第4話 ご主人様大好き系TSっ娘



 翌日、真治が学校に行くのを見送るとボクは静流さんと必要な品を買いに出掛けた。


 元々置いてあるものだと、今のボクでは少々大きいのでお茶碗やコップ、歯ブラシを始めとした生活必需品。


 静流さんが薦めてきた櫛やシュシュなどのアクセサリー等を買って貰ったりして真治と同棲するための準備を着々と整えていった。



「じゃあ、お姉ちゃんもお仕事だから、真治のことよろしくね?」

「おまかせください!」



 静流さんを見送り、真治が帰って来る前に夕食を用意する。

 今日は真治の大好きなカレーにしよう。これならボクでも作り方はわかるし、最悪わからなければ真治のパソコンでも使えば良い。



「真治は喜んでくれるかな~? 喜んでくれるよね! えへへっ♪」




 ◇◇◇



「ただいまー」

「ご主人様おかえりーッ!!!」



 真治が帰ってくると同時に玄関へと駆け寄り、そのまま真治の胸に飛び込む。


 今日からボクは静流さんに住み込みでメイドさんになった。メイドの役目はご主人様を喜ばせること。


 だからボクは仕方なく真治の胸に飛び込んであげている。

 決して真治に触れていたいという欲望が混ざっているわけではない。そう、混ざってるわけではないのだ。(大事なことなので二回言った)



「ちひろ……お前またその服を着て……」

「静流さんに真治を任せられたから基本この格好だよ? 静流さんが同じヤツを五着ぐらい発注してくれたからね」


「あのバカ姉……」



 真治が頭を抱えていたので、ボクは真治の手を引いて食卓に座らせた。



「今日はね。真治の大好きなカレーを作ったよ♪」

「おお、そうか! ……でもまだ早くないか?」



 真治にそう言われて時計を見てみると、まだ四時ぐらいだった。


 携帯も無いから暇すぎて時間の感覚が狂っちゃうんだよね。

 じゃあ、あと二時間も真治とイチャイチャできるんだね♪



「よし、ゲームでもするか」

「今日こそは真治をけちょんけちょんにしてあげるよ!」

「じゃあ、折角だし何か賭けるか」

「のぞむところだ!」



 数分後……



「こんなはずじゃなかったのに……」

「じゃあ約束通り、明日から弁当を作ってもらうからな」



 勝ち誇った顔をする真治。でもボクは元々真治のお弁当を作る予定だったから、その願いは無駄遣いなんだよね。


 だってさ。男の子にお弁当を作ってあげるって彼女みたいじゃない? ……そうだ! 可愛く盛ってあげよ! そして真治はボクのモノであることを学校中に広めるんだ!


 真治に余計な羽虫がつかないようにボクが守ってあげないと! 特にボクの真治をたぶらかすからだけは守ってあげないとね!



「真治、耳掻きしてあげるね♪」

「え?」

「ほら、横になって!」



 膝をポンポンと叩いて、真治を膝枕してあげる。

 そして、耳掻きを持ち、真治の耳をお掃除する。真治の顔を間近で見ると可愛くて、ついうっとりしてしまう。


 これがボクの旦那さん……ただ耳掻きをしてるだけなのに、なんて支配感なんだ……!

 まるで真治の全てを握ってるような感じがするよ。……そうだ。真治の真治も――――



「おい、どこ触ろうとしてんだ」

「ちんちん!」

「オブラートに包めェ!! 女子が包み隠さずダイレクトに言っちゃダメだろォ!!」



 そうだった。ボクは女の子だ。もう真治の全てを受け入れられる身体になってるんだ。

 きちんと丁寧に言わないと下品な女の子だと思われてしまう……!



「お、おち○ちん……」

「誰が可愛く言えって言ったァァァ!!!?

 お前! 恥じらいを持って言えば許されると思うなよ!?」

「だから今回はきちんと配慮してあげたでしょ!!!」

「口に出せば変わらんわッ!!」



 ……そうだよね。言えば一緒だよね。



「真治、触るのはいいから見せてよ♪」

「つまみ出すぞ」





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