第18話 川で水遊び系TSっ娘
サービスエリアで休憩を済ませて、我々は遂に目的地であるコテージまでやって来たのだ!!!
「ずいぶん山奥なんだな」
「ボクも同じこと思ったよ」
町から少し離れた場所にあるコテージかと思ってたけど、全然そんなことなかった。
むしろ山奥でクマさんにでも会えるような雰囲気のある場所だった。
こんな山奥で真治と二人きりになろうとしてたなんて頭おかしいね。そんなことボクでもやらないよ。
もしボクがそういうことを真治としたいならお風呂に突撃して押し倒すね。
でも、個人的に初めては真治の方から求めて欲しいっていう願いがあったりするから、スキンシップはしても、それ以上のことはしないんだけどね。
「真治、川があるよ!」
「そうだな。じゃあ荷物置いたら遊ぶか」
「おおー!」
◇◇◇
「真治、見て見て水着~♪」
「……なぜ尻尾をつける」
「そこに尻尾があったから?」
「なんであるんだよ」
そりゃもちろん鞄に入ってるからだよ。
こういう猫耳尻尾が好みな真治くんのことを想って、常に持ち歩いているんだからね。
まあ、ちょっとだけボクの趣味も混ざってるけど……
あっ、美少女がこっちに走ってくる。アイツにセリフを与える訳にはいかない。真治を連れて逃げよ。
「よしっ、真治! 遊ぼっ!」
「ちょっ、待っ!」
真治の手を引いて川に入る。
川は流れこそ緩いものの、水深は深くて、ボクの身長だとあっという間にボクのまな板まで浸かってしまった。
「ほら、浮き輪」
「ありがとう、真治」
別に抱っこでも良かったけど、特別に許してあげよう。
べっ、別に密着率が高いのが恥ずかしいとかそういうのじゃないから!! チキってなんかないんだからね!!
「真治!」
「ん? なんだヨオロォ!?」
真治に水をかけるとそれが口に入り、新たなる言語を産み出した。
今の何語かな? よくわからないけど、嬉しいってことで良いのかな?
「まだまだいくよ! えいっ!」
「この! やりやがったなっ!!」
ボクと真治は水を掛け合うという何ともリア充らしい行動を映画デート以来、初めて行った。
はっきり言ってコテージイベントとか不要だと思うほど幸せ……
……なんか美少女がボクたちを羨ましそうに見ているような気がする。
うん、仕方ないよね。キミはリア充じゃないんだよ。あっち行ってな。ボクは真治とイチャイチャするから。
などと考えていたら水着を下に着ていたようで川にズカズカと入ってきた。
あっ、やべっ! このままだと美少女にセリフが入ってしまうぞ!
あの美少女もなかなか頑張るようだな。感動的だよ。
――――――――だが無意味だ。
「秘技! 時間飛ばしの術!!」
◇◇◇
「バーベキュー焼けたわよー」
「はーいっ!」
時は流れて夕食の時。
ハッ! ざまぁないね! 美少女風情に喋る権利はないのだよ!!
「ほら、立花さんも食べて」
静流さんが美少女にお肉をよそった皿を渡す。ボクは美少女が何かを口ずさむ前に真治の元へ駆け寄り、話しかける。
「真治、あーん!」
「ん? ……あ、あーん」
他の人の目もあって、恥ずかしがりながらもボクのあーんを受け取ってくれた。
やっぱりスゴくうれしい……
でも、ちょっとだけ疲れちゃったな。もう立ってられないや……
「おっと、千尋? 大丈夫か?」
「すぅー……すぅー……」
「寝ちゃったか。可愛いやつめ」
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