ご主人さまぁ……お風呂入ろ……?」
すると真治の肩が震えた。そして、ボクの方を見てため息を吐いた。
「お前ヤメロ! 心臓に悪いわッ! 静姉と入ってこいッ!!」
「千尋ちゃん、洗い方も教えてあげるね」
ちぇー……
でも自分の身体の洗い方も知らないと話にもならない。仕方ない、今回ばかりは特別に許してやろう。
だが忘れるなよ! ボクは真治のアレを狙っているのだからなッ!
「弟くんに乱暴しちゃメッ!」
「はい……」
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