第2話 コスプレメイド系TSっ娘



 翌朝、目を覚ますと既に真治はアパートにおらず、テーブルの上には目玉焼きと手紙が置いてあった。



「千尋へ、学校行ってくる。午前中には終わるから朝食を食べて待っててくれ。アマゾソが来たら受け取っておいてくれ」



 手紙を音読した。

 ボクは目玉焼きを温めてご飯を用意する。男の時と比べて食欲が減っていて、それに気づかず食べてたら、かなりの量を残してしまった。


 なのでご飯は少なめにした。ボクは学習する男だ。同じ過ちは繰り返さない。



「いただきます」



 食事を済ませて食器を流しに置くとアマゾソからの宅配が届いた。



「真治は何を買ったのかな?」



 楽しみにしながら開けると紺色のスカートや赤色のスカート、白色のワンピースにガーターベルト、猫耳付きのメイド服を含んだ衣類と下着類いくつかだった。


 ……真治はこういうのが好きなのかな? 住まわせて貰ってるわけだし、だし、真治が好きなら仕方ないかな?

 特別にコレでお出迎えしてあげよう。




 ◇◇◇



「ただいまー」

「おかえりなさいませ、ご主人さまっ! にゃん♪」

「ッ!?」



 慌てて玄関の扉を閉めた真治。

 いったいどうしたというのだろうか?



「どうかしましたか? ご主人さまっ」

「……なんでソレを着てるんだよ」

「ご主人さまが着て欲しいと言わんばかりにアマゾソで注文してたからだ……にゃん♪」



 ポーズを取ってみるとカチューシャについた鈴がなる。

 真治はこれが性癖のドストライクだったようで顔を紅くして固まっていた。


 そんな表情をされると困るんだけど……



「着替えて来ようか?」

「いや、そのままでいい。待ってろ。いま昼を作って……あれ? 出来てる?」



 食卓に並んだ昼食を見て驚く真治。そのままこちらを見てきたので、ドヤ顔で答えてあげた。



「ボクだってこれぐらいなら作れるからね」

「そ、そうなのか? まあ、いいや。ありがとな」

「ふぇっ!?」



 素直に褒められ、恥ずかしくなった。


 そりゃボクだって真治に住まわせて貰ってるわけだし、アマゾソで服を買って貰ったわけし、結婚するわけだし、将来の妻としてこれぐらいしてあげないと悪いような気がしたから……その……



「にゃああああぁぁぁッ!!!」

「うおっ!?」



 羞恥心に耐えきれず、真治を押し倒した。



「~~~~~~~~~~ッ!!!」



 真治の胸に顔を埋めて真治を叩くがポカンという音しか鳴らなかった。



「おい、落ち着けって」



 真治がボクの背中を抱えながら頭を撫でてくれた。

 その行為のどこかが気持ちよくて、ボクは真治の胸元に頬を擦り付ける。



「あっ…………お、おい……ちひろさんや、少しだけで良いので、離れていただけませんか……?」



 真治の様子が変だったので、顔を見上げて真治の顔を見ると真っ青になっていた。

 そして、真治の目線はボクの後ろにいた何者かに向かっていた。


 ボクは恐る恐る後ろを振り返ると、真っ黒な笑みを浮かべた真治のお姉様がおりましたとさ。



「真治ぃ? そのかわいい女の子はどうしたの? どこで拾ったの? お姉ちゃんに黙って何をしようとしてたのかな?」










 

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