第28話 林間学校宿泊系TSっ娘 1
昼食を食べ終えたボクたちクラス一行は観光ルート的な道をバスガイドのオバサンに案内され、森の中を歩いていた。
「真治ぃ~抱っこぉ~」
「自分で歩け」
「もう疲れたよぉ……」
「俺もだ」
さっきから階段を登ったり降りたりしてばっか。
見た目通りの体力しかないボクはもう疲れたから、さっさと部屋で真治とイチャイチャしたいということで頭がいっぱいだった。
「愛菜は元気そうだね……」
「これでもテニス部だからね」
へぇー……どうでもいい。え? 美少女も愛菜みたく元気に歩いてるって?
そんなことは知ってるよ。美少女にはわざと振ってないだけだよ。こんなヤツに喋らせるほど、ボクは優しくないからね。
「……先生! 如月ちゃんが辛そうです!」
「おお、そうか。じゃあ先生がおぶってやろう」
っ!? それは困る! 真治から離れるなんてことがあったら禁断症状が出てしまう!
美少女と二人っきりという感じで良い雰囲気を作らせるわけには――――
「ぜぇぜぇ……」
真治、喋れそうにないね。少しぐらいなら先生におぶって貰うのも……いやいや、真治から離れるわけには……
「なんだ? 岡崎の近くが良いのか? ったく、仕方ないな」
担任がボクを抱き上げて真治の横を歩き始めた。
おお! 先生太っ腹じゃんッ! ありがとう先生! これで美少女が真治を寝取るための隙が無くなったよ!
「…………」
……なんで、誰も喋らないの? さっきまで好き勝手にお喋りしてたよね?
「「「(先生が近くにいるとめっちゃ話にくい……)」」」
それからなんやかんやで登山も終わり、ボクたちは一度、宿泊施設の部屋へと荷物を運びこんだ。
「へぇー、三人部屋のわりには結構広いね」
「真治……どうして違う部屋……」
「当たり前でしょ、それとも寝取られたいの?」
ハッ!? た、たしかにそうだ! ボクと真治がこの部屋で寝るということはボクたちが寝たあと、美少女に自由時間を与えてしまうようなものだ。そう考えると美少女と同じ部屋だったこととか、真治と違う部屋だったのは幸運だったのかもしれない……!
「三人にしては結構広い部屋だね!」
「それさっき私が言った」
「あれ? そうだっけ?」
部屋には二つの机と椅子、ベッドがあって窓からは綺麗な森が見えた。
「え? 二つ?」
何度も目を凝らして見るが、ベッドは二つしかない。二人部屋なのかな……?
それとも、ボクは真治と一緒じゃないと寝られないということを備考欄に書いたから、それを教師たちが1人で寝られないと勘違いしてベッドを1つ撤去したのかな?
「如月ちゃん、一緒に寝ない?」
「ヤダ」
美少女の横で寝るとか、いつ殺されてもおかしくない状況だよ。そんな状況でボクが一緒に寝るとでも思ってるの!?
「愛菜と寝る」
「私、1人がいいな……」
「え?」
「せっかくなんだし、二人とも仲良くなったら? いつまでもギクシャクしてるのも変じゃない?」
そうかもしれないけど、真治を寝取るようなヤツと仲良くする必要はないとボクの本能が言っている!
何があってもボクは美少女の横で寝たりなんかしないんだから!
「一緒に寝たら真治のプロマイド写真を」
「いいだろう!」
「決断はやっ……」
ボクさ、カメラとか真治から借りないと持ってないから真治の写真って滅多に手に入らないんだよね。だから仕方ない。ボクは本能には勝てないのだ。
「じゃあ夕食にでも行きましょうか」
「そうだね。千尋、行くよ」
「……はーい」
「真治に会えるよ」
「真治!? 行く行く! 早く行こっ!」
真治に会える! やったぁー!
「お菓子に釣られる子供みたいね……」
夕食会場でも真治にあーんをしてもらい、ボクが満足するまで真治とイチャイチャした。
このあとはお風呂に入ってクラスでミーティングだ。それまでは自由時間だけど、今日の記録を書かないといけないので、実質そんな時間はない。
というわけで記録を書いて大浴場までやってきた!
「真治ぃ! 身体洗ってあげる!」
「千尋っ!? お前なにやってんだ!? 男湯だぞ!?」
「別にいいじゃ~ん。あっ、真治ちょっと興奮したね」
「うっせぇー!」
真治に頭を強く叩かれた。痛い……
すると真治は自分の股間をタオルで隠してボクを素っ裸の状態で外へと放り出した。
放り出されたボクは外でバスタオルを持って待機していた愛菜にキャッチされてバスタオルに包み込まれた。
「アンタなにしてんの!?」
「真治の身体を洗ってあげようかと……」
「犯されたいの!?」
「真治になら……」
「他の男どもよ!」
それはイヤだ。ボクの全ては真治のモノ。真治以外に全てを差し出すつもりはまったくない。
「ほら、話はあと! 早く入るよ!」
愛菜に女湯へと誘拐された。そういえばボクのバスタオルとか着替えとか、全部男湯の方にあるんだけど……まあ、いっか。その辺は愛菜に任せよう。
というわけでボクは愛菜に綺麗さっぱり洗われて、たっぷりとお叱りを受けたのだった……
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