TSっ娘ちゃんは親友くんをおとしたい! ~目指せ、六畳一間のイチャイチャ共同生活♡他の女は近づけさせたりしないよ?~

名月ふゆき

第1話 親友くんに拾われる系TSっ娘


 4月7日


 中学生だった者が高校生となり、新しい学生生活を送る始まりの日だ。


 この日、ボクは目を覚ますと女の子になっていた――――――



 色々あってジャージ1枚のまま家族に捨てられたので、行く宛ても無く、ボクは唯一頼れる親友こいびとの元へと向かった。



真治しんじ、いるー?」



 アパートの扉を叩きながら真治を呼ぶ。



「……千尋ちひろか? どうした? なんか声高く……ね……?」



 ボクの名前を呼びながら扉を開けた真治が固まった。

 真治に扉を閉められる前に部屋へと入り、布団の上に飛び込んだ。



「おまえ……千尋か?」



 このボクを一瞬で見破っただと……!?

 さすがボクの未来の旦那さん! やっぱり通じ合ってるのかな?



「うん、そうだよ。真治、お腹減った。何かちょうだい!」

「冷蔵庫に入ってるから好きに食え。事情はあとで聞く。

 とりあえず俺は学校行ってくるわ」



 真治が部屋を出ていき、学校へと行った。



「……そっか。今日は入学式だもんね」


 さすがにこの格好じゃいけないよね……

 真治が帰ってくる前に掃除でもしておいてあげよ。



 ◇◇◇



「それで、どうしてそうなった?」

「朝起きたらこうなった」

「つまり?」

「なにもわかんないから、ヘルプミー」



 真治が大きくため息を吐いた。

 ため息を吐きたいのはボクの方なんだけどな……どうして女の子になったのかとか、さっぱりわからないし。



「それで母さんに『私の息子ち○こを返してよ!』って言われて外に捨てられた」

「それは親としてどうなんだ?」

「あの家庭は腐ってるからね。仕方ないよ。だからここに住まわせて?」



 真治に詰め寄る。

 まさかここで親友である真治くんが裏切るなんてことするわけがないよね? そんなことしないよね? 幼馴染みのアイツが好きとか言わないよね? 昔、真治に告白したこのボクを見捨てるわけないよね? ね?



「怖えよ! 行く宛もないようだし、別にいいけどさッ!」

「よし!」



 これでボクの衣食住のうち、食と住は守られた。

 けど服がない。今のボクはジャージ1枚だけであって、ズボンもパンツも履いてない。下手したら真治に襲われちゃう。

 まあ、真治なら別にいいんだけど……というかむしろ襲って。



「真治、服貸してくれる? ボクこの下何も身につけてないからさ」

「ブッフォッ!?」



 真治がお茶を吐いた。

 どうしたのかな? もしかして聞こえてなかった?



「だから何も下に着てないから服を貸してって言ってるんだけど……」

「聞こえてるからヤメロ!」



 すると真治は立ち上がって、ボクに冬用のコートを渡してくれた。


 まだ少し冷える時期だ。ジャージ1枚だったボクにはとてもありがたい。



「どうかな?」

「おう、似合ってるぞ」



 真治のコートを着て、ボタンを閉じるとコートの丈がボクの膝ぐらいまで届いた。

 肩幅がちょっと大きくて、真治臭がする。



「すぅー、はぁー……」

「ヤメロ! 恥ずいわッ!!」

「えー、いいじゃん別に」



 真治の匂いってめっちゃ落ち着くし……


「俺の身が持たないんだよ……」


「え? いま何か言った?」

「な、なんでもねーよ! ほら、アマゾソで注文してやるから、選べ」



 おおー! さすが真治! 太っ腹!!

 では遠慮なく……


「…………」


 なんか服がたくさんある。なにコレ? 全然わからない。何が違うんだろ?



「どうした?」

「真治が選んでよ。ボク全然わからないし、真治のお金で買うんだから」

「あー、千尋は服のセンスが皆無だったな。わかったよ。任せておけ」



 真治にアマゾソで服を注文して貰った。

 服なんかに興味ないので、別に聞かない。


 最低限のモノさえ揃ってればボクは文句言わないから。

 それに真治の選んだ服ってだけで何か興奮するし。



「じゃあボクお風呂入ってくるね」

「おう」

「背中流してあげようか?」

「いらんわ!」



 ちぇー……



 ◇◇◇



 お風呂から上がると真治が夕食を並べていた。



「たらこスパゲッティだ!」

「今日は景気づけにな」



 真治、気を使ってわざわざボクの大好きなたらこスパゲッティを……



「えへへっ、ありがと。真治っ♪」

「おう。気にするな。冷める前に食うぞ」



 真治の作るたらこスパゲッティはとても美味しかった。

 今朝あった嫌なことなんてすっかり忘れちゃうぐらいだよ。




「真治、本当にボクが布団でいいの?」

「それぐらい気にするな」



 真治はボクを布団で寝かせて、座布団を数枚並べて横になっていた。



「別に真治と布団で寝てもいいのに……」

「ワイシャツ1枚の癖にそういうことを言うなッ!」



 ……今のボク、ちょっと痴女っぽかったかな?

 痴女扱いだけはされたくないし、今日は大人しく引き下がって、布団を使わせて貰おう。



「ありがとね。じゃあ、おやすみ真治」

「ああ、おやすみ……」





――――――――――――――――――――

【あとがき】


 TSFが大好きなTSクラスタの名月ふゆきです!


 この前はファンタジー小説を投稿してましたね。


 今回は『朝起きたら女の子だった系』TSFです!

 女体化って書くのは処女作以来なので、新鮮な感じがします。


 なので処女作に習い、ボクっ娘に仕上げてみました。


 他作品には無いような点としては


 !!!


 ってことぐらいですね。TSF特有の『男だから男に恋はしない!』というTSっ娘のくだりを全無視します!


 どちらかというと親友くんの方が戸惑ってる感じです。



 そういう感じで連載していくので、応援や☆の評価、レビューなどしてもらえると嬉しいです!

 どうぞよろしくお願い致します!



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